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江戸川駄筆のサッカー日誌
1999-2000/vol.32

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Readers' Mail No.095(4/3)

ラツィオもやれば出来るじやん

by ジダンユベウルトラマン

 このリアルタイムなサイトに古い話題で恐縮ですが、CL2次リーグの最終戦のチェルシー対ラツィオは久しぶりに興奮する試合でした。個々の有能なタレントを数多く抱えながらお世辞も機能していると言えない両チームの激突でしたが、両者の本当に勝ちたいという気持ちとプライドががっぷり四つに組み、大変見ごたえがある試合でした。トーナメント進出のためには絶対勝たねばならないラツィオの真剣さが若干チェルシーを上回ったというところでしょうか? これまで、日本の某プロ野球チームのように有名選手を無計画に集めるラツィオの試合で感動したり、面白いと思ったことはほとんどありませんでしたが(失礼ですね?)、この1試合のみで大きく見直して今回のちゃりだび(※編集部注=CLを対象とした順位当て大会のこと)と相成りました(ユーベにも勝ったって本当すか)。

 全然関係ないのですが、元西武の渡辺久信が台湾でコーチ業兼開幕投手(その上最多勝?)をしているのをTVで見て、感銘を受けると同時にこの久信といい、現在の工藤といいレベルの高い人物(?)が主力投手陣であったあのときの(どのときじゃ)西武には勝てるわけがないと思いました。昨日、友人からのボックスシートのチケット譲渡を断った段階で(ほしかったですか?)本格的にプロ野球から足を洗った自分を再確認しました。

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4月14日(金)12:40 a.m.
 きのう、仕事場の玄関に「新聞の勧誘はお断りします」の貼り紙をした。これで仕事の邪魔をされずに済むわいと思ったのだが、こんどはまた電話セールス攻勢である。以前は1日に1件ということが多かったのに、きのうの午後だけで3件あった。住宅のご紹介、資金運用のご案内、そして幼児教室のお誘い。住宅はいりません、運用するほどの資金はありません、ここは仕事場なので妻はいません(なんで幼児教室を売り込むのに「奥様はご在宅ですか」って訊くんだ? 父親じゃダメなのか?)……と断るたびに、集中力がプチプチ切れてしまう。このクソ忙しいときに、いまいましい奴らめ。

 ラツィオ×インテル(コッパイタリア決勝第1戦)をビデオ観戦。こんな時期に「決勝」と名のつくゲームを戦わなければならないとは、難儀な話である。しかし、せめて1冠は死守したい。ところが前半8分にセードルフが決めて、インテルが先制。ありゃまあと思ったが、インテルのDFラインが下がり始めた40分に、中へ切れ込んだネドベドがやや強引に放ったシュートがゴールイン。今季のネドベドはほんとうに頼もしい。好きだ好きだ大好きだ。さらに後半の立ち上がりには、コンセイソンのクロスをシメオネが得意のダイビングヘッドで押し込んで逆転。シメオネはほんとうに勝負強い。好きだ好きだ大好きだ。

 そのまま2-1でラツィオが先勝したわけだが、そんなことよりも、下手するとこの一戦は、ロナウドがそのキャリアを終えた試合として記憶されることになるやもしれぬ。手術から復帰し、後半途中から登場したロナウドだったが、わずか6分後に悲劇は起こった。ラツィオ陣内でドリブルを始めたロナウドが、マークについたコウトをかわそうと、ボールをまたぎながらフェイントをかける。そして右にステップした直後、天才ストライカーは右膝を抱えて苦痛に顔を歪めながら倒れたのであった。ゲームを切ってドクターを呼ぶラツィオの面々。「大丈夫か!」と真っ先に駆け寄ったのはシメオネだった(その姿に男気を感じた)。泣きながら救護車で運び出されるロナウド。すぐにチャーター機が手配され、手術をしたフランスの病院へ運ばれたそうだが、また同じ医者に執刀させていいんでしょうか。だって、ちゃんと治ってなかった可能性もあるわけだろ? 試合に出たってことは、その医者もゴーサインを出したんだろ? それが接触プレイもないのに倒れたんだから、ふつうに考えたら信用できないと思うんですけど。ともあれ、ブラジル人にとっては、セナの事故死以来の衝撃(ちと大袈裟か)だったんじゃなかろうか。復帰の可能性は五分五分らしいが、W杯決勝以来、ほんとうにろくなことがない。若くして成功を収めた天才が辿る悲劇的な末路の典型、にならなきゃいいけどねぇ。なんとも気の毒な人である。

