シェイダさんを救え!ニュースアップデイト No.1〜No.10 |
2000年8月10日〜2000年12月18日
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「シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト」創刊のお知らせ
「チームS・シェイダさん救援グループ」は、オーバーステイで入管局に収監され、日本政府に難民申請を行っているイラン人のゲイ、シェイダさん(仮名)をサポートするために、シェイダさんの友人たちによって結成されたグループです。
******************************** 七月三十日、高円寺社会教育会館において、「シェイダさんを救えっ!大作戦」集会が開催されました。酷暑の中にも関わらず、約三十名の人の参加があり、活発な討議が行われました。
(1)シェイダさんが難民申請に至ったわけ 最初に、シェイダさんが難民認定申請にいたった経過の説明が行われました。
シェイダさんは昨年来より、日本のゲイ・コミュニティと積極的に関わるようになり交流を深めて行きました。彼は同性愛者であることを理由としたイランでの社会的迫害を恐れ、以前にも難民認定申請を行おうとしていたのですが、オーバースティという自分の立場もあり、そのことを断念していました。ところが、四月二十二日に仕事が終わって帰宅しようとする途中、警察官に職務質問され逮捕されてしまったのです(これは石原都知事による外国人排除発言のあとでした)。
(2)イランにおける同性愛者の迫害状況 つづいてイラン本国における迫害状況が報告されました。シェイダさん支援グループでは、この間、証拠資料などを外国から取り寄せ、翻訳などあたってきました。その資料の作成の際に、イランでの同性間性行為を禁じている刑法「ソドミー条項」の存在を始め、イランで同性愛者が政府により処刑されているという事実やその他の迫害の事実、イラン人同性愛者が他国で難民として受け入れられている実績と判断理由などに沿って情報を収集してきました。
(3)難民認定・在留特別許可について また、難民認定と在留特別許可について、シェイダさんの代理人である大橋毅弁護士(池袋市民法律事務所)に報告していただきました。
2000/07/30 シェイダさんを救えっ!大作戦集会アピール 本日、私たちは、イラン人同性愛者であるシェイダさんの難民認定を求めて集まりました。私たちは、シェイダさんとの出会いの中で、はからずも日本でのイラン国籍・その他の外国籍の同性愛者の権利が法的に脅かされていることを知ることとなりました。折しも、2月には東京・江東区の夢の島公園で同性愛者をターゲットにした襲撃・殺人事件が起こったこの日本で、イラン国籍の同性愛者であるシェイダさんがカミングアウト(同性愛者であることを公言すること)し、日本の同性愛者・性的少数者のコミュニティと豊かな関係を築くことができたことに、私たちは一筋の希望を見いだすことが出来ます。
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8月8日午後1時30分から、法務省1階の会議室で「チームS・シェイダさん救援グループ」と法務省入国管理局との話し合いが行われました。法務省側として出席したのは、木島正芳(まさよし)・入国管理局難民認定室長、北村晃彦・難民認定室翻訳官、上原巻善・入管局警備課補佐官の3名。一方、救援グループ側はチームSのメンバー4名と、アムネスティ・インターナショナル日本支部から1名、紹介議員の福島瑞穂さん(参議院議員)も出席されました。
本人提出の証拠を無視する難民認定室 話し合いはまず福島さんから本日の趣旨の説明があった後、救援グループ側の申入書の質問事項について、木島難民認定室長より答弁がありました。
難民認定室の立場はイラン政府寄り? 救援グループ側は、シェイダさんが提出した証拠資料一式を再度提出用に持参していましたので、それを木島室長に提出しようとしましたが、木島室長が受領を拒否したため、やむなく説明時に閲覧してもらうこととし、木島室長の答弁に対する反論を行いました。 60日条項についても「立法論の問題」として門前払い 次に、シェイダさんの難民認定申請を退けた法務省の第一次決定(7月4日)について、救援グループからの説明が行われました。 全体としては大きな達成 このように、話し合いは内容としては平行線に終わったわけですが、以前から難民問題について取り組んできた立場から考えれば、個別のケースについて、こうした話し合いが成立することだけでも一歩前進であるようです。
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========================================================= ******************************************* 「入管法」により収監されているシェイダさんから、以下のメッセージが届きました。 ******************************************* 法務省が東京地方裁判所に、シェイダさんは難民に該当しないので退去強制令の執行停止をする必要はない、という趣旨の意見書を提出しました。この意見書は、シェイダさんの主張に真っ向から反論するものです。 (1)整理:シェイダさんの現在の法的状況 法務省の意見書の内容について紹介する前に、シェイダさんの現在の法的な状況について簡単に整理することにします。 (2)法務省の主張 法務省の意見書に於ける主張のうち、重要な部分の論理展開は以下のようになっています。 (3)同性愛者の尊厳を否定する法務省 法務省の意見書には、大きな問題点があります。最も大きな問題点は、シェイダさんが退去強制にあたって実際に感じている恐怖・不安について、その根拠や背景となる事実を全く斟酌することなく、一片の公的文書に全面的に依拠して、完全に切り捨ててしまっていることです。 |
