ゴキブリコンビナート 『粘膜ひくひくゲルディスコ ver.2』 麻布 Die Pratze (赤羽橋) 2002/05/03, 19:30-21:30. - 作, 演出, 美術, 作曲: Dr. エクアドル. 電飾製作: オメス吉祥寺. 音響: マンコ N.Y. 音響操作: DJ Chidori. 製作: 安藤ヒヤシンス子, モジャ公, いとうちえ. - オメス吉祥寺 (洋一郎), スピロ平太 (ゆたか), 戦国魔神無我 (陽一), マンコ N.Y. (ゆうじ), てつや (病気マン), セロトニン瘍子 (かおる), 紅茶華伝 (光子), Dr. エクアドル (父・マサツグ), メクラヘビ (洋), ボボジョ黄桜 (間引き屋), 竹内ブー子 (キリン), 安藤ヒヤシンス子 (ラッコ). 1999年初演の作品の再演を観て来た。役を演じる役者がけっこう入れ替わっているし、 相変わらず取って付けたようなエンディングも変っていたけれど、話の大枠は変って いなかった。むしろ、歌を増やしたり、大量のゲル状物質を使ったり、と、デティールを 向上させたといったところだろうか。そして、向上させた割には、印象が強くならな かった公演だった。それなりに楽しめたけれども。 ゴキブリコンビナートと初めて観たのが『粘膜ひくひくゲルディスコ』初演時という こともあって、初演はかなり強い印象が残っているのだが。そのせいもあるのか、 今回の公演はそれほど強い印象は受けなかった。確かに、立ち見で舞台までの距離が無い 危険度の増した見世物小屋的な空間や、飛沫が観客にかかりまくる大量のゲル状物質の 利用など初演時ではできなかったことを充実させていた。歌の数も増えていた。 初演のときに余裕があったら、もしくは『ガーディアンガーデン演劇フェスティバル』 への遠慮が無かったら、こうしたかったんだろうなぁ、と思ったりもした。 しかし、初演時より印象が薄かったのは、役者のキャラ立ちが初演に比べていまいちに 感じてしまったせいもあるかもしれない。単に、僕が初演の際の印象を引きずり過ぎて いるだけかもしれないが。特に、洋一郎はオメス吉祥寺じゃなくて高松タイジ山だ、と 思ってしまった。スピロ平太が苛められ側から苛め側に回っていて、キャラが生きて ない、とも思った。ま、役者を固定的に使うのも面白くないので、難しいところだが。 そういうところが、今回改良された部分の力を削いでしまったのかなぁ、とも思って しまった。 ちなみに、初演時のレヴューは http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/DoH/99052201 。 2002/05/04 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