4月13日(木)8:40 a.m.
 きのうの夕方4時頃、玄関の呼び鈴が鳴った。仕事を中断して玄関を開けた。朝日新聞の勧誘員だった。新聞は要らない、と断った。その2時間後、また玄関の呼び鈴が鳴った。仕事を中断して玄関を開けた。朝日新聞の勧誘員だった。新聞は要らない、と断った。アタマに来た。

 ペルー×パラグアイ(W杯南米予選第1節)を観戦。いきなり当落線上にあるチーム同士(どっちかが豪州とプレイオフ?)の直接対決といった趣である。ソラーノのPK、セットプレイからのパラシオスのミドルシュートで、ペルーの2-0。チラベルトはPKを相手GKに止められていた。最終的に得失点差の争いになりかねないことを考えると、同じ負けるにしてもこの1点は痛いかも。

 スペイン杯準決勝第1戦で、バルサはアトレチコに3-0で負けたらしい。アウエーとはいえ、B落ち寸前のアトレチコ相手にこのスコアはまずいだろ。2試合連続の3-0負け。3試合連続の3失点。いよいよ「無冠」という名の地獄が見えてきた。

4月12日(水)8:50 a.m.
 すげぇや、スコールズ。
 ミドルスブラ×マンチェスターU(プレミア第32節)は壮絶な撃ち合いの末、3-4でユナイテッドの勝ち。ユナイテッドの3点目が、スコールズの超絶シュートによるものだった。ペナの外から右足で放った強烈なシュートは、力感あふれる直線的な弾道を描いてまっしぐらにゴール右隅へ。そのスピードといい、威力といい、ギリギリのところを狙ったコントロールといい、(オールスターで8連続三振を奪った頃の)江川のインハイへのストレートみたいだった。要するに、完璧、ということである。感服した。ミドルスブラを応援するのも忘れてほれぼれしちゃったよ。
 それにしてもえらいゲームで、ミドルスブラは惜しかったなぁ。先制して前半を1-0で折り返したにもかかわらず、後半2分にギグスにやられたのが痛かった。インスのヘッドで2-3まで詰め寄った1分後にフォーチュンに決められた(オフサイド取れなかった)のは、もっと痛かった。しかし何といっても、いちばん痛かったのは、前半にリカルドのゴールが認められなかったことである。CKからヘッドで華麗に叩き込んだのだが、誰かがなんかファウルしたらしくてノーゴール。リプレイを見ても、何があったのかさっぱりわからん。あそこで2-0になってりゃ、逆のスコアになっていただろうに。でも最後まで粘って1点差まで追いすがったあたりは、見上げた根性である。たしかアウエーのファーストマッチでも、かなりユナイテッドを苦しめたと記憶している。いいチームだ。……ところでガスコインの骨折は治ったんだろうか。

 プレミア・ハイライトでリバプール×トッテナムをチェック。ベルガーのミドルとオーウェンのごっつぁん(ヘスキーのラストパスが絶品)で、2-0。映った決定機の8割はリバプールだったから、圧勝だったんだろう。これでリバプールは2位浮上である。来季はCLでオーウェン、が楽しめそうだ。

 以下、来季へ向けた移籍の噂。
・チェルシーがクライファート獲得に動く
・ナポリがオルテガ獲得に動く
・アーセナル、ミドルスブラがカロンに興味
・ベルカンプとニステルローイがトレード?
・F・インザーギ移籍?
・レコバがユーベ移籍?
・リバプールもレコバ獲得に動く
 ……ほんまかいな。

