中東はいつでも、西側世界の関心事でした。最初はその「エキゾティック」な歴史によって、そして、次には石油の産出によって。1948年のイスラエル国が建国され、1967年にイスラエルがパレスチナ人の土地を占領してからは、この地域は緊張の焦点となり、その結果として、武器商人たちの天国となりました。権威主義的な政府が長期間に渡って権力を握り、理性的な人々の声を抑圧してきました。政教分離や民主主義を求める運動は、ほとんど無視されてきました。次にその真空を埋めたのは、過激主義と宗教的原理主義でした。
　残念なことに、西側世界、とくにアメリカ合衆国は、中東の人々の主張に耳を傾けてきませんでした。民主化を求める運動だけでなく、例えばモサデグ首相のイランのような、民主的に選出された政府でさえ、アメリカの利益を代弁する傀儡政権によって残酷に扱われることになったのです。

　この番組は、せめて「小さなベイルート」とも言われるオレゴン州、ポートランドの人々に、中東の忘れられた人々の声を送り届けたい、という趣旨から生まれました。

ラジオKBOOはオレゴン州ポートランドにあり、マイノリティに価値を置き、声なき人々の声となろうとしている進歩的なコミュニティ・ラジオです。私はイラン系米国人で、ここにたどり着いてから、中東出身者のコミュニティ、平和と正義、人権運動に参加してきました。この番組がそうであるように、私は政教分離を支持する立場にありますが、同時に、平和と正義の精神に基づく限り、あらゆる意見を歓迎します。

グダーズ・エグテダーリ

これまでの主な番組（英語版ではReal Playerで再生できます）

2001年12月	○ヴァル・モガダム博士とアクバール・マハディ博士インタビュー：中東の女性・職業と政治参加
2002年11月１日	○ナデール・エンテサール氏（アラバマ州スプリングヒル大学政治学担当）インタビュー：米国のイラク攻撃が起きたとき、イラク北部のクルドの状況はどうなるか
2002年11月14日	○ロバート・オルソン博士（ケンタッキー大学イスラーム史・中東研究科）インタビュー：政治的イスラーム運動とトルコの2002年総選挙について