シェイダさんを救え!ニュースアップデイト No.61-


2004年4月4日〜

 

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シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト
Save Mr. Shayda! The News Update
第61号 2004年4月4日発行(不定期刊)
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発行元 チームS・シェイダさん救援グループ
編集担当 チームS電子オフィス shayda@da3.so-net.ne.jp
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<今号の目次>
(1)最近のシェイダさんの状況
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●バックナンバーが必要な方は電子オフィスまでお知らせ下さい。
●講読申込・講読中止などの手続は電子オフィスまでお知らせ下さい。
●シェイダさん裁判の経過を知りたい方は、
・すこたん企画シェイダさんページ
 http://www.sukotan.com/shayda/shayda_top.html
・果てしなき移民たちのためのホームページ
 http://www.kt.rim.or.jp/~pinktri/afghan/index.html
 をご覧下さい。

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(1)最近のシェイダさんの状況
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 皆さまこんにちは。2月25日の「第1審判決」以降、ニュースアップデイトの発行が遅れて申し訳ありませんでした。近況や今後の支援運動の方向性についてどうなっているのだろうと疑問を持たれた方も多いかと思います。以下、最近の状況について短信します。

■収容はされず:3月のシェイダさん

 「敗訴判決」で、短期的に一番心配だったのが「収容」です。近年、入管当局の凶暴化はますます深刻になっており、UNHCRの事実上のマンデート難民に指定されていた人でも、敗訴判決後収容されるなどのケースも若干、存在しています。シェイダさんも、「大丈夫大丈夫」といいつつも、収容の危険についてかなり心配していました。
 法務省が「収容」を決めてしまえば、私たちにはどうすることもできません。チームSとしては、シェイダさんの仮放免の更新については、東京入国管理局に同行して見届ける、というのが精一杯でした。
 3月明けて最初の出頭日、シェイダさんの仮放免が更新されず、仮放免が認められた最後の日に再度出頭するように命じられました。これは収容の可能性もあるかな、と思ったのですが、控訴をした上で、控訴したことを証明する書類を持って再びシェイダさんが出頭した際には、仮放免は更新され、なんとか収容という事態は避けられました。今後も、1ヶ月に1回、出頭しなければならない状態は続きますが、収容に関しては当面は安心できそうです。

■第2審に控訴

 2月25日の判決ののち、2週間以内の控訴が必要とされます。シェイダさんは当然、不当判決をひっくり返すべく東京高裁に控訴手続きをとりました。
 しかし、東京地裁と東京高裁での難民に関する判例を見れば一目瞭然ですが、東京高裁の裁判官のほとんどは、シェイダさんに不当判決を出した市村裁判長よりも、もっと保守的な立場をとっています。この点に鑑みれば、東京高裁で逆転勝訴が出る可能性は極めて低いと言わざるを得ません。
 これ以上裁判を続けて、日本に長居をしても、結局のところシェイダさんの貴重な人生の時間を無駄に費やすばかり、という結果になる可能性が高いと言えます。第3国出国への道が開かれることが求められるところですが、こちらも難しいのが現実です。

■難民不認定の決定下りる

 判決後の1ヶ月半の中で、同性愛者全体にとって大きな問題になりそうなことが一つありました。
 シェイダさんは2000年7月に難民不認定処分を喰らい、11月に異議申立が却下された後、再度難民申請を行っていました。これについて、判決までは決定がおりませんでしたが、3月25日、決定が下されました。結果は予想通り、不認定でした。
 そこで一つ問題がありました。不認定の決定に以下のようなことが明記されていたのです。

「あなたは、『宗教』、『政治的意見』および『その他(同性愛者)』を理由とした 迫害を受けるおそれがあると申し立てています。
 しかしながら、
(1)同性愛者が難民条約上の『特定の社会的集団』に該当するものとはいえないこと
(2)あなたが同性愛者であるというだけでは、イランにおいて、難民条約上の『迫 害を受ける恐れがあるという十分に理由のある恐怖』を有する客観的事情が存在する とは認められないこと
等からすると、申立を裏付けるに足りる十分な証拠があるとは認めがたく、難民の地 位に関する条約第1条A(2)及び難民の地位に関する議定書第1条2に規定する難民と は認められません。
 また、あなたの難民認定申請は、出入国管理及び難民認定法第61条の2第2項所定 の期間を経過してなされたものであり、かつ、同項ただし書の規定を適用すべき事情 も認められません。」


 この決定文で重要なのは、「同性愛者は難民条約上の『特定の社会的集団』ではない」と、なんの根拠もなく決めつけていることです。これだと、同性愛者はどんな迫害を受けようとも、難民条約上の「難民」として認められない、ということになってしまいます。
 これは、シェイダさんだけでなく、すべての同性愛者にとって大きな問題です。法務省のこの認識を変えるための取り組みが必要です。この取り組みについては、今後、また提起したいと思います。

■元気なシェイダさん:とりあえず、何とかやって行けそうです

 上記のように、敗訴後もやっかいなことが続いているシェイダさんの身辺ですが、シェイダさん自身は非常に元気で日々を過ごしています。いろいろとややこしいことを言ったりもしますが、ミーティングでも明るく(?)自己主張するシェイダさんを見ていると、とりあえず元気で収容もされておらず、敗訴はしたものの、最悪の状況というわけではない現状にほっとするところです。
 今後の見通しは決して明るいものではありませんが、なんとか、よい将来を切り開いていこうと考えているところです。皆さま、引き続きご支援をお願いいたします。具体的な運動については、また今後提起させていただくかと思います。

***次号は近日中発行の予定です***

 