4月11日(火)9:30 a.m.
 以前ゴーストで書いた本が、このたび韓国語に翻訳されることになったんだそうだ。数年前にも別の本が中国語に翻訳されて台湾で出版されたことがあった(それによって、およそCD1枚分に相当する巨額の印税を手にした記憶がある)が、なんか、へんな気分である。そもそもゴーストライターの書く文章というのは著者の話し言葉を書き言葉に「翻訳」しているようなところがあるわけで、それがさらに外国語になると、どんどん原形を失っていくような感じがして面白い。翻訳された韓国語版を、さらに日本語に翻訳したものを読んでみたいところである。それを俺がリライトしたら、元通りの文章になったりして。なるわけねーな。
 ……ん? と、いうことは。韓国語版を英語に翻訳し、英語版をフランス語に翻訳し、フランス語版をタガログ語に翻訳し、タガログ語版をオランダ語に翻訳し、オランダ語版をサンスクリット語に……という具合に何度か翻訳をくり返してから最終的に日本語に翻訳して、さらにリライトをかけたら、ほとんど「パート2」と言えるほど違った内容になるかもしれん。おお。こりゃ楽ちんだ。しかも翻訳者が無能なほど誤訳によって内容が新しくなるってのが素晴らしい。その「パート2」をまた翻訳連鎖システムに投げ込めば、続編が無限にできるじゃあないかっ。すごいすごい。……なに? それは内容が新しくなったんじゃなくて、コピーで質が劣化してるだけだって? あ、そっか。しかし考えてみると、この10年間というもの、それと似たようなことを少なからずしてきたような気がしなくもない。うーむ。これでいいのか出版文化。

 そういえば、書いた本が盲人用のカセット・ブックになったこともあったな。もらって少し聞いてみたのだが、あーた、あれぐらい恥ずかしいものもありませんよ。いたたまれなくなって、2ページ分しか聞いてられなかった。あれを人に聞かれるぐらいなら、著者が喋ってる取材テープをそのまま商品化してもらったほうがマシである。

 バルセロナ×マジョルカ(リーガ第32節)を観戦。エトー、2ゴールの大活躍。あっちのエトーが打ってるのかどうか全然知らないが、マジョルカのカメルーン人FWエトー(19歳!)はすばらしかった。っていうか、フランク・デブールがボロボロだったんだけど。バルサ、もしかして地獄へ落ち始めたのだろうか。ホームで0-3の惨敗である。ラツィオにくらべりゃ余裕だろうと思っていたが、チェルシー戦の敗北は意外にでかいダメージになっていたのかも。前半は75%の支配率を誇りながら、カウンターで単純なワンツーを決められて0-1。後半にもモタモタした守備を見せて2点を連取されてしまったのであった。攻撃のほうはそう悪く見えなかったが、リバウドがいまひとつ冴えない感じ。やはり、ルイス・エンリケ、ロナルト・デブール、グアルディオラと中盤のキーマンを故障で欠いているのが痛い。孤軍奮闘のフィーゴが気の毒である。この煮詰まった時期に、ガブリ、シャビの若年コンビでは荷が重いと見た。

 ウルグアイ×ボリビア(W杯南米予選第1節)を前半だけ観戦。初めて聞く組み合わせだったが、倉敷アナと粕谷さんのコンビはとても楽しい。さすが編集長と連載執筆者。息が合っている。コパでは地味なメンバーだったウルグアイだが、今回はレコバ(インテル)、オニール(カリアリ)、モンテーロ(ユーベ)、メンデス(トリノ)とイタリア勢を召集。レコバ、めちゃめちゃ楽しそう。やりたい放題の働きぶりで、キュートな笑顔を振りまいていた。ウルグアイが圧倒して、前半を1-0で終える。ここにポジェが加わったら、いまのブラジルより強い(少なくとも見てて面白い)かもしれん。

4月10日(月)10:20 a.m.
 入社3年でS社を辞めたのは、1990年の4月10日だった。フリーの身になって、今日でちょうど10年である。大したアテもなく辞めたのだが、何とかなるもんだ。いまから思うと、どうやって食っていくつもりだったのか全然わからなくて怖い。まさに若気の至りというやつである。最初に編集者として関わった『ウルトラ』という漫画雑誌が半年で廃刊になったときはさすがに慌てたが、1年やれれば2年、2年やれれば4年、4年やれれば8年はやっていけそうだと思いながら仕事をこなしているうちに、気がついたら10年たっていた。この10年、仕事を回してくれたすべての人々と、仕事を回してくれる人々を紹介してくれたすべての人々に感謝。ろくに営業活動もしようとしない俺がこうして暮らしていけるのは、すべてみなさんのお陰です。これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。……それにしても、元をただせば、仕事がらみの人脈の根っこはすべてS社にあるんである。あの編集者とも、この出版社とも、最初にS社に入っていなかったら絶対に知り合っていなかった。この業界、仕事の腕だけで仕事が入ってくるほど甘くはない。新米ライターの頃は、「元S社の社員」ということで信用された面も多分にあったはずである。たった3年のサラリーマン生活だったけれど、思えばずいぶん大きな財産を与えてくれたものだ。ほんとうに、ありがたい。

4月9日(日)
 ラツィオ×ペルージャ(セリエA第29節)をライブ観戦。バレンシア・ショックを振り払うための気分転換なのか、ラツィオはホームなのに黒っぽいジャージを着ていた。2トップはサラスとラバネッリ。なぜかロンバルドがスタメン、ネスタも復活していた。序盤から、サラスがネドベドがラバネッリが雨あられとシュートを放つものの、やけに落ち着いているペルージャ守備陣に阻まれて前半は0-0。マッツァンティーニは、相変わらず好セーブを連発である。いいGKだなぁ。故障明けのネスタがまた脚を痛めて途中交代したこともあって、オリンピコにはすげーイヤなムードが漂っていた。しかし後半開始早々、ロンバルドが重苦しい空気を振り払ってくれた。49分、パンカロのクロスに合わせたラバネッリがどフリーでヘディング・シュート。これが相手ディフェンダーに当たってこぼれたところを、ロンバルドが押し込んだのである。どさくさ感に溢れたラツィオらしいゴールであった。その後はとくに見るべきところもなく(居眠りしちまったぐらい退屈)、終了間際にはペルージャの猛攻を受けながらも、そのまま1-0の勝利。ただ勝っただけの試合であった。よかった。

 ニューカッスル×チェルシー(FAカップ準決勝)を後半からライブ観戦。FAカップ、いつの間にか準決勝になっていた。6回戦というのが、準々決勝にあたるラウンドだったんだろうか。前半はポジェのゴール(アシストは若武者ハーレイ)でチェルシーが1点リード。しかし後半はのっけからニューカッスルの怒濤の攻めが始まり、チェルシー守備陣は大忙しである。デフーイの活躍もあって何とかしのいでいたものの、67分、シアラーが右サイドから上げた絶妙なセンタリングをリーが押し込んで同点。逆転も時間の問題かと思われた。しかし同点からわずか5分後、再びポジェのヘッドが炸裂。白熱の接戦を1-2で制したチェルシーがファイナル進出を決めたのであった。ナイス。

4月8日(土)
 吉祥寺のタワーレコードで『長谷川きよし コンプリート・シングルズ』なるCDを買う。長谷川きよし。実は俺、ファンなのである。高校生の頃、毎月のように吉祥寺の「曼陀羅」で彼の弾き語りライブを聴いていたこともあったっけ。旧作がCD化されていないものかと折りに触れて探していたのだが、やっと1枚だけ見つけた。浸れる。どういうわけか、これを聴いていると「新宿」の匂いがする。昔のアルバムも、できればCD化してもらいたいもんだ。スペインにギター1本持って乗り込み、各地の屋外で収録した『遠く離れたおまえに』(だったかな)という作品なんか、絶品だったんだけどなー。長谷川きよしCD情報をお持ちの方、ご一報ください。いねーか、そんな奴。

 トリノ×パルマ(セリエA第29節)は2-2のドロー。ラッシッシのせいでベローナに負けた試合以来、パルマはあんまり見ていなかったような気がするのだが、このところ5連勝でまた順位を上げていたらしい。連勝・連敗のくり返しで、なんだか一時の魁皇みたいなチームである。トリノに先制され、クレスポ、アモローゾのゴールで逆転し、その1分後にまた追いつかれるという展開。また下降モードに入ってしまうんだろうか。

