シェイダさんを救え!ニュースアップデイト No.11〜No.20 |
2001年1月25日〜2001年6月29日
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************************************************** 7月に始まったシェイダさんの在留権裁判ですが、いよいよ第二回口頭弁論の日時がせまっています。第二回口頭弁論では、前回の口頭弁論(11月20日)で提出された国(法務大臣)側の「答弁書」(シェイダさん側が裁判を起こすときに出した「訴状」に対して、国側が反論と見解を示す書類)に対して、シェイダさん側が再反論をする書類として「準備書面」を提出することになっています。 <シェイダさん在留権裁判 第二回口頭弁論> <第二回口頭弁論 報告集会> ************************************************** チームSでは、多くの方にシェイダさんとじかに知り合ってもらい、シェイダさんを励ましてもらうために、本年1月より「牛久入管見学・シェイダさん面会ツアー」を実施することにしました。 ************************************************** ************************************************** (1)ニュージーランド大使館 東京都渋谷区神山町20-40 ニュージーランド大使館は、東大駒場キャンパスの北側、高級住宅街のまん中にあります。これまで訪問した3つの大使館より小さいですが、なかなかよい雰囲気のところです。 (2)オランダ大使館 東京都港区芝公園3-6-3 オランダ大使館は地下鉄日比谷線の神谷町駅を降りて裏手の丘の上にあります。極端に広い敷地をもち、大使公邸は庭園・プール付きのしゃれた洋館、大使館もかなり凝った現代建築です。アメリカ大使館にも劣らない規模に驚きます。 |
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************************************************** さる1月30日(火)午前10時30分より、東京地方裁判所第606号法廷においてシェイダさん在留権裁判の第二回口頭弁論が開かれました。 ************************************************** ○○ 難民かそれとも動物か 〜性的指向による差別待遇〜 ○○ 私は、101日間、十条の入国管理局に収容されていました。一度も新鮮な空気を吸うことがなく独房に収容され続けました。そのことを訴えたら「あなたはゲイなので、他の皆とは別にいなければならない」と入管職員に言われました。さらに入管の職員は、「ここに収容されている人の中には、ゲイと同じ部屋にいるのを嫌がる人がたくさんいます」と言いました。私は他の収容者が同性愛に反対しているという理由によって、性的指向による差別待遇を受けてきたのです。こんな決定をしたのは、どんな法律、どんな裁判、そしてどんな裁判官なのでしょう? ++++++ ************************************************** 「第二回口頭弁論」で、シェイダさん側は法務省の主張に反論する「準備書面(1)」および一連の証拠資料を提出しました。 ●●●第13号は近日中に発行予定です●●● |
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***************************************************** 1.シェイダさんは難民かどうか。 (1)シェイダさん側:イランでは、同性間性行為を行った人を死刑や身体刑に処す刑法があり、90年代以降も執行例が数多く存在する。シェイダさんは同性愛者であることをカミングアウトしており、亡命イラン人同性愛者団体「ホーマン」の活動家でもある。イラン当局も、シェイダさんのことを把握している可能性がある。 2.退去強制令書を出したことは法律にかなっているか。 (1)シェイダさん側:迫害を受ける恐れのある国に帰国を強制する命令は、国際法上の「ノン・ルフールマン原則」(迫害を受ける恐れの国に帰国させてはならないという原則)に違反する。法務大臣には、国際法に違反する形で「在留資格」に関する裁量権を行使する自由はない。 ***************************************************** ●○●シェイダさんの裁判に行ったこと●○● めったに行くこともない東京地裁606号法廷に行くと、法廷に入りきれないほどの大勢の人々が集まっていました。 ●○●その後の交流会・ルノアールにて●○● 裁判終了後、コーヒーを飲みながら交流会がありました。自己紹介から始まり、チームSに限らず、いろいろな立場の人々が力を合わせてきているのがよく分かりました。牛久ツアーの様子やシェイダさんの様子が話され、大橋弁護士からも今回の裁判についての話がされました。 ***************************************************** 「チームS」では、牛久市にある「東日本入国管理センター」を訪問し、収容されているシェイダさんを激励する「シェイダさん激励・牛久入管体験ツアー」を1月から2ヶ月に一回程度の割合で開催することにしました。 ********************************************************** 近年イランでは、行政権・立法権を握る改革派に対して、司法府を握る保守派が厳しい巻き返しに出て、政治的緊張がどんどん高まっています。 2001年1月18日、イギリス・東部ミッドランドの中心都市レスター
