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日経新聞入門講座
VOL013-連単倍率 98/JUL/11 朝刊13面「連結に見る企業収益3」
連単倍率、読んで字の如く、単体を1として連結がどのくらいなのか、という指標です。結構、象徴的な指標だと、個人的には思ってます。
記事にある連単倍率の分布(純利益)という表を見てみましょう。
@ 0倍未満 2.9% A 0倍以上 1倍未満 27.1% B 1倍以上1.5倍未満 52.7% C 1.5倍以上 2倍未満 10.1% D 2倍以上 3倍未満 5.4% E 3倍以上 1.8% 連単倍率1倍未満が約3割。連単倍率1倍未満というのは、連結決算書上の純利益を親会社の単独決算上の純利益でわり算をしたときに結果が1未満になるということですから、単独決算上の純利益より、連結後の純利益の方が小さいということ、つまり、子会社などに赤字決算の会社があったということになります。ちなみに0倍未満とは、親会社の稼いだ利益より子会社等の赤字の方が大きかった、つまり単体と連結で赤黒逆転(単独決算では黒字だったのに、連結決算では赤字になってしまった)してしまった、ということだと思います。
以前、連結は企業グループ全体の決算ですよ、とお話しましたが、いかがでしょう。全体の平均が、1.22倍ということですから、グループ全体と言っても親会社の利益額と余り変わらない、ということに驚かれたかも知れませんね。
「2000年3月期の連結決算への本格移行を前に、各社とも連結経営戦略を問われそうだ」と記事は結論づけています。以前にもお話したとおり、これまでは単独決算が企業の業績評価の中心でした。ですから、経営者は親会社の経営に重きをおいてきました。しかし、これからは、その中心は連結決算になるわけですから、企業グループ全体としての経営戦略を重視しなければなりません。企業経営に対する価値観の転換が求められているということになります。
日本経済新聞社 http://www.nikkei.co.jp/