4月7日(金)11:30 a.m.
 はらほろひれはら。あっちょんぶりっけ。あじゃぱぁ。とほほ。ぎゃふん。……と、5回も打ちのめされたバレンシア×ラツィオ(CL準々決勝第1戦)であった。5-2でラツィオの負け。ご、ご、ごぉにぃ !? そうです。ごーにーです。今季最多失点です、はい。ったくよー。ネスタが離脱して守備が安定してきただと? 強行日程で緊張感の維持と精神の高揚だぁ? んなこと言ってる奴がいたとしたら、なんもサッカーのこと知らんか、よっぽどのバカか、どっちかだな。いや、両方か。それにしても、なんと屈辱的な。いや、屈辱というより恥辱、恥辱というより陵辱だな、あれは。じょくじょくじょく。5点も取られたというより、よく5点でおさまったって感じである。シュート撃たれるたびに、鼻から脳ミソ出てくるかと思ったよ。ずるずるーって。前半と後半、それぞれ終了間際に取られたゴールが余計だった。1点差なら勝ったも同然、2点差でもドローに等しかったのに。だいたい、あのニールセンとかいうレフェリー、どうかしてるぞ。あのヴェーロンのプレイがダイブだったら、アルゼンチン戦でオーウェンが倒されたプレイだってPKじゃねーだろ(あの試合も同じ主審だったよね)。……なんて話をしても虚しいばかりである。なんなんだ、いったい。チェルシー、ローマ、ユーベを下したところで燃え尽きたか。そりゃ、まあ、そうかもしれんよなー。やっと「ドローでオーケー」の試合を迎えて、気が緩むのも無理はない。エリクソンがカンプノウのバルサ戦を視察したことが裏目に出たのかもしれないな。でもさー。いくら油断したって5点も取られんだろ、ふつう。でも、まあ、いいや。こんだけ派手に壊れりゃ、いっそ清々しい。それに、ホームで3-0はぜんぜん無理な数字じゃないし。セルタが4-0でユーベを逆転した前例もある。来季ラツィオ入りするクラウディオも、オリンピコのサポーターに嫌われたくはあるまい。俺は奇跡を信じるぞ。持ってるアタッカー全員つぎこんで、ヤケクソ攻撃サッカーを見せてみろ。第2戦は、6-2でラツィオだ!

 放心状態のまま、チェルシー×バルセロナ(CL準々決勝第1戦)をビデオ観戦。解説の田嶋さんも言ってたけど、リバウドのFK(デフーイ、ナイス!)を合図に始まったドンパチは凄かった。あれはチェルシーのペースというより、完全にプレミア・ペースである。バルサとしては、わけのわからんうちに3点取られてたって感じじゃないだろうか。話には名手と聞いていたが、ゾラのFKが決まるのを俺は初めて見たような気がする。美しかったねぇ。そしてフローの連続ゴール。後半にフィーゴのゴールでバルサが一矢報いたものの、3-1でチェルシーの勝ち。こりゃ、面白くなってきた。2点差ってのは、ちょうどいい按配のハンデだな。カンプノウでバルサが序盤からどんな猛攻を見せてくれるか楽しみである。

4月6日(木)9:30 a.m.
 森内閣が発足。タナボタであれ何であれ、総理大臣になるってのはものすごぉく嬉しいことなんだろうなぁ。前任者が危篤だというのに、こみ上げる笑みを隠し切れていなかった、とニュースを見た愚妻から聞いた。新聞を見ても、どの写真も笑ってるね、あの人。それが有権者にどんなイメージを与えるかということが計算できていないところが、自民党(に限らないか)の政治家の愚かしいところである。どうでもいいけど、首相が意識を失ったときの対応に関して法律に明確な規定がないって、どういうことだ? 今まで誰も、そういう規定が必要だって気づかなかったわけ? もっとも、「日本は13時間も責任者不在の状態だった」って外国のメディアに驚かれても、「そんなもん、一年中いないじゃん」なんて思ったりするわけだが。

 きのう帰宅したら、FC東京×ジュビロ磐田(J1第4節)をCSで生中継していた。激しい点の取り合いの末、3-2で東京の勝ち。これまでも何試合か横目で眺めてはいたが、東京、強えーなー。スタミナとモチベーションと決定力のあるFWさえあればサッカーは何とかなってしまう、ということか。なんだかプレミア序盤のサンダーランドそっくりである。

 レアル・マドリー×マンチェスターU(CL準々決勝第1戦)はスコアレスドロー。終始マドリーが攻め続け、ときおりユナイテッドが鋭い逆襲を仕掛けるという展開で、一歩間違えれば3-2ぐらいの乱戦になっても不思議ではなかったが、どちらも詰めが甘かった。っていうか、ユナイテッドがドローに持ち込めたのはボスニッチのお陰なのであるが。ポカも多いGKだけど、ファインセーブの数は世界でもトップクラスかもしれんな。アウエーで引き分けたユナイテッドが基本的には有利になったわけだが、マドリーのほうも相手にアウエーゴールを与えなかったのは大きいような気がする。マドリーが得点してたら、例のカサにかかった猛攻が始まって、結局は1-1か2-2になっていたかも。ユナイテッドの猛々しさを90分のあいだ封印したという意味では、マドリーにも収穫はあったんじゃなかろうか。第2戦1-1でユナイテッド敗退、なんてことも十分にありそうである。