Leicester 市の中心部に位置する、いわゆる「国際ホテル」 International Hotel といわれる施設の中で、一人のイラン人青年の死体が発見されました。彼の名はラミーン・カレーギー
Ramin Khaleghi、27歳でした。 ●○●ラミーン氏の追悼●○● ラミーン氏が住んでいたレスター市の「国際ホテル」は、以前ホテルだった古い建築物を難民住居用にあてたもので、およそ400名の難民申請者が居住していました。これらの難民申請者は、もともとロンドンなど各地の移民コミュニティに居住していたのを、イギリス政府が「分散政策」dispersal
policy の名の下に強制的に移住させたもので、ラミーン氏もロンドン在住の家族と切り離されて、一人で施設に居住していました。施設は衛生的でなく、入所者から多くの不満が出されていました。 ●○●ふりかえって私たちの国では●○● 一人のイラン人青年の自死という事件から、イギリスの難民政策の問題点について振り返ってきました。これを見ると、イギリスの難民政策も日本とあまり変わらないのではないかという錯覚に陥ります。 ***ニュースアップデイト第14号は近日中に発行します*** |
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************************************************** シェイダさんが逮捕されたのは昨年の4月でした。それからというもの、シェイダさんと私たちは1年の間、入管体制の壁で隔てられてきましたが、逆にシェイダさんを支える人の輪が広がりつつあります。牛久の入国管理センターでシェイダさんと初めて会うという人も増えています。 ************************************************** 3月13日11時より、東京地方裁判所第606号法廷において、「シェイダさん在留権裁判」第三回口頭弁論が行われました。シェイダさんは茨城県牛久市の入管強制収容所に収容中でまたもや出廷できませんでしたが、傍聴席の方は、初めて傍聴に参加して下さった方も多く、今後の展開に希望を持たせるものとなりました。傍聴していただいた方、どうもありがとうございました。 ************************************************** 今回の第三回口頭弁論は、前回の法廷でシェイダさん側が提出した「準備書面(1)」に対して、法務省側が反論の準備書面を提出する期日として開かれました。法務省側は裁判の2〜3日前には書面を作り、事前に裁判所と相手側に送ってくるのが普通なのですが、今回はめずらしいことに書面の提出が当日にずれ込みました。しかもその内容は実に珍妙、脱力感あふれるものでした。 ○●シェイダさん裁判の3つの論点●○ シェイダさんの裁判の論点は、現在のところ、ほぼ以下の3つにしぼられつつあります。 (1)シェイダさんは難民か。 (2)難民となるべき要件は何か。 (3)在留特別許可に関する法務大臣の裁量権はどこまでか。 ●○「カップルで捕まっていない」から「同性間性行為」の事例ではない!?●○ さて、今回の準備書面で法務省は上記(1)〜(3)についてどのようなことを言っているでしょうか。 ●○「逮捕・訴追」がなければ「十分に理由のある迫害の恐怖」とは言えない?●○ むしろ(2)の点は深刻です。法務省は今回の書面で、過去の判例を引いて、日本において難民認定を受けるためには、すでに判決や逮捕状が出ているなど、国家がその個人を特定して具体的に迫害を行っていることを示す客観的な事情が必要であると主張しているのです。 |
========================================================= ************************************************** 2月下旬、シェイダさんからペルシア語の手紙が届きました。さっそくペルシア語のできる友人に手紙を訳してもらいました。手紙の内容は、シェイダさんの歯科治療に関することです。 ○●○入管のその場しのぎの歯科治療●○● 「2週間前、歯の神経を取る処置をされ、昨日の午後、ふたたびその歯医者に診てもらう予定でした。ところが順番が回ってくる気配は全くなく、入管職員を呼ぶと『今日、あなたの予定は入っていない』という答えがかえってきました。そんなはずはないと私が言うと、『自分には関係ない』と、とりつく島もありません。私は怒って、机をたたいて抗議しました。すったもんだの挙げ句、やっと司会の居る部屋に連れて行かれ、治療を受けることになりましたが、歯の詰め物をかえただけでした。 ○●○外部の医師の診察も拒否!?●○● 牛久の収容所にうつされてまもなくの昨年夏頃から、シェイダさんはさかんに歯痛を訴えるようになりました。しばらくして、収容所に隔週で来る歯医者に診てもらいだしたのですが、その場しのぎの処置が施されるだけで、きちんとした治療は望むべくもなく、意志の都合で診療日の間隔が開いてしまうこともめずらしくありませんでした。 <<抗議の手紙のサンプル>> 抗議の手紙を送る場合は、以下のサンプルを参考にしながら創意工夫してもらえれば幸いです。シェイダさんとの知人・友人関係のある人は、その点について冒頭につけ加えるのもよいでしょう。シェイダさんが広い友人関係に支えられており、多くの人の注目を集めていることを印象づけて下さい。(なお、東日本入国管理センターでは、「シェイダさん」の名前で通用するようになっています) 2001年 月 日 法務省入国者収容所 桜の季節となりましたが、貴所におかれましては適正な入管行政の実施に余念のないものと存じます。 ************************************************** 3月13日に行われたシェイダさん在留権裁判「第三回口頭弁論」。法務大臣側は、カップルで処罰されたケースがない以上、イランで行われているソドミー容疑の処罰は同性愛者への処罰ではないとか、日本は実際に逮捕状の執行、訴追、有罪判決などを受けている者でなければ難民とは認めない、などと、屁理屈と暴論で固めた「準備書面」を提出してきました。 ●○●シェイダさん在留権裁判 第四回口頭弁論●○● ************************************************** さて、3月13日の第三回口頭弁論を傍聴していただいた方から、すてきな文章を頂きました。ぜひご一読下さい。 ●○●風そよぐアジールのために○●○ 日本には黄砂が吹いてくる、韓国やロシアから投壜(びん)が流れてくる、大陸からハンバーガーが押し寄せてくる。わたしたちの国土は、ときに困惑の種に悩まされつつも、およそ豊かさに結びつくあらゆる異物を受けいれてきた。そもそも、自然の流れを制する術などありうべくもない。異国の産物は、元来、物心両面にわたってわたしたちを潤すものである。(これはあくまで一面における話だが。)人もまた然り。僧侶・宣教師・軍人捕虜・最高司令官からビートルズ・『三銃士』(これはヒトじゃないか)・三重苦の偉人に至るまで、主義主張も目的も色とりどりで、実に多くの人たちが、この国に渡り、結果的にわたしたちの島を郁々(いくいく)たる暖風で包んでくれた。(しつこいようだが、これはあくまで一面においての話である。) |
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*************************************** 「ニュースアップデイト」第15号でもお知らせしたとおり、シェイダさんの難民認定と在留資格について争われている「シェイダさん在留権裁判」の第四回口頭弁論が来る5月8日、ゴールデンウィーク明けに開かれます。 ●○●シェイダさん在留権裁判 第四回口頭弁論○●○ ************************************************ すでに桜も散った4月下旬のとある夜。夜間勤務についた巡査は気負っていた。東京のはずれの何の変哲もない住宅街。交番勤務は、ときたま上司の新人いびりにさらされるとはいえ、せいぜい自転車の無灯火運転の摘発くらい、ふだんは弛緩しきっていた。たるい時間潰しはもうたくさんだ……。 〜イラン人ゲイ難民・シェイダさん救援の集い〜 ***************************************** イラン国内では、弾圧により同性愛者はいっさい活動が出来ない状況になっています。80年代以降、イラン人の同性愛者たちは活動と生活の場を奪われ、欧米に亡命していきました。そして1992年、亡命先でイラン人同性愛者の人権を確立するための団体として「ホーマン」を創設しました。現在、「ホーマン」はイギリス、スウェーデン、アメリカに支部を置き、イランの同性愛者の人権をはじめ、エイズ啓発や同性愛研究などについても深く取り上げる機関誌「ホーマン」(現在、16号まで発行)を出版しています。シェイダさんの裁判にも、数多くの証拠を提供してくれています。 *************************************************** 「チームS」では、以前からホームページを懸案としていましたが、ここに至ってほぼ開設の運びとなってきました。アドレスは以下の通りです。 *************************************************** 4年前から行われてきたセクシュアル・マイノリティ・レイバーズ・マーチが今年も開催される。今年は、「セクシュアル・マイノリティ・レイバーズ・マーチ改めメーデー2001(以下メーデー2001とする)」ということで、セクシュアルマイノリティだけではなく、ドメスティック・バイオレンス(夫、パートナーからの暴力)の被害を受けた人、摂食障がいのある人、セックスワーカーの人たちが労働者としての権利だけではなく、「労働」というワクの周辺で生きざるを得ない人々も参加するメーデーにしたいと準備が進められている。 |
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************************************************** 2000年4月22日、仕事からの帰宅途中に通った交番の前で逮捕されたシェイダさん。警察は彼をすぐに不起訴処分とし、5月8日、シェイダさんの身柄は東京都北区にある東京入国管理局の収容場に送られました。 ○●○イベント「シェイダさんの一年 私たちの一年」●○● ***************************************************** 本題に入る前に、まず「難民条約」の規定を確認してみましょう。 ●○●ニュージーランド難民地位控訴局議長 アラン・マッキー氏証人尋問●○● ***************************************************** 5月8日午前11時、「シェイダさん在留権裁判」第四回口頭弁論が開かれました。当日は雨模様のおちつかない天気でしたが、それでも15名の人が傍聴にかけつけてくれました。 ●○●シェイダさん在留権裁判 第5回口頭弁論●○● ***************************************************** 第四回口頭弁論が行われた5月8日の午後には、法務省交渉も行われました。この交渉は、シェイダさんの収容がこの日で一年を迎えるのに際し、シェイダさんの仮放免の実現、歯科治療、難民認定を要求して行われたものです。 <「仮放免に基準はない」> <「歯科治療については、巡回の医師の判断が中心」> <「60日条項は絶対」> アジア女性センター/移住労働者と連帯する全国ネットワーク/特定非営利活動法人HIVと人権・情報センター/NGO外国人救援ネットワーク/カラバオの会(寿・外国人労働者と連帯する会)/ゲイポリティカルフォーラム アクエリアス/人権フォーラム21/すこたん企画/東京エイリアンアイズ/日本キリスト教団なか伝道所牧師 渡辺英俊さん/反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)/特定非営利活動法人ぷれいす東京/平和と生活を結ぶ会/北海道セクシュアル・マイノリティ協会札幌ミーティング/RINK:すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク |
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************************************************** ************************************************** 5月8日、東京地裁で開かれた第四回口頭弁論を傍聴してきました。雨が降っていたのにも関わらず、たくさんの人が傍聴をしていました。裁判自体は書面の提出と日程の調整がほとんどで、内容を理解する事はほとんどできず、少し退屈でした。 ************************************************** 法務省は前回の法廷で、「イランでは同性愛は事実上容認されているので、シェイダさんは帰国しても迫害を受ける恐れはなく、難民に該当しない」、という立場から、シェイダさん側に反論する「準備書面(1)」を提出してきました。これは全面的に、法務省側が提出している唯一の具体的な証拠である、カナダのオタワ移民難民意員会調査部が作成した資料(乙17号証)に基づいたものです。 <<イランのソドミー容疑による処刑の証拠には「客観的根拠」がない?>> ●法務省:「イランでは同性愛者が処刑されている」という君らの主張には、客観的根拠がないじゃないか。 <<同性間性行為による処刑が一人だけに対して行われているのはおかしい?>> ●法務省:まあ、それはおいておこう。ところで、君らが出してきた証拠は、どれも一人で処刑されているが、同性間性行為は複数でやるんだろう。おかしいじゃないか。 <<ソドミー罪で一人で処刑されるのは、実際には「強姦」の事例?>> ●法務省:でも、乙17号証には、「ソドミー罪で一人で処刑されるのは、これらの事例が『強姦』であることを意味するものだ」という社会学者の証言が書いてあるぞ。 <<在テヘラン・スウェーデン大使館の報告書は正当なもの?>> ●法務省:じゃあ、乙17号証にある在テヘラン・スウェーデン大使館の報告書やスウェーデン外国人不服委員会のイラン担当室長の手紙については、どうするんだ。「イランのソドミー条項は四名の目撃者による証言が必要で、立証要件がきびしいのでほとんど運用されていない」とか「難民申請をしているイラン人を本国に送還しても、何ら嫌がらせを受けずに本国に到着できる」と書いてあるぞ。 <<「同性愛者同士が出会う公園」を治安部隊が放置している?>> ●法務省:じゃあ、乙17号証にある「テヘラン中心部の公園」についてはどうだ。この公園は、男性を求める男性が会う場所として使われているそうじゃないか。社会学者の証言によると、治安部隊もそのことを知っているのに、放置しているというぞ。 <<「カミングアウトした同性愛者」の迫害の可能性を否定できない乙17号証>> ◆シェイダ:君らは口を開けば乙17号証というが、そもそも、乙17号証なんてそんなに信用できるのかね。実際探せば、イランでのソドミー罪による処刑についてのデータはたくさん転がっているのに、この文書には何も書いてない。この文書は、「イランでは同性愛は容認されている」という極めて特殊な立場から、いいかげんな社会学者のインタビューを切り貼りして、編集者が適当にコメントをつけただけの文書にすぎない。この文書で重要なのは、ただの一点、「それでも、カミングアウトした同性愛者がイランで死刑に処される可能性を否定できなかった」ということだけだよ。シェイダさんは、日本でカミングアウトして、今後もイラン人同性愛者の人権のために働くと言っている。乙17号証も、そんな彼が弾圧される可能性を否定していない。君らには残念かもしれないが、乙17号証によって、シェイダさんが難民でないということを証明することは無理なんだよ。 ************************************************** 法務省が前回の法廷で提出した「準備書面(1)」のもうひとつの大きな論点は、「イラン当局は、同性愛を理由としてシェイダさんに逮捕状の発付、訴追、有罪判決を出しているわけではないので、シェイダさんが感じている迫害の恐怖は『十分に理由のある』ものとは言えない」というものです。 <<<被告の主張への反論>>> しかし、このような被告の主張には次のようなまちがいがあります。今回の準備書面では、そのような被告の主張のまちがいをするどく追求しました。 <第一のまちがい:シェイダさんのおかれた事情は、前の裁判と全然ちがう> <第二のまちがい:難民条約をまちがって解釈している> <<<原告の主張>>> 原告は、被告の主張への反論のほか、難民条約についての国際的な動向をもふまえて、国際的に正しいとされている難民条約の解釈とはどのようなものかについても、今回、くわしく主張を行いました。 ************************************************** 先日、友人と食事をしたあと終電を気にしながら歩いていると、池袋駅西口で奇妙な光景にでくわした。若い警察官が1人で自転車に乗っている青年に“職質”をしている。「自転車、カギかかってますか〜」というあれだ。職務質問は通常2人1組で行うことになっている。職務質問中、相手から暴行を受けるなど、危険を伴う可能性があるからだ。 ************************************************** 「シェイダさん在留権裁判」も提訴から10ヶ月、論点も出そろってきました。 |
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************************************************** 2000年5月にシェイダさんが入国管理局に収容されてから1年がたちました。このことを記念して、シェイダさんが過ごしてきたこの1年を思い起こし、シェイダさんの難民認定・在留権をかち取るために、「チームS」では5月20日(日)、「シェイダさんの一年、私たちの一年〜シェイダさん救援のために〜」と題するイベントを行いました。 (1)ウォーミングアップ・クイズ ウォーミングアップ・クイズでは、シェイダさんの歩みや、イランという国について「Yes-No」形式でクイズを行い、Yesの人はこっち、Noの人はこっち、という感じで動いてもらいました。ちょっとこなれない問題もありましたが、日本の入管制度などの問題も含めてやっているうちに、「日本」という国の外国人政策の問題点なども見えてきます。 (2)すごろくゲーム「シェイダさんの道」 (3)セッション:あなたが「難民」になったら ●○●「シェイダさんの一年・私たちの一年」企画スタッフから●○● 5月20日、とっても暑かったので人出を心配しながらの準備。暑いと面倒になって人が来なそう、なんて。 <以下は、そんな意見・感想を寄せてくれた私の友人である参加者より。> ************************************************ 2000年7月3日、臼井日出男法務大臣は、難民申請を行っていたイラン人ゲイ、シェイダさんを難民不認定とし、在留特別許可も与えない決定を行いました。それからちょうど一年。シェイダさんは、アジア東端の弧状列島の中に、しっかりと生き <法務省に王手をかけたシェイダさん側書面> 法務省はこれまで、(1)イランでは同性愛者は迫害されておらず、シェイダさんは難民とはいえない、(2)難民認定をするためには、本人が(この場合)同性愛を理由に本国で逮捕状を出されたり、訴追、有罪判決を受けている必要があるが、シェイダさんにはそれがない、と主張してきました。 <さあ、どうでる法務省> 今回の法廷の一番の見どころは、シェイダさん側の準備書面に、法務省がどんな反論の書面を準備してくるかということです。入国管理局には十分な人員がいないといわれていますが、それでもいろいろと調べてきびしく反論してくるか、それとも「原告の主張には根拠がない」などときめつけるだけなのか……まだわかりません。この辺は、法廷の後の報告集会(弁護士会館502F号室)でしっかり解説したいと思っています。 ************************************************** <ニュース速報1>イラン大統領選 ハータミー師が大統領に再選 <ニュース速報2>ニュージーランド難民地位控訴局のアラン・マッキー氏、ビルマ人難民の裁判で証言台に立つ 「ニュースアップデイト」第17号でも紹介しましたが、日本で争われているビルマ人の難民認定に関する裁判で、ニュージーランド難民地位控訴局議長であり、「難民法裁判官国際協会」の副議長でもあるアラン・マッキー氏が5月28日と30日の2日間、東京地方裁判所で証言台に立ちました。 |