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シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト
Save Mr. Shayda! The News Update
第62号 2004年5月22日発行(不定期刊)
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編集担当 チームS電子オフィス shayda@da3.so-net.ne.jp
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■<今号の目次>
(1)第2審 第1回口頭弁論日程決まる!!
(2)第2審とは:「生きて新しい大地を踏むためのプロセス」
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(1)第2審:第1回口頭弁論日程決まる!!
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 悲しい敗北を喫した2月25日の第1審判決からはや3ヶ月。シェイダさんは、判決後の収容の危機も脱し、今まで通りの生活を営んでいます。
 裁判については、敗訴を不服として東京高等裁判所に控訴しました。この控訴審の第1回口頭弁論の日程が決まりました。6月17日午前11時30分から(集合:11時)場所は東京高等裁判所です。法廷の部屋番号、およびこの裁判を所管する部局については、まだ知らされていません。
 今回の第1回口頭弁論までに、原告・弁護団としては「控訴理由書」を作成・提出します。法廷では、書面の交換などが行われます。ここで今回の裁判官の顔ぶれや、相手の法務省側の方針なども分かると思います。法廷自体は、短時間で終了すると思われます。
 原告シェイダさん側としては、(2)で後述する理由により、第2審は、もちろん全力で取り組むものの、不必要に長引かせない方針をとっています。控訴審の法廷は今回1回で終了し、次回が結審・もしくは判決となる可能性もあります。高等裁判所とはどのようなところか、裁判官や法務省はどんな連中か……これらを見る機会は、あまりないかもしれません。
 ぜひとも、第1回口頭弁論に足をお運びいただくよう、よろしくお願いいたします。(場所については、別途お知らせいたします)
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■シェイダさん在留権裁判第2審 第1回口頭弁論
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(日時)2004年6月17日午前11時30分開廷(集合:11時)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)
 ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
 ・法廷の番号は別途お伝えします
(報告集会)
 ・日時:2004年6月17日12時〜13時
 ・場所:弁護士会館(高裁裏手、日比谷公園霞門向かい)を予定
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(2)第2審とは:
「生きて新しい大地を踏むためのプロセス」
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 上にふれたとおり、6月17日の第1回口頭弁論で、控訴審が本格的に始まります。 この裁判で争われているのは、シェイダさんという一人のイラン人の同性愛者が、難民という地位を得て、日本という国で生きていく権利です。
 もちろん、この裁判は、シェイダさんという一人の人間を通じて、同性愛者の権利や難民制度のあり方を問うものです。しかし、これらの付加価値以前に、この裁判はシェイダさんの裁判であり、今後の人生に向けてのシェイダさんの意思や展望が何より尊重されるべきです。シェイダさん裁判を考えるとき、私たちは、「同性愛者の権利を問う裁判」「日本の難民制度を問う裁判」と飛躍して考えがちですが、第2審の開始に当たって、私たちは、この裁判のオーナーシップがあくまでシェイダさんにあることをもう一度考える必要があります。

■第1審判決:すでに結論は出た
 2月25日の第1審判決。まる4年近い年月をかけて、裁判官がシェイダさんに、そして私たちにどんな言葉を投げつけたのか、私たちは忘れるわけには行きません。彼らは、イランで同性愛者が死刑に処されている事実を認めた上で、隠れていれば危険はないと断じ、さらには同性愛者のカミングアウトする権利を「性表現」と宣ったあげく、「原告が望む『性表現』が許されないからといって、迫害には当たらない」と言い放ったのです。彼らが4年間かけて作り上げた私たちへのメッセージは、同性愛者の生存の権利への、容赦のない「ノー」でした。
 「勝つ闘いをする」と気負い込んで第1審を闘ってきたサポーターにとって(実際にシェイダさんと私たちは第1審において「勝つ闘い」を貫徹したと考えています)、この判決は絶望的なものでした。闘いの第2・第3のステージ、延々たる長期戦を、飢えたツバメの仔のように、正義を求めてさえずり続けなければならないのだろうか……。
 一方、シェイダさんは判決後の記者会見に向けて、きわめてシンプルなコメントを用意していました。
「人権が認められていないこの国で、私が裁判で勝訴判決を得ることが出来るとは、
そもそも考えていませんでした。ですから、敗訴判決を受けたからといって、私は何ら失望していません。今後は日本ではなく、難民の人権を守る国を探したいと思いま す。」
 ここに込められたメッセージは明確です。拒絶には拒絶をもってこたえること。

■生きて新しい大地を踏むためのプロセスとしての第2審
 第1審判決をふまえて、私たちは次のことを認めなければならないと思います。
 まず、シェイダさん裁判の決着は、第1審判決と、シェイダさんのコメントにおいてすでについているということ。一つの拒絶に対して、もう一つの拒絶がすでに表明されたのです。
 もう一つ、<日本における>同性愛者の権利、難民の権利、まともな裁判を受ける権利は、国民、有権者としてこの国を構成している私たちの問題でありこそすれ、 シェイダさんの問題ではないのだ、ということ。
 この二つを踏まえて、私たちは、シェイダさん裁判の第2審について、その戦略を第1審でのやり方と根底的に違ったものにしなければならないと考えています。
 私たちは、第2審を、 「シェイダさんが生き延びて、新しい大地を踏む上で必要な一つのプロセス」として位置づけることにしました。
 もちろん、第2審で勝てるに越したことはありません。しかし、「裁判に勝つ」ことを自己目的化する段階はすでに終わりました。シェイダさん裁判は、勝敗を云々する時期を終え、すでに、彼の人生の次のステージへのプロセスへと化したのです。その「プロセス」を支援すること、彼の歩みが次のステージに到達するまでの間、拘束、収容といった権力の暴力をなんとしても阻止し、彼の生をつなぐこと。それが、第2審における私たちのコンセプトになるでしょう。
 このコンセプトの変化を踏まえて、第2審の取り組みは、1審よりも短く、地味なものになるだろうと思われます。しかしそのことは、第2審への取り組みの重要性を減じるものではありません。シェイダさんが生き延びて新天地に足を踏み入れる「プロセス」を支援する……この取り組みを共に歩もうという方を、チームSはつねに求めています。

***第63号は近日中に発行の予定です***

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シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト
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第63号 2004年6月16日発行(不定期刊)

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■<今号の目次>

(1)第2審第1回口頭弁論いよいよ開催(東京高裁809号法廷)
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(1)いよいよ明日!第2審第1回口頭弁論
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 シェイダさん在留権裁判の第2審がいよいよ、本格的に幕を開けます。第1回口頭弁論が、明日(6月17日・木曜日)11時30分より、東京高等裁判所第809号法廷にて開催されます。皆様、ぜひともご来場下さい。
 第1審は4年間近い歳月を費やしましたが、第2審については、かなり短いものになる予定です。しかし、シェイダさんも最近、念願のインターネット接続を果たし、イランの同性愛者迫害の情報についてペルシア語の文献を念入りに発掘しており、来るべき第2審に向けて執念の火がともりつつあるところです。
 明日の第1回口頭弁論は、控訴人・シェイダさん側の控訴趣意書が提出されると共に、シェイダさんが発見した、ここ1年〜数ヶ月前のイランでの「ソドミー罪」での処刑事案に関する証拠が提出されます。
 報告集会に関しては、法廷隣の控え室、もしくは日比谷公園でやろうと思っています。今週の東京はずっと天気がいいそうで、初夏の日差しの下で気持ちよく報告集会が出来ればと思っています。みなさま是非とも、東京高等裁判所に足をお運び下さい。