========================================================= ****************************************** 《シェイダさん面会記》 《東日本入国管理センターの住所》 《センターまでのアクセス》 ****************************************** 前号でも書きましたとおり、シェイダさんは現在、入管当局によって「東日本入国管理センター」(茨城県牛久市)に収容されており、法的には以下のような状況にあります。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++ ************************** これまで、シェイダさんを救援するための「チームS」の活動は、メンバーによる持ち出しと、シェイダさんの許可をうけての本人の貯金の活用などによって行ってきました。
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***************************************************** <速報1>●シェイダさんに激励を!仮名でも手紙が着くようになりました● 現在シェイダさんは茨城県牛久市にある「東日本入国管理センター」に収容されています。シェイダさんというのは仮名であり、別に本名がありますが、イランは革命政権だけあって駐日イラン大使館が活発に諜報活動を行っていること、日本のイラン人コミュニティの中でもホモフォビアが強いことなどの問題があり、「シェイダさん」という仮名を使っています。 <速報2>●東京地裁、シェイダさんの退去強制の執行停止を決定!● 7月4日、法務省はシェイダさんの難民不認定と、退去強制に対する異議申し立てに関して「理由無し」とする裁決を行い、シェイダさんに退去強制令書を交付しました。シェイダさんはこの処分について、東京地方裁判所に行政訴訟の提起と退去強制の執行停止申立を行っていましたが、9月19日、東京地裁はシェイダさんの退去強制について、第一審判決までその執行を停止する決定を行いました。 ***************************************************** *************************************** ******************************* 私たち「チームS・シェイダさん救援グループ」は、現在、茨城県にある東日本入国管理センターに収容され、日本政府に難民認定を申請しているイラン人同性愛者、シェイダさん(仮名)を支える活動をしているグループです。 |
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***************************************************** ●●●シェイダさん行政訴訟 第一回口頭弁論の日程決まる!●●● さる7月4日、法務省はシェイダさんの難民申請に対して、これを不認定とし、特別在留許可も与えないという決定を下しました。さらに、退去強制令書の交付を行い、シェイダさんの退去強制の執行を開始したのです。 ●●●イラン大統領・ハターミー師の来日が決定●●● 10月6日、外務省はイラン大統領セイエッド・モハンマド・ハターミー師が10月31日から11月3日までの4日間、公賓として来日することを発表しました。 ***************************************************** 「チームS」では、本年8月より、シェイダさんの難民認定と仮放免(強制収容を解くこと)を求める嘆願書を集めてきました。9月末までの1ヶ月半の間に、難民認定については224通、仮放免についてもほぼ同数の嘆願書が集まったことから、これを第一次集約として、法務省に嘆願書を提出してきました。ご協力を頂いた皆様、本当にどうもありがとうございました。 ***************************************************** 10月7日(土)、8(日)の2日間、チームSでは東京・日比谷公園で行われた「国際協力フェスティバル2000」に参加して、シェイダさんのゲイ難民問題をアピールし、難民認定・仮放免を求める嘆願書への署名を訴えてきました。 |
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***************************************************** ●●●法務省、シェイダさんの難民申請異議申し出を棄却●●● ●●●イランで2名が「性的逸脱」により処刑される・夕刊紙が報道●●● ***************************************************** イラン・イスラム共和国大統領ハターミー師来日にあたっての緊急声明 ●ハターミー政権下のイランの同性愛者弾圧● ●日本政府は同性愛者弾圧の状況を直視し、シェイダさんに難民認定を認めよ!● ところが日本政府は、イランでの同性愛者弾圧に十分な理由のある恐怖を感じて日本に難民申請を行ったイラン人ゲイ、シェイダさん(仮名)を難民不認定とし、特別在留許可も与えていません。 |
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***************************************************** シェイダさんの在留権裁判の法廷が、11月20日(月)ついに開かれます。 ***************************************************** 「チームS」では、8月以降、シェイダさんの仮放免と難民認定を求める嘆願書を多くの人に書いてもらうキャンペーンを行ってきました。8月27日に開催された東京レズビアン&ゲイ・パレードを始め、10月に「国際協力フェスティヴァル」に参加したり、これまで集会を2回開催するなど、キャンペーンを進めた結果、これまでに合計225通の嘆願書を集め、法務省に提出することができました。ご協力ありがとうございました。(もちろん、現在も嘆願書を集めています。協力していただける方、よろしくお願いします。) (1)「G−メン」第57号 まず、ゲイマガジン「G−メン」の記事から。2ページの見開きで、シェイダさんの事件が紹介されています。シェイダさんの事件の発端から、現在の状況に至るまでが年表形式で整理され、この問題の解説記事がコンパクトに並ぶと同時に、「東日本入国管理センター」の面会室で行われたシェイダさんの肉声インタビューも紹介されています。