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************************************************ 1年前の7月4日、曇り空にときおり日がさす蒸し暑い日だったと記憶しています。私は東京都北区・十条の古びて黒ずんだ東京入国管理局第2庁舎のこみあった待合室でしばしの待ち時間をすごした後、狭い面会室でシェイダさんと会いました。シェイダさんが見せてくれたのは、一枚の通知書でした。その通知書には、シェイダさんさんを難民と認めない決定をしたという事実と、法務大臣の名前が書かれていました。 <見どころは法務省の反論> 欧米諸国などでは、イランにおける同性愛者の状況はどうなのか真摯に調査したうえ、イラン人同性愛者を難民として認めてきました。しかし日本の法務省は、イラン人ゲイの本国における状況をまともに調べようともせず、諸外国の調査で出てきたシェイダさんに不利な部分だけを取り出して、適当に書面を作っています。 <シェイダさんの出廷の機会を奪った「仮放免不許可」> さて、次の記事でくわしく触れますが、シェイダさんを収容している牛久入国者収容所(東日本入国管理センター)は6月20日、シェイダさんが4月に申請していた牛久収容所からの仮放免申請を不許可とする決定を下しました。 ************************************************ シェイダさんが昨年の5月に東京入国管理局の収容場に収容されてから1年と2か月。近年では、外国人の長期収容者のうち、一年を越えた人については通常、仮放免がなされる慣例ができつつありました。シェイダさんも当然、仮放免されるものと考えられていたのですが……4月27日の仮放免申請に対して、法務省(牛久入国者収容所=東日本入国管理センター)が6月20日に下した答えは「ノー」でした。 <血も涙もない法務省の通知書> <不許可決定に抗議し、シェイダさんの仮放免を求める嘆願書を集めます> チームSでは、この度の仮放免不許可決定に対して、すぐに仮放免を再申請するとともに、不許可決定に抗議し、シェイダさんの仮放免を求める嘆願書を集め、8月中旬に「東日本入国管理センター」と交渉をもって直接、所長にシェイダさんの仮放免を求めることを計画しています。8月中旬までに少なくとも100枚以上の嘆願書を準備したいと思っております。 <嘆願書の送り方について> 嘆願書については、以下のフォーマットに日付/氏名など所定事項をご記入の上、コピー&ペーストして「チームS電子オフィス」shayda@da3.so-net.ne.jp 宛送信してください。(日付を忘れないでください!) (1)シェイダさんは難民である 第一に、シェイダさんは同性愛者を死刑に処す刑法をもつイラ (2)1年を越える収容は非人道的である 第二に、シェイダさんは昨年5月に東京入国管理局の収容場に強制収容されてから一年以上を経過しております。一年を越える強制収容は、被収容者の心身を蝕む非人道的なものであり、貴収容所におかれましても、収容一年を越えた被収容者については通常、仮放免を行っているところと認識しております。 (3)シェイダさんに逃亡の恐れはない シェイダさんは現在、日本において難民認定と在留権を確保し、同性愛者として合法的かつ平穏に生活することを求めています。このようなシェイダさんが逃亡することは、自らを不利益にさらすことであり、その様な行為を進んですることはとうていありえません。 *************************************** 6月25日、蒸し暑い中を4名で、牛久収容所にシェイダさんの面会にいってきました。仮放免が認められなかったとあって、シェイダさんはいささか気落ちした様子。でも、全然元気がなかったわけではなく、いろいろとぼやいているといった感じでした。以下は、中村彩さんからの面会記です。 ---------------------------------- シェイダさんの収容されている牛久入国者収容所(東日本入国管理センター)は茨城県牛久市のはずれにあります。東京から行くには、JR上野駅か日暮里駅から常磐線で約55分、牛久駅で下車、東口から出ている「牛久浄苑(牛久大仏)循環」の関東鉄道バスに乗って約30分、「茨城農芸学院前」で下車します。帰りは、バス時刻を勘案しながら(収容所にバス時刻表があります)、「農芸学院前」からもどるか、もう少し歩いて国道に出て「公民館前」から乗車するかして戻ります。 |