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■シェイダさん在留権裁判第2審 第1回口頭弁論
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(日時)2004年6月17日午前11時30分開廷(集合:11時)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
 ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
 ・日時:2004年6月17日12時〜13時
 ・場所:法廷控え室か日比谷公園
 ※場所の問い合わせ等は090-1264-8110(稲場)まで
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シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト
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第64号 2004年6月27日発行(不定期刊)

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■<今号の目次>
(1)裁判長に初お目見え。次回法廷は8月3日
(2)翻訳ボランティア募集!!
・国連難民高等弁務官事務所「ジェンダー関連迫害に関するガイドライン」
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(1)裁判長に初お目見え。次回法廷は8月3日
 〜控訴審第1回口頭弁論〜
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 2月25日の屈辱的な第1審判決から4ヶ月。第2審の第1回口頭弁論が6月17日、午前11時30分から、東京高等裁判所8階の809号法廷で開催されました。
 第1審の裁判長であった市村陽典氏は、いかにも能吏という感じでてきぱきした人でしたが、第2審の裁判長(名前の確認を忘れた)は、初老の白髪の人物で、大物ぶりを漂わせた質問の仕方といい、いかにも高裁の裁判官です、という感じ。他の二人の裁判官も、両方とも中年の男性で、重々しい感じでした。
 で、今回一番問題になったのは「同性愛者が『特定の社会的集団の構成員』かどうか」というポイントについて。裁判長は、「国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も、同性愛者がそもそも『特定の社会的集団』かどうかについてはっきり見解を示してないんだろ」というような言い方で聞いてきました。大橋弁護士から、その点についての説明があり、裁判長も次回にもう判決にするのでなく、次回法廷を開く、ということになりました。
 法廷の後は、明るい日差しの日比谷公園で食事がてら、報告集会・懇談会を行いました。
 次回の法廷は、裁判所の夏休み前の8月3日(火)。法廷・時間とも一緒です。皆様、ぜひともご参加下さい!!
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■シェイダさん在留権裁判第2審 第2回口頭弁論
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(日時)2004年8月3日(火)午前11時30分開廷(集合:11時)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
 ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
 ・日時:2004年8月3日12時〜13時
 ・場所:法廷控え室か日比谷公園
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(2)シェイダさん在留権裁判 
 第2審証拠資料翻訳ボランティア募集!!
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「UNHCR 難民条約および難民議定書第1条A(2)の文脈における
ジェンダーによる迫害に関する国際的保護についてのガイドライン」
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●シェイダさん在留権裁判は、第1審敗訴以降、シェイダさん側が控訴し、第2審が開始されています。先日の第1回口頭弁論で裁判官は「UNHCRも、同性愛者が特定の社会的集団にあたるかどうか、はっきり結論づけていないんだろ?」と疑問を呈しました。

●この「疑問」にはっきりと応えているのが、UNHCRが2002年5月7日に出した文書「1951年難民条約および1967年難民議定書第1条A(2)の文脈における、ジェンダーによる迫害に関する国際的保護についてのガイドライン」(文書番号HCR/GIP/02/01)です。このガイドラインでは、同性愛者に対する迫害が難民条約上の「迫害」に該当すること、同性愛者が難民条約上の「特定の社会的集団」のカテゴリーに入ること、同性愛者の権利に関する意見が難民条約上の「政治的意見」に該当することが明記されています。

●このガイドラインは、同性愛者の権利についてのみならず、ジェンダーおよびセクシュアリティに関わる迫害全体と難民条約の関係を整理した包括的なものになっています。日本でも今後、FGM(女性性器切除)や名誉殺人などをはじめとした、ジェンダー・セクシュアリティに関わる迫害を理由とした難民申請がなされる可能性がありますが、このガイドラインを訳出しておけば、こうしたケースについて、きわめて強力な証拠となり得ます。

●ということで、チームSでは、本件ガイドラインに関する訳出をしていただけるボランティアの方を募集します。もしくは、「すでにこの文書を訳出した」という方、いらっしゃいましたら、ぜひとも教えていただければ幸いです。募集の要領は以下の通りです。

■◇募集要領◇■
(1)訳出をしたいという方は、チームS稲場雅紀(pinktri@kt.rim.or.jp)まで、以下の連絡票を使ってご連絡を頂けますか。(または日本語を持っているという方がいましたら至急連絡下さい)
(2)文章の分量ですが、A4で10ページとなります。最初のページはカバーレター+αです。分量が若干多いので、複数の方から募集がありましたら、分けて担当していただこうと思っています。
(3)連絡を頂きましたら、当方から、英文および翻訳ガイドラインをお送りしますので、翻訳ガイドラインに従って訳出を完成させ、当方にご送付下さい。
(4)翻訳の期限は以下の通りです。
○第1次締め切り:7月8日(木)午後6時
○第2次締め切り:7月17日(土)正午
 第1次で間に合うという方を優先しますが、第2次締め切りということでも大歓迎です。たくさんの方のご応募をお待ちしています。
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<連絡票>pinktri@kt.rim.or.jpまで
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○お名前
○ご連絡先メール
○ご連絡先携帯・電話等
○翻訳分量について(下から選んで下さい) 
 1.全部でも可能 2.半分(5ページ)なら可能 3.2〜3ページなら可能 4.すでに訳出した
○コメント
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 では、どうぞよろしくお願いいたします。
***次号は近日中発行の予定です***


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シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト
Save Mr. Shayda! The News Update
第65号 2004年8月29日発行(不定期刊)
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発行元 チームS・シェイダさん救援グループ
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■<今号の目次>
(1)一筋の光が見えてきた?第2回口頭弁論
(2)翻訳ボランティアのお願い:ニュージーランドの判例
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 をご覧下さい。
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(1)一筋の光が見えてきた?第2回口頭弁論
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 皆さま、こんにちは。
 気がつけばもう8月も終わり、東京でも秋の雰囲気が出てきた今日この頃です。
 さて、シェイダさん在留権裁判第2審の第2回口頭弁論は、熱暑だった今年の夏の真っ盛り、8月3日、東京高等裁判所809号法廷にて開催されました。宣伝不足にも関わらず、多くの人が傍聴に来てくれました。
<UNHCRが法的意見を提出予定>
 第1審の敗北で、もう先がない、と思われていた第2審。しかし、ここ数ヶ月で、いろいろな展開が出てきています。
 シェイダさんについては、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が、難民条約上の難民であるとの見解を示しています。UNHCRは、この裁判に関して、東京弁護士会の求めに応じ、UNHCRとしての法的意見を示すことになっています。
 この法的意見は、第3回口頭弁論までに提出されることになっています。
<イランにおける同性愛者弾圧の証拠を提出>
 この日の法廷に、シェイダさんはいくつかの証拠を提出しました。
 一つは、シェイダさんがウェブ上で発見した、イランにおける同性愛を理由とした処刑事例。イランでは、ここ数ヶ月で、ソドミー法(同性間性行為禁止法)違反を理由の一つとする処刑が複数、行われています。
 もう一つは、イラン国営イスラーム共和国通信が報道した、シェイダさん自身の第1審判決に関する記事。この記事は、シェイダさん在留権裁判の第1審判決を報じた共同通信の記事がもとになったものですが、シェイダさん自身も、イスラーム共和国通信で自分の記事を発見して驚いたようです。イスラーム共和国通信はイラン国家指導省(旧情報省)によって管轄されるれっきとした国営通信で、これで報道されたからには、法務省も、シェイダさんのことがイラン当局に「知られていない」などというわけにはいかなくなりました。
 
<法務省の主張の「唯一の根拠」も改訂されていた>
 もう一つ、法務省が「イランでは同性愛者は迫害されていない」と主張する歳代の根拠となっていた「乙第17号証」(カナダ移民難民委員会調査部が作成した資料)が改訂されていたことも明らかになりました。
 この「乙第17号証」のオリジナルは、「イランでは同性愛者は迫害されていない」とする主張だけが書かれていましたが、改訂版では、イランで同性愛者が迫害されている可能性にも言及し、さらに「同性愛者を死刑とする法律があるだけでも大問題」という指摘もあるなど、より中立的な内容へと変わっています。
 また、2004年に、イラン人同性愛者を難民と認めたニュージーランド難民地位控訴局の判例も新たに見つかりました。
 今後、こうしたものを順次提出していけば、もしかしたら、第2審勝訴の展望も開けてくるかも知れない。一審で手痛い打撃を受けた私たちも、素直にこう思えるようになってきています。
<次回法廷は9月21日>
 次回法廷(第3回口頭弁論)は9月21日、午後3時30分から、同じ東京高等裁判所第809号法廷で開かれます。報告集会もきちんとやろうと思います。多くの皆様、ぜひとも法廷にお集まり下さい。
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■シェイダさん在留権裁判第2審 第3回口頭弁論
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(日時)2004年9月21日(火)午後3時30分開廷(集合:3時)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
 ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
 ・日時:2004年9月21日 法廷終了後
 ・場所:弁護士会館504号室(東京高裁裏)
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(2)翻訳ボランティアのお願い:ニュージーランドの判例
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 上に述べたように、第2審においてもかなりの進展が見られる今日この頃ですが、一つ重要なのは、「迫害を受けた/迫害を受ける『十分に理由のある恐怖』(well-founded fear)を有する同性愛者は難民条約上の難民だ」ということをきちんと立証することです。
 法務省は、第1審での行きがかり上、「同性愛者は(迫害されようがされまいが)難民条約上の難民ではない」との主張をしています(しなければならなくなっています)。これはきわめて特異な主張で、先進国でこんな主張をしている国はほとんどありません。逆に言えば、ここは法務省の主張の最も弱いところで、ここをきちんと指摘することで、法務省の主張全体が不適切であることを示すことが出来るわけです。そのためには、同性愛者が難民として認定された各国の判例などを具体的に示すことが大切です。
 ここに、一つの判例があります。ニュージーランド難民地位控訴局(Refugee Status Appeals Authority New Zealand)が2004年7月に下した決定です。この決定では、一人のイラン人ゲイが難民条約上の難民として認められています。この裁判で、これだけ新しい判例を出したことはなく(多くは80〜90年代の判例。2000年以降の判例も数点は出していますが)、翻訳して提出するにはうってつけの判例です。次回の法廷(9月21日)までに訳出・提出をしたいと思っています。
 ここで、この判例の翻訳をお手伝いいただける方を募集いたします。全体でA4版30行×63ページありますので、分担して訳出出来ればと思います。募集容量は以下の通りです。
■◇募集要領◇■
(1)連絡:訳出をしたいという方は、チームS稲場雅紀(pinktri@kt.rim.or.jp)まで、以下の連絡票を使ってご連絡を頂けますか。
(2)分量と分担:文章の分量ですが、A4版30行の用紙で63ページとなります。分量が若干多いのが難点です。当方としては、6名の方を募集し、一人10ページ強を担当していただきます。
○募集定員:6名
○一人の分担:10ページ強(A4版30行)
(3)連絡を頂きましたら、当方から、英文および翻訳ガイドラインをお送りしますので、翻訳ガイドラインに従って訳出を完成させ、当方にご送付下さい。
(4)翻訳の期限は以下の通りです。
○締め切り:9月15日(水)正午
 たくさんの方のご応募をお待ちしています。
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<連絡票>pinktri@kt.rim.or.jpまで
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○お名前
○ご連絡先メール
○ご連絡先携帯・電話等
○コメント
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 では、どうぞよろしくお願いいたします。
***次号は近日中発行の予定です***

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シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト
Save Mr. Shayda! The News Update
第66号 2004年10月9日発行(不定期刊)
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発行元 チームS・シェイダさん救援グループ
編集担当 チームS電子オフィス shayda@da3.so-net.ne.jp
■<今号の目次>
(1)UNHCRの法廷意見、その他重要な証拠の数々を提出:第3回口頭弁論
 〜第4回口頭弁論は11月9日〜
(2)法務省を「人の輪」で囲もう!
 〜10月13日「1435虹の架け橋キャンペーン」〜
___________________________________________
●「ニュースアップデイト」バックナンバーは以下をご覧ください。
 http://www.kt.rim.or.jp/%7Epinktri/shayda/newsupdate.html
●講読申込・講読中止などの手続は電子オフィスまでお知らせ下さい。
●シェイダさん裁判の経過を知りたい方は、
・すこたん企画シェイダさんページ
 http://www.sukotan.com/shayda/shayda_top.html
・果てしなき移民たちのためのホームページ
 http://www.kt.rim.or.jp/~pinktri/afghan/index.html
 をご覧下さい。
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(1)UNHCRの見解、その他重要な証拠の数々を提出
〜第3回口頭弁論〜
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 9月21日(火)午後3時30分より、シェイダさん在留権裁判第2審の第3回口頭弁論が、東京高等裁判所第809号法廷で開かれました。
■UNHCRがイランの同性愛者の難民性を主張する見解を提出
 この日の法廷は、シェイダさん側にとって、非常に重要な法廷でした。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が、東京弁護士会の求めに応じてイラン人同性愛者の難民性の有無についての見解を作成。この見解が法廷に提出されました。この見解の中で、UNHCRは、1951年の難民条約、およびこの難民条約とジェンダーや「特定の社会的集団」の概念の関係についてのガイドラインなどをもとに、イランの同性愛者は難民性を有する可能性が十分にあると主張しています。これは、「同性愛者は難民ではない」という法務省の主張をまっこうから退けるものです。
■その他、重要な証拠資料を提出
 シェイダさん側は、これ以外に二つの証拠資料を提出しました。一つは、カナダ移民難民委員会調査部が作成し、第1審において法務省が「イランで同性愛者は迫害されていない」ということを立証するほぼ唯一の証拠となっていた文書(乙17号証)の改訂版です。
 この文書、オリジナルのものは、「とにかく、イランでは同性愛者は迫害されていないんだ」とばかりの我田引水的な内容が際だっていましたが、改訂版では、こうしたニュアンスは大きく削られ、信頼性の薄い学者のインタビューなども削除されました。一方、たとえ、同性愛のみを理由とした死刑執行のケースが見いだせなかったとしても、同性愛者を処刑するという法規があること自体の重要性を認識しなければならない、という記述などが加わり、全体として、公平性の保たれたものに変わっています。法務省の頼る唯一の証拠のオリジナルのバージョンが廃棄され、イランの同性愛者の直面する迫害の実情をある程度反映した文書に改訂されたことは、シェイダさん側にとって、非常に好ましいことです。
 もう一つの証拠は、ニュージーランドでこの7月に難民審査局によって出された、イラン出身の同性愛者を難民認定した決定です。きわめて格調の高いこの決定では、「イランでは同性愛者は迫害されていない」といった主張がいかに不当なものであるかが厳しく指摘され、イラン人同性愛者の難民該当性がはっきりと立証されています。
 シェイダさん側は、こうした証拠資料に基づき、シェイダさんが難民であるとする準備書面も提出しました。
 法務省側は、これらの証拠を吟味して、新しく主張をするかどうかを決定するために1ヶ月半ほど時間が欲しいと主張。次の法廷は11月9日、午後3時30分からとなりました。
■次回の法廷で結審の見込み
 この裁判は、おそらく次回法廷で結審し、年明けに判決になるだろうと思われます。皆さま、ぜひとも次回法廷にお越し下さい。
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■シェイダさん在留権裁判第2審 第4回口頭弁論
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(日時)2004年11月9日(火)午後3時30分開廷(集合:3時)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
 ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
 ・日時:2004年11月9日 法廷終了後
 ・場所:弁護士会館を予定
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(2)法務省を「人の輪」で囲もう!
 〜10月13日「1435虹の架け橋キャンペーン」〜
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 シェイダさんは2000年4月に逮捕されて以来、1年7ヶ月を、警察の留置場、東京入管の収容場、そして茨城県牛久市の強制収容所で過ごしました。同じように、今、法務省入国管理局によって強制的に収容されている人々が1435人もいます。
 収容などの非人道的政策をやめさせ、「難民鎖国」とも言われる不名誉な政策を変えていくために、10月13日(水)に、東京・法務省において、「1435虹の架け橋キャンペーン」というイベントが予定されています。
 お時間のある方、一緒に法務省を「人の輪」で囲みませんか。
 案内は以下の通りです。
■1435 虹の架け橋キャンペーン
〜”人権の”ルールを守って国際化〜      
法務省を囲む人間の輪を!
――この瞬間、強制収容中の1435人のことを知って。そして――
◆【やること】_/_/_/_/_/_/_/_/
霞ヶ関の法務省入国管理局を、人間の「輪」でぐるりと囲む! 
人権の、ルールを守って国際化してもらいたい。。。という願いを込めて。
法務省に要請書を渡します。
各団体、個人で、それぞれのアピールをしよう。
◆【日時】_/_/_/_/_/_/_/_/
10月13日(水)午後5時集合、「輪」の完成は6時〜です。
◆【場所】_/_/_/_/_/_/_/_/
霞ヶ関・法務省の周囲
最寄駅:地下鉄 霞ヶ関駅(B1a出口)・桜田門駅(5出口) 徒歩1分
(地図) http://www.kantei.go.jp/jp/syoukai/flash/homu/05.html
◆【必要な人数】_/_/_/_/_/_/_/_/
600人です!・・・全長600メートルなのです。
★本キャンペーンのHPでのお知らせ
http://www.asahi-net.or.jp/~bx8k-arkw/
チラシもこちらからダウンロードできます。
■呼びかけ■
 日本全国では、この瞬間、1435人の外国人が、各地の収容所に強制的に収容されています。たとえば、茨城県牛久市、東京都品川、大阪府茨木、長崎県大村市の強制収容所に・・・。その中には、難民・日本人と結婚した人・労災治療中の人もたくさんいます。私たちは、人間の輪の中から、呼びかけます。
不必要な収容しない日本を、一日でも早く。
子どもと家族に、そして長期滞在者に、ビザを。
難民にやさしい国へ、一日でも早く。
差別のない 多文化共生社会へ。
外国の迫害を止めさせる、外交大国へ、一日でも早く。
そして・・・世界の平和を実現させる国へ
 ”人権の”ルールを守って国際化する国へ・・・今すぐに。
私たちは願っています。1435人の強制収容所の外国人たちが、
 虹の架け橋をわたって、私たちの元に帰ってくることを・・・
■法務大臣に提出する要請書の内容■
○収容について○
 不必要な収容はしないでください。とりわけ、難民申請者、家族のある者、長期滞在者、病気・怪我治療中の者、子ども、高齢者、裁判係争中の者、妊婦、送還の目処がつかない者・・・の収容は絶対にやめてください。無期限収容はやめてください。
○在留について○
 難民、家族、子ども、長期滞在者、そのほか人道上の配慮を要する外国人に対し、在留を許可してください。
○難民について○
 難民鎖国をやめ、日本をようこそといえる国にしてください。迫害を止めさせるための平和外交をしてください。
○差別禁止及び多文化共生について○
 多民族・多文化共生社会を目指した施策を立案・実行し、人種差別禁止法を制定してください。
■持ってきてもらいたいもの■
虹に関連するものは何でも大歓迎です。
プラカード、音楽、鳴り物など・・・
歌アリ、踊リアリの、多文化ミックスな空間を目指しています。
■主催
1435虹の架け橋・人間の輪実行委員会
   (問合先 03-5296-5533 弁護士・土井香苗)             
   
■賛同団体:32団体(9月30日現在)
***第67号は近日中発行の予定です***

 

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シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト
Save Mr. Shayda! The News Update
第67号 2004年11月3日発行(不定期刊)
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発行元 チームS・シェイダさん救援グループ
編集担当 チームS電子オフィス shayda@da3.so-net.ne.jp
■<今号の目次>
(1)第4回口頭弁論迫る!今回が結審の可能性
(2)保守化するイランでは同性愛者の処刑も多発傾向に
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(1)第4回口頭弁論迫る!今回が結審の可能性
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 秋も深まる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
 さて、シェイダさん在留権裁判控訴審も、控訴からほぼ8ヶ月が経ち、ほぼ佳境に入ってきています。
 前回、9月に行われた第3回口頭弁論では、シェイダさん側が、国連難民高等弁務官事務所の法廷意見と「ジェンダー」および「特定の社会的集団」に関するガイドライン、最近ニュージーランドで出された、イラン人同性愛者を難民認定した判決、その他各種証拠資料を提出しました。また、これらを総括した新しい準備書面も提出しました。それに対して法務省側が、反論する必要があるかどうか検討するためと称して1ヶ月半の時間を要求、11月の第4回口頭弁論となったものです。
 裁判所は、今回の法廷で結審することを考えているようです。そうすると、次回は判決ということになります。
 控訴審のこれまでの流れでは、控訴人であるシェイダさん側が攻勢をかけています。この時期になって、新しい、こちら側に有利な証拠資料がたくさん出てきたことが牽引力になっています。
 次回の裁判。法務省はどう出てくるでしょうか。また、この流れの果てに、法務省はどのような判決を出すでしょうか。注目されるところです。皆さま、ぜひとも次回の法廷に足をお運び下さい!!
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■シェイダさん在留権裁判第2審 第4回口頭弁論
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(日時)2004年11月9日(火)午後3時30分開廷(集合:3時)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
 ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
 ・日時:2004年11月9日 法廷終了後
 ・場所:弁護士会館を予定
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(2)保守化するイランでは同性愛者の処刑も多発傾向に
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 イランでは、ホメイニー体制確立以降の「国体」である「ヴェラーヤテ・ファギーフ」(イスラーム法学者による統治)体制の護持をはかる保守派と、同体制の改革をはかる改革派との争闘戦が継続してきました。しかし、前回の国会議員選挙では、保守派の牙城である司法府が改革派の出馬を禁止したり圧力をかける中で保守派が圧勝し、事実上、政治的には保守派の力が大きく伸張する傾向にあります。
 その中で、同性愛者に対する処刑の情報もふたたび頻発するようになってきています。
 スウェーデン人権委員会が本年に発表した、2003年のイランの人権に関する報告書では、2003年5月にイラン北東部の宗教都市マシュハドで、数人が「ソドミー」の有罪を宣告されて絞首刑に処され、また、ちょうど今月にも、イラン国内の新聞が、同じマシュハドで男性2名が「ソドミー」の有罪で死刑を宣告されています。
 このように、ソドミー罪による処刑は近年、再び頻発する傾向にあります。また、ソドミー罪での有罪や処刑ケースについては、海外に伝わらないケースも数多くあるものと思われます。こうした事例から考えれば、シェイダさんがイランに帰国しても迫害されないだろうというのは極めて甘い見通しにすぎません。
 シェイダさん側は、上記のような資料を証拠化して、第4回口頭弁論に提出したいと考えています。裁判官たちには、こうした資料を踏まえて、適切な判決を出して欲しいものです。
***次号は近日中に発行の予定です***

 

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シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト
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第68号 2004年11月10日発行(不定期刊)
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■<今号の目次>
(1)次回が結審:11月25日午後1時15分809号法廷
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次回、第2審がいよいよ結審!11月25日です
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 昨日(11月9日)、シェイダさん在留権裁判第5回口頭弁論が開催されました。
 法務省側は、裁判の前日に書面、当日に証拠資料6点を出してきました。難民裁判の急増で仕事が対応能力を超えているのでしょうが、あまり適切なやり方ではありません。内容も、UNHCRが前回の法廷で出した意見書にけちをつけたり、イギリスの下級裁判所でたまたま敗訴したイラン人ゲイ難民の判決を出してみたりと質の良いものでもありませんでした。
 シェイダさん側が、この急な証拠提出に対して、検討のためあと1回の弁論を要求したところ、裁判官は渋々という顔でしたが2週間後の11月25日、午後1時15分から最終弁論を入れることを決定しました。
 ということで、次回が結審、その次が判決になります。判決はもしかしたら年内かも知れません。ぜひとも、結審には多くの人の参加をよろしくお願いします!!
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■シェイダさん在留権裁判第2審 第5回口頭弁論(結審)
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(日時)2004年11月25日(木)午後1時15分開廷(集合:1時)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
 ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
 ・日時:上記日時法廷終了後
 ・場所:弁護士会館を予定
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***次号は近日中発行の予定です***

 

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シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト
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第69号 2004年12月10日発行(不定期刊)
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■<今号の目次>
(1)第2審判決日決まる:1月20日
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(1)第2審の判決日決まる=1月20日
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 11月25日(木)の午後1時15分より、シェイダさん在留権裁判第2審の第5回口頭弁論が行われました。この弁論が、第2審の判決前最後の法廷=結審、となります。
 前回(第4回)の口頭弁論では、シェイダさん側が提出したUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の法廷意見やニュージーランドでこの7月に出た判例(イラン人の難民申請者の難民資格を認めた判決)、その他数多くの証拠に対して、法務省側がいくつか反論の証拠を出してきました。今回の法廷は、それに対して、シェイダさん側が証拠を精査し、反論の必要があればする、ということを目的に開かれたものでした。シェイダさん側は、ここ数ヶ月で出たいくつかの新しい証拠をまとめ、提出しました。
 その中には、本年、イラン北東部の町マシュハドで、同性間性行為を行ったとして男性数人が死刑判決を受けたという事件も含まれています。この判決では、裁判官がわざわざ「同性愛者は断崖から投擲する、もしくは斬首といった方法で処刑することが必要だが、昨今の情勢に鑑み、絞首刑とする」と宣ったとのこと。法務省や一部諸外国の判例の如何に関わらず、イランでは同性愛者に対する残虐な刑罰は連綿と続いているのです。
 1審敗北のショックから始まったシェイダさん裁判の第2審。しかし、シェイダさんもショックや失望感を乗り切って頑張り、UNHCRなどの絶大な協力も得て、第2審では、第1審で提出した様々な証拠や主張を、より具体的かつ権威を持った形で構築し直すことができました。「勝つための」取り組みが予想以上に実現できた、と考えています。
 あとは裁判官に結論をゆだねるのみ……なのですが、東京高等裁判所は今のところ、あらゆる難民裁判にとって鬼門となっています。私たちも、過剰な期待は抱かず、どんな判決が下りても対処できるように対応策を整えていきたいと考えています。
 次回は判決。判決期日は1月20日(木)午後3時から。皆さま、ぜひともご注目をお願いいたします。
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■シェイダさん在留権裁判第2審 判決言渡
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(日時)2005年1月20日(木)午後3時開廷(集合:2時30分)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
 ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
 ・日時:上記日時法廷終了後
 ・場所:弁護士会館を予定
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(2)判決後の「収容」に注意!シェイダさんを応援しよう
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 1月20日が判決ということになりましたが、判決によっては、シェイダさんが入国管理局によって強制収容される可能性があります。
 シェイダさんは現在、法的には「仮放免」を受けている状態になっています。「仮放免」を更新し続けるために、シェイダさんは毎月、東京・品川埠頭にある東京入国管理局に出頭しています。判決がシェイダさん側敗訴だった場合、その次の出頭時に身柄を拘束され収容される可能性があるのです。
 出頭日がいつになるかはまだ決まっていませんが、私たちとしては、2審判決がシェイダさん側敗訴だった場合、次の出頭日に、なるべく多くの人がシェイダさんの応援に行くことを呼びかけます。
 UNHCRはシェイダさんを難民条約に基づく難民であると認めており、シェイダさん自身も、裁判に敗訴した場合には、難民として第3国に移住することを予定しています。収容は、シェイダさんのこうした作業を大きく阻害するものとなります。私たちは、シェイダさんの収容に断固として反対します。
 もちろん、入国管理局がシェイダさんを収容するつもりなら、それを止めることはできません。しかし、私たちがその場にいれば、収容の状況を多くの人々に伝えることができますし、面会・差し入れなどの支援体制を早急に作ることもできます。また、救援のための取り組みも早い段階で始動できます。第3国を見つけるための取り組みも、支援者として継続していくことができます。
 私たちは、判決の如何によって、出頭日に向けた行動提起をしようと考えていますので、ぜひともご注目下さい。
 
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(3)世界で続く同性愛者への弾圧:国際的な
同性愛者の人権運動の再構築が必要
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 先進国では同性間のパートナーシップの法的保護や同性婚が具体的な政治日程に上る昨今ですが、アフリカや中東・イスラーム圏、アジアの一部諸国などでは、いまだに同性愛者に対する苛烈な弾圧が続いています。
 西アフリカのガーナでは昨年、ポルノ・ビデオをデンマークに郵送しようとした4人のガーナ人ゲイが逮捕され、英国植民地時代に持ち込まれた刑法ソドミー条項違反により懲役2年に処されました。また、サハラ以南アフリカの中では政府の職務執行能力が高いウガンダでは、これまた英国が植民地時代に持ち込んだ刑法ソドミー条項に基づいて同性愛者を処罰せよというムセベニ大統領の方針に従い、現在までに13人のウガンダ人ゲイが無期懲役刑に処せられています。アフリカにおけるレズビアン・ゲイに対する弾圧の諸相については、以下のサイトに各国別の情報が掲載されています。

Behind the Mask  http://www.mask.org.za/
 
 イランでも、同性愛者に対する処刑は続いています。ハータミー政権が成立した97年以降も、同性愛者に対する死刑判決が継続して出され、実際に処刑事例もいくつも出ていることは、様々な文献によって明らかになっています。
 ところが、現在の問題は、アフリカ・中東などで続くこうした同性愛者に対する弾圧に対して、国際的な市民社会による批判や抗議といった運動がほとんど展開されていないこと、これらの事態についての情報が国際的にメディアで紹介されることもなければ、人権団体によって記録され、運動が組織されることもないということです。
 以前は、途上国で生じるこれらの事件は、欧米の同性愛者の人権グループによってとりあげられ、国際的に大きな波紋を呼んできました。例えば、数年前にエジプトで同性愛者が大量に逮捕された事件においては、国際的な批判により、逮捕された同性愛者のほとんどが釈放されました。ところが、現在では、途上国で生じる同性愛者への弾圧事件は、国際的にほとんど情報が流れないか、もしくは流れても抗議や救援運動が組織されず放置されるというのが普通です。こうした中で、同性愛者への弾圧があるにも関わらず、それらがないことにされてしまう、という事態が継続することになります。
 近年のイラン人同性愛者の難民申請に関わる西欧・カナダ等の政府の対応には、そうした事なかれ主義、黙殺主義が多く見受けられます。実際に同性愛者に対する処刑があり、それらがイランの新聞においても報道されているにもかかわらず、それらをまともに検証することもなく平然と「イランで同性愛者が処刑された例はここ数年来存在しない」「イランでは、ソドミー罪だけで死刑になった例はない」「ソドミー罪の立証要件は重く、事実上、同性愛者を処刑することは不可能である」などと記述して事足れり、という状況なのです。実際には、欧米やニュージーランドなどでは、最終的に同性愛者の難民申請者側が裁判で勝利して難民として認められることが多いのがまだしも救いとは言えますが、例えば保守勢力の支配が続くオーストラリアでは、司法の判断も90年代前半などに比べて大きく後退しており、これでは日本と変わりないではないか、という事態が招来しつつあるとも言えます。
 私たちは、途上国で生じる同性愛者への弾圧や暴力の事例を記録化し、丹念に抗議や救援を積み重ねていく、途上国における同性愛者への国際的な反弾圧・救援運動を再構築する必要に迫られています。そうしなければ、先進国に亡命を求めてきた難民たちを救援することも困難になってしまうのです。先進国の同性愛者だけでなく、途上国の同性愛者の存在を考え連帯していく想像力が問われていると思います。
***次号は近日中発行の予定です***


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シェイダさん判決は1月20日午後3時(集合:2時30分)、
東京高裁809号法廷!どうなる、シェイダさんの在留権!
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シェイダさんを救え!ニュース・アップデイト
Save Mr. Shayda! The News Update
第70号 2005年1月15日発行(不定期刊)
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発行元 チームS・シェイダさん救援グループ
編集担当 チームS電子オフィス shayda@da3.so-net.ne.jp
■<今号の目次>
(1)1月20日はぜひ法廷へ!シェイダさん第2審判決をともに体験しよう!
(2)メディアを使って暴力を行使する法務省:難民制度「悪用キャンペーン」
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●シェイダさん裁判の経過を知りたい方は、
・すこたん企画シェイダさんページ
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(1)1月20日はぜひ法廷へ!
   シェイダさん第2審判決をともに体験しよう!
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 皆さま、明けましておめでとうございます。
 昨年、屈辱的な第1審判決が出されてから、はや1年が経過しようとしています。当初は、半年くらいで終了するかと予測された第2審も、終了までに約1年を要しました。
 第2審は、第1審の闘い方とは趣を変えました。第1審では、シェイダさんもチームSも、その総力を挙げて、国際的なネットワークを活用し、徹底的な証拠の発掘と提出、そして、それらをなるべくわかりやすく、網羅的に説明した膨大な量の準備書面を提出しました。また、法廷についても、なるべく多くの皆さんとともに傍聴に取り組み、最後には数百人分の署名まで提出しました。まさに「総力戦」でした。
 第2審は、この第1審の積み上げをもとにしながら、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)をはじめとする、よりレベルの高い、権威を持った機関が支持しているのだ、ということを積極的に立証する方向性で取り組みました。
 この戦略転換の根底には、日本の司法に対する、ある失望、絶望が存在しています。もちろん、この失望、絶望は、あらゆる裁判において市民側が体験し表明し尽くしてきたものでもあります。すなわち、司法といえども日本の国家権力の一つであること、すなわち日本の司法は、例えばニュージーランドなどで同様のイラン人ゲイの難民裁判などにおいて示されたような、ゼロの地点から何が正義なのかを検証して判断を行うという地平に立つことはなく、強者の=最終的には判事の任命権の源泉である内閣総理大臣の=顔色をうかがい、弱者=市民社会については、これを一瞥もせず足蹴にして恥じない、単なる<日本の国家権力>の一出先機関に過ぎない、ということです。
 この戦略の下で、第2審では第2審なりの多くの成果が上がりました。UNHCRはシェイダさんの裁判に特化した法廷意見を自ら執筆し、法廷に提出しました。また、ジェンダーや特定の社会的集団にかかわる、UNHCRのガイドラインなど多くの文書が、たくさんのボランティアの皆さんの手によって翻訳され、提出されました。シェイダさんは、イラン国内や欧米の亡命イラン人の手によって発行されている様々なメディアをインターネットで検索し、数多くの証拠資料を発掘、提出しました。
 一方、法務省側は、これに対する反論や証拠資料の提出などの努力を、ほとんどしていません。
 こうしたことから、公平に見れば、第2審においても、シェイダさん側の圧倒的優位は揺るがない、というのが本来の状況です。
 しかし、東京高裁は地裁にもまして保守的である、と言われています。残念ながら、私たちは、裁判の進展状況について正当に評価し、私たちの勝利を確信することはできません。逆に、「敗訴」を前提に、その被害を最小にするための様々な準備を行うことが求められています。気を引き締め、どのような判決が出ても対応できるように覚悟を決めていきたいと思います。
 第2審判決は1月20日午後3時(2時30分集合)。場所は、東京高等裁判所809号法廷です。関心を持つ皆さまの結集をお待ち申し上げています!!
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■シェイダさん在留権裁判第2審 判決言渡
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(日時)2005年1月20日(木)午後3時開廷(集合:2時30分)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
 ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
 ・日時:上記日時法廷終了後
 ・場所:弁護士会館を予定
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(2)メディアを使って暴力を行使する法務省:
 難民制度「悪用キャンペーン」
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 1月12日の読売新聞に、「衝撃的な」見出しの記事が載りました。「難民申請、6割虚偽か…強制送還逃れに時間稼ぎ」。その内容は、2004年に提出された難民申請のうち6割が「在留期限が切れた外国人の申請」だったことが法務省の「調査」でわかったとし、日本で難民申請をする外国人の多くが、日本に在留し続けるために難民制度を「悪用」している、と主張するものです。
(記事:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050112i301.htm
 見出しは大げさですが、中身のあまりの稚拙&卑劣さに驚きます。
 シェイダさんの事件を見れば分かりますが、迫害を受けて、また迫害の恐怖から祖国を逃れてきた多くの難民は、「難民制度」の存在を知らなかったり、また、各国における申請の方法を知らなかったりします。結果として、申請自体が遅れることはよくあります。また、難民申請は、自分が迫害されているという事実を公にし、それを社会に問うことでもあります。それ自体が、大きなリスクを伴う行為であり、底に踏み切るまでに時間がかかることも当然です。たとえば、同性愛者の場合は、同性愛者であることを理由に難民申請をするためには、同性愛者であることを自己肯定し、同性愛者に対する迫害を不当なものとして認識する、同性愛者としての政治的な意識がどうしても必要になります。(同性愛者であることを引け目に感じたり、カミングアウトについての恐怖が強い場合、いかに迫害の可能性が大きくても、難民申請に踏み切ることは極めて難しいでしょう)実際、難民条約においては、難民たる要件は「人種、宗教、民族、特定の社会的集団の構成員であること、政治的意見による十分に理由のある迫害の恐れ」により、祖国の保護を受けず、また受けることを望まないもの、という最低限の範囲に局限されています。「申請時に在留資格があったかなかったか」などというのは、難民であるかどうかとは全く関係がありません。
 実際、法務省が難民認定をした難民のうち、申請時には在留資格を失っていた人がほとんどであることから見ても、法務省が実際のところ、難民であるかどうかの判断と、申請時の在留資格の有無に関連を見いだしていないことは明らかです。
 この記事を見ると、情報の出所はすべて法務省であり、読売新聞は、法務省の意向通りにキャンペーンを担っているということ、その仕掛けは法務省が行っているということがよく分かります。このキャンペーンは、「外国人犯罪」などをキーワードとする最近の排外主義的な傾向にのっかって、難民申請者の多くが、たんに在留期限を延ばそうとする「ニセモノ」である、という考えを多くの人々に植え付け、難民制度や難民申請者に対する国民の不信をあおろうというものです。
 これに限らず、最近、法務省は、きわめて排外主義的な動向を示しています。収容されていた難民申請者を仮放免するのに、「就労禁止」という要件をつけ、そもそも生活することが不可能な状況にしておいて、これを破ったとして仮放免を取り消し、収容してしまう、というケースが出てきています。働かないで、どうやって日本社会で生きていけるというのでしょうか。それとも、すべての生活費を、仮放免の身元引受人が払えというのでしょうか。難民申請者や支援者の側が想像もつかないような過酷な措置が、現実問題として、次から次へと展開されている、というのが現実です。
 私たちは、こうした法務省の卑劣かつ悪辣な施策やキャンペーンに対抗していかなければなりません。また、マスメディアに対しては、法務省の卑劣かつ拙劣なキャンペーンに乗るのでなく、メディアの自立性・独立性に則った適切な報道を行うよう、強く呼びかけるものです。

***次号は近日中発行の予定です***

 


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