4月5日(水)12:00 p.m.
 統合にあたって、ディレクTVはスカパーのアンテナ&チューナーを希望者に無料で配るんだそうな。「じゃあ、すでにスカパー持ってる客はどうすんだよ」とカスタマーセンターに電話すると、「現在、検討中です」とのこと。ほーら、案の定、後回しにされてるぞ。粗大ゴミと化すディレクのチューナーを買い取ってもらわんことには腹の虫がおさまらない。……あ、でもタダでもらえるチューナーの性能を確認したほうがいいな。そっちのほうが良かったら、交換させよう。それともチューナー2つ置いて、裏録可能にしてしまおうか(ほとんどヤケクソの選択である)。あるいは、余ったチューナーを親兄弟や知り合いに譲渡するという選択肢もあるのか? あー、考えれば考えるほど面倒臭い。先輩G氏のHPによれば、J-SPORTSとSky sportsの合併で、ケーブルテレビではいままで有料だったセリエやプレミアが無料で見られるようになったとか。なるほど。合併で得をするケースもあるわけか。いいなー。スカパーのほうは、チャンネル数も料金も合併前と同じである。なんだか納得いかない。俺も最初からケーブルにしときゃよかった。三色を捨てて一通を選択したら裏目に出た、みたいな気分である。なんて俺らしいんだろう。つかんぽ。関係ないけど、麻雀やりてー。

4月4日(火)13:20 p.m.
 Z・J・ウルトラマンさんから投稿(No.095)をいただきました。ラツィオがアウエーでユーベを下したのは……あらためてそう訊かれると自信がなくなったりするのですが(エイプリルフールの開催だったし)、たぶんウソのような本当の話です。少なくとも、うちのビデオで見るかぎり勝ってました。俺が念写したわけじゃありません。このところ急速にまとまりを見せ、ファンを大いに喜ばせているラツィオですが、なぜかネスタが離脱してから守備が安定してきた(ポカが減ってしぶとくなった)のが不思議なところ。俺、ネスタってすごーく優秀なディフェンダーだと(大した根拠もなく)思い込んでいたんだけど、実はそうでもなかったのかしら。猛烈なスライディング・タックルでピンチを防いだりすると、見た目が派手なだけに「うまい!」と素人は感じるわけですが、あれも両刃の剣みたいなもんなんだろうな。ともあれ、お互いラツィオのビッグイヤー獲得を祈って声援を送りましょう。ま、とりあえずスクデットの話は置いといて。
 あと、プロ野球は俺もぜんぜん見てません。「永久欠番」という言葉の意味も知らない人が(こんなことじゃ同じ人が口にした「永久に不滅です」もアテにならない)、「開幕を20勝10敗で」なんて言ってるのを新聞で見て、懲りない人だなぁ、と溜め息をついている程度。サッカーシーズンが終われば少しは見るかもしれないけれど、今年はEUROもあるし、サッカーがないのは7月だけだから、遠く離れたままになるかもしれませんね。ところで、なんで唐突に「ウルトラマン」なんでしょうか。俺は最近、セガレと「ウルトラマンごっこ」で盛り上がっているんで、へんに馴染んでしまうんですが。シュワッチ。

 昨夜は、バルセロナ×バレンシア(リーガ第31節)を観戦。それぞれのチームとCLで対戦するエリクソンとビアリがスタンドで観戦していた。エリクソンはやや自信を深め、ビアリは危機感を募らせて帰ったことだろう。3-0でバルサの圧勝であった。ゴールは、ボハルデ1、クライファート2。このところ、ボハルデは絶好調である。先制点を決めた上に、後半ロスタイムにはリバウドばりのラストパスでクライファートをアシスト。守りでは不器用なくせに、攻撃では実に器用なところを見せる男だな。さらに、グアルディオラも完全に復調した印象。2点目を演出したスルーパスは、まさに絶品である。顔を右サイドに向けてサイドチェンジするかと思いきや、意表を突いてど真ん中のストレート。最終ラインに並んだ4人のディフェンダーがぴくりとも動けない漫画のようなラストパスだった。なんだかんだ紆余曲折を経ながらも、ファンハールはこの時期に合わせてチームをいい感じに仕上げてきたということか。