「G−メン」の記者の方が、チームSの面会に同行し、インタビューを行ったのです。 (2)「週刊金曜日」11月3日 次は、硬派の週刊誌「週刊金曜日」の11月3日号「アンテナ」欄です。「アンテナ」欄の最初の記事が、シェイダさんに関するものです。 (3)アムネスティ・インターナショナル・ニュースレター11月号 アムネスティ・インターナショナルは世界的に有名な国際人権組織で、シェイダさんのことについてもいろいろとご協力いただいています。このアムネスティ・インターナショナルのニュースレター11月号に、シェイダさんの問題が取り上げられています。 (4)ピースネットニュース第152号(11月10日発行) 最後に紹介するのが、「ピースネットニュース」です。様々な市民運動を網羅するミニコミ誌として以前から定評のある「ピースネットニュース」は、「シェイダさんを救え!ニュースアップデイト」の第六号に掲載した、「イラン大統領ハターミー師来日に関する緊急ニュースリリース」を「電脳情報コーナー」にそのまま掲載してくれました。イランやイスラム社会の人権問題を考える人々にアピールすることができたと思います。 |
========================================================= ************************************************** 11月20日(月)の朝10時半より、霞ヶ関にある東京地方裁判所第606号法廷で、シェイダさん在留権裁判の第一回口頭弁論が開かれました。前夜から続く雨で、とても寒い一日でした。 ************************************************** シェイダさんは現在施設収容中で、法務省の方針により出廷できません。その代わりに、第一回口頭弁論に以下のメッセージを寄せてくれました。 〜 贈り物 〜 皆さんに心から感謝します。皆さんのご成功を願っております。 ************************************************** 「チームS」では、シェイダさんの在留権を確保するために「シェイダさん在留権訴訟」の支援を行っています。また、その一方でシェイダさんのイランへの送還という最悪の事態を回避するために、シェイダさんを受け入れてくれる第三国を探すという活動も行っています。 (1)カナダ大使館:東京都港区赤坂7-3-38●申請書の入手:可能 カナダは、イラン人同性愛者の多くを難民として受け入れている国であり、第三国出国の有望国といえます。 (2)オーストラリア大使館:東京都港区三田2-1-14●申請書の入手:可能 オーストラリアもイラン人同性愛者を複数、難民として受け入れています。 (3)アメリカ合州国大使館:東京都港区赤坂1-10-5●申請書の入手:不可能 今回取り上げた中で、一番対応が悪いのが米国大使館です。ただ査証部に入るだけのために、金属探知器をくぐり、身体チェックを受けなければならず、それだけで嫌になります。待っている人の数も多く、時間もかかります。 |
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************************************************** 年の暮れもおしせまってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 ************************************************** 1.「国際イラン人難民協会」がシェイダさんの件でUNHCRにサポートレター 欧米を拠点に活動する「国際イラン人難民協会」(International
Federation of Iranian Refugees: IFIR=ペルシア語Hambastegi)が12月14日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のジュネーブ本部に、シェイダさんを難民認定することを求めてサポートレターを送付しました。サポートレターでは、イラン政府が同性愛を法律で禁止し、厳しい拷問や処刑を行っていること、シェイダさんは同性愛者で、イランに帰国すれば迫害をまぬがれないと思われることについて説明し、シェイダさんは国際法上の難民にあたるので、UNHCRがシェイダさんを難民として認定し、適切なサポートを提供すべきであると述べています。 2.イランにおけるHIV/AIDSの現状 12月10日にイランの南西ケルマーン地方で発行されている日刊紙「ケルマーネ・エムローズ・デイリー」Kerman-e
Emrouz Daily によると、12月初旬、ケルマーン州のある町で、麻薬の静脈注射によりHIVに感染した息子が、HIV感染の事実に激怒した父親によって斧で残忍に殺害されるという事件が起こった。 3.「同性愛者の人権」をかかげるイランの反体制組織ふえる 最近、イラン国内で弾圧され海外で活動する多くのイラン人の反体制組織が、その綱領に「同性愛者の人権」を掲げる動きを見せている。 |
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******************************************* シェイダさんは現在、茨城県牛久市にある東日本入国管理センターにいます。シェイダさんが十条・入管第一庁舎から牛久の入管センターに移されたのは、もう4ヶ月近くになるでしょうか。読書が十分すぎるほどでき、詩なども書いて過ごしているとのこと。大変、ヒマをもてあましているといえましょう。 ************************************************** チームSでは、現在茨城県牛久市の「東日本入国管理センター」に収容されているシェイダさんの面会を月に2〜3回行っています。訪問記の筆者は、12月初旬に面会に行った桜井さんです。 <サクライ牛久へ行くの巻> 12月のとある日、サクライは一人の方と一緒に牛久へ面会に行きました。その日はとっても快晴(日本語変)で、雲一つないっていう表現がぴったり。これから何か良いことがありそうな予感さえさせるモノでした。まぁ、あくまで予感だったけど…。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ |