「イスラーム国家」イランにおける
人権と民主主義、そして平和
対イラク戦の危機が迫る現在、
「中東の民衆の声」を伝えることに努力してきた
在米イラン人人権専門家の言葉に耳を傾けてみませんか


シンポジウム
イラン人が語る現代の中東と人権:
イラン人人権専門家エグテダーリ氏を迎えて

 

日時:2月19日午後6時30分〜9時
場所:文京区民センター3A会議室 ・東京都文京区本郷4丁目15-14
(都営地下鉄春日駅A2出口下車)
主催:チームS・シェイダさん救援グループ
○共催:反差別国際運動(IMADR)
○後援:(社)アムネスティ・インターナショナル日本
○参加費:500円

○基調講演:武者小路公秀氏(元国連大学副学長、IMADR副理事長)
○テーマ1:イランにおける民主主義・人権とイスラーム
○テーマ2:対イラク戦の危機の中で考える中東世界の戦争と平和
・発題:グダーズ・エグテダーリさん(オレゴン平和研究所執行委員)
・聞き手:田崎英明さん



イスラーム法に基づき、イスラーム法学者が統治する国家であるイラン・イスラーム共和国。この国は、政治的反体制派、宗教的少数派、同性愛者など性的マイノリティへの厳しい迫害、公開処刑や残虐な方法での死刑を含む、年間数百件の死刑執行など人権の面で国際社会から厳しい批判を浴びてきました。

イラン・イスラーム共和国は一方で、1979年のイラン革命により、欧米主導による近代化路線と決別し、シーア派イスラームの伝統を背景とする独自の価値観に基づく国家建設を実践してきました。様々な限界はあれ、一定の枠内で政治体制の変革を可能とする議会主義体制が実現していると見ることもできます。

イランの実験は、途上国の多くが自らの選択によらない形で、政治的には「政教分離・複数政党制」、経済的にはIMFの指導による「新自由主義」体制を押しつけられている中で、きわめて独自の位置を占めるものです。また、イランでは改革派の法学者を中心に、イスラームに関する様々な積極的な意味での読み替えや改革思想の生成が活発化しており、そこに中東世界の自立的な発展の一つの方向性を見ることもできます。

イランをめぐっては、もう一つの動きがあります。米国ブッシュ政権はイラク・北朝鮮とともにイランを「悪の枢軸」と名指ししました。イラクに対しては軍事的オペレーションが発動されようとしています。資源と理念を巡るこの「戦争」の一つの軸として振りかざされているのが「自由」と「民主主義」です。

グローバル化の中で、ボスニア内戦、ソマリア内戦、コソヴォ問題などにおいても「人権」と「民主主義」を掲げて軍事的介入が行われてきました。経済政策などにおいてすでに途上国の主権が根こそぎにされようとしている中で、対イラク戦は何を意味するのでしょうか。そして、イランを始めとする中東世界はどのような脅威に直面しようとしているのでしょうか。

イラン人ゲイ難民、シェイダさんの在留権裁判の証人として来日するグダーズ・エグテダーリさんは、イランの民族的・宗教的・性的マイノリティの人権の問題からイランの民主主義について研究を進めていると同時に、在住している米国オレゴン州ポートランドで、対イラク戦に反対する市民運動に深く関わっています。

このシンポジウムでは、エグテダーリさんを迎えて、矛盾のただ中に位置するイランという国が、人権と民主主義、および伝統的な価値を両立した、自立した国家をめざすことはできるのか、またその条件は何かを考えます。また、これまで語られてきた途上国の内発的・自立的発展や自力更生といった概念がグローバリズムの中で色あせる中で、現代世界における途上国の国家とは、自立とは、といったテーマと重ね合わせながら、「民主主義」および「人権」の位置づけについて考えていきます。ご関心をお持ちの皆様のご入場をお待ちしています。

 


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