4月3日(月)13:00 p.m.
 ファンの希望的観測が現実のものとなったとき、そのチームへの愛着は倍増するのである。こうなったらいいな、ああなればいいのにな、という願いを叶えてくれたときほど嬉しいものはない。しかし、まさか本当に2週間で9差が3差まで縮まるとはなー。
 ユベントス×ラツィオ(セリエA第28節)は、0-1でラツィオの勝ち。緊迫したゲームが動いたのは、67分のことだった。ヴェーロンのロング・フィードに反応して裏を取ろうとしたシモーネ君を、フェラーラが倒して2枚目のイエロー。例によってユーベは1人少なくなったわけだが、鉄壁を誇る10人ユーベも、10人になった瞬間だけは隙があった。フェラーラ退場後のリスタート。ミハイロビッチが逆サイドのスタンコビッチにフィードしたボールがユリアーノにカットされ、ヴェーロンの足元に落ちる。ノー・プレッシャーで狙いを定めたヴェーロンがゴール前にクロスを上げると、どこからともなくスペースに現れたシメオネがジャンピング・ヘッド。フェラーラの抜けた右サイドに気持ちが行っていたのか、モンテーロの対応が一瞬、遅れる。そしてこのゲーム唯一のゴールは、恨みがましそうにボールを追うファン・デルサールの視線を嘲笑うかのように、左のサイドネットを微かに揺すったのであった。うおお。母国でチリを相手に狂気に満ちたゲームを戦って戻ってきた2人のアルゼンチン人は、肉体的な疲労を補って余りある集中力と闘争心を維持していたのである。俺、シメオネが好きだ。好きだ好きだ大好きだ。アトレチコに売らなくて良かったねぇ。
 残り時間、極端に引いたラツィオ守備陣を10人ユーベが襲い続ける。ぜったい、同点にされると思った。だが、そこで踏ん張ったのがGKバロッタである。ローマ戦で故障したマルケジャーニの代役が、この日は大当たり。前半にはダビッツ(右上)の地を這うようなミドルシュートを右手一本で弾き出し、後半もびしびし枠をとらえてくるシュートを冷静にさばいていた。圧巻は後半ロスタイムのデル・ピエーロのFKである。右45度から蹴られたボールが、カーブを描いてゴール(向かって)左を襲う。世界中のラツィアーレが頭を抱え、小便をちびりそうになった瞬間、やや逆をつかれて重心を右に移動していたバロッタが左へ飛び、懸命に腕を伸ばした。孫子の代まで自慢できるファイン・セーブ。バロッタえらい。ものすごーく、えらい。
 とにかく、これで勝ち点差はたったの3。野球風にいえばゲーム差1である。ラツィオ2勝、ユーベ2分で逆転だ。残り6試合の対戦相手(予想される結果)は、ラツィオがペルージャ(楽勝)、フィオ(悪くてもドロー)、ピアチェンツァ(大勝)、ベネチア(復讐に燃えて粉砕)、ボローニャ(めちゃ悲観的に見てもドロー)、レッジーナ(圧勝)。ユーベのほうは、ボローニャ(下手すりゃドロー)、インテル(良くて引き分け)、フィオ(辛勝)、ベローナ(モルフェオにやられて負けもある)、パルマ(苦戦必至)、ペルージャ(楽勝)というわけで、誰がどう見たってラツィオ有利である。UEFAカップの敗退でリズムを崩したようにも見えるユーベに対して、ラツィオは強行日程がいいほうに出ている(緊張感の維持と精神の高揚)ような気もするし。ま、そんな甘いもんじゃないとは思うが、最後の最後まで楽しめる展開になったのは嬉しいねぇ。それにしても、昨季に続いて最終節でライバルがペルージャと対戦である。どきどきしてきた。

 ローマ×ウディネーゼ(セリエA第28節)は1-1のドロー。トッティもモンテーラもカフーもカンデラもディ・フランチェスコもいないローマは、めちゃくちゃ地味なメンバーであった。そうなると当然、中田は王様である。愚妻いわく、「今日のローマって、ペルージャみたい」。なるほど。そう言われてみりゃ、デルベッキオは去年のラパイッチ、右サイドのイモ臭い選手(名前忘れた)はペトラッキ、ポッジはカビエデスのようにも見えるのであった。中田は獅子奮迅で最高の出来映えだったが、いかんせんポッジが疫病神。しょうがないから中田が自分で決めた、って感じの先制ゴールであった。アシストはポッジで、うまく浮かせたいいラストパスではあったけど、あそこで中田がワンツーのカベになることを選択せずに自ら裏へ走り込んだのは、やっぱ「ポッジに撃たせるわけにはいかん」という気持ちの表れではなかろうか。さらに守備陣もメタメタで、コロンビア帰りのザーゴとアウダイールがイージーなミスを連発。気合い十分のアルゼンチン勢(ラツィオの2人だけでなく、バティもボローニャ戦で2ゴール)にくらべて、ブラジル勢は情けないかぎりである。後半早々、ソサのへなちょこシュートで同点にされたのも、誰がどう見たってザーゴが悪い。あんな守備じゃJリーグだって通用しないぞ。……あ、ザーゴってJにいたんだっけか。終盤にもウディネに何度も決定的なシュートを放たれ、あわや4連敗かという展開であった。勝てば評価がうなぎ登りになるところだっただけに、中田はえらい悔しかろうなぁ。試合前にはヘルメット、試合中もヶがして格好悪いネットかぶらされちゃって、ゴールは決めたとはいえ、ひどい一日だったんじゃないだろうか。
 ところで先週からスカパーはコメンタリーを現地に送り込んでいるのだが、途中で修正されたものの、最初は映像より音声が1秒ぐらい早く届いていて、すごくつまらなかった。シュート撃つ前から外れるのがわかっちゃうんだもん。慌ててスタッフが修正を試みると、こんどは3秒ぐらい音声が遅れるという間抜けぶり。いったい、どういう仕組みになってるんだろう。安い電波つかってんじゃねーのか。

4月2日(日)
 昨夜は、リーズ×チェルシー(プレミア第31節)をライブ観戦。ビアリはバルサ戦のことしか考えていないらしく、ゾラもフロもポジェもデシャンもデサイーもペトレスクもこの日は温存。それでも20歳の新星ハーレイのゴールを守って0-1で勝ったのはえらい。ホームでのファースト・マッチでは退場者続出ですっとん(SUTTON)がCBを務めるという惨状をさらし、0-2で屈辱的な敗戦を喫していただけに、これで少しは気持ちも晴れるというものである。しかしすっとんは、ハーレイのゴールをアシストしたとはいえ、やっぱりダメ。でかい図体で前線をうろうろしてるだけで、邪魔くさいったらない。たまに中盤まで下がったと思えば、パス出した後にボーっと立ってるだけだし。走れよ。

 リーズの連敗で、プレミアは2位リーズから5位チェルシーまで5ポイント差。リバプールもオーウェンの2ゴールで勝ったらしく、リーズと1差である。マンチェスターの優勝は動かないと思うが、CL出場権争いはがぜん白熱してきたのであった。

4月1日(土)
 何を隠そう、メグ・ライアンが好きである。うわ、恥ずかしい。告白しちゃった。えへへ。気色悪いってゆーなよ。んで、ゆうべWOWOWで『シティ・オブ・エンジェル』を初めて見たのだが、ひどい映画だな、ありゃ。メグを起用しながらあんなつまらんものを作るなんて、許されることではないぞ。そもそも嫌いなせいもあるんだけど、ニコラス・ケイジが気持ち悪すぎ。天使がストーカーになってどうする。人気のない夜の病院でメグと初めて出会うシーンなんて、ほとんどホラーじゃん。部屋の隅っこに隠れてるシーンでは、ツイン・ピークスを思い出したりした。演出もシナリオも、説得力ゼロでぜんぜんダメ。愚妻も、「この監督、浜辺に天使たちが集まってるシーンが撮りたかっただけなんじゃないの」と憤っていた。俺もそう思う。さらに愚妻は「天使が胸毛なんか見せてちゃダメよ」とも言ってたな。俺もそう思う。しかし悲しいかな、メグ・ライアンも老けてきちゃったよなー。のほほん、のほほん。

似てる人シリーズ#99

ニコラス・ケイジとベローナのモルフェオ。

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