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テキスト&フォト&イラスト by キム・パプコ |
第26回2月号 走る馬を見たくて |
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すでに観た方もいると思いますが、どうしても馬の絵が描きたくなって、今月は“シービスケット”です。原作は、ローラ・ヒレンブランド著『Seabiscuit: An American Legend』。無名の競争馬に過ぎなかったシービスケットが名馬に育つまでの実話に基づいた物語。自動車王として財をなし馬主となったチャールズ(ジェフ・ブリッジス)、時代に取り残されたようにカウボーイのような生活を送るスミス(クリス・クーパー)、そして家族と離れ離れになり草競馬のジョッキーとなったレッド(トビー・マグワイア)。1929年の大恐慌による不況で生活が一変した3人の男たちが、見えない糸をたぐり寄せるように近づいていきます。彼らに出会うことにより、着々と勝利をものにしていくシービスケット。そこには数々の試練も待ちうけているのでした。そして、それらを乗り越えるべく、3人の男たちと1匹の馬が家族にも似た関係を築いていく姿に心癒されていきます。 私が初めて競争馬を目にしたのは、大井競馬場のツインクル・レース。レースが始まると、かなり遠くからでも、土を蹴る蹄(ひづめ)の音、体の重量感を伝える地響きが伝わってくるんですよね。馬といっても、動物園や牧場でエサ食べてるか、寝てるとこぐらいしか知らなかったもの。全力疾走している姿は刺激的でした。さらに近づくと、毛並みの色と光沢、筋肉の隆起、風になびくたてがみの長さや艶などから目が離せない!やがて、各馬の体型、走りの違いまで感じ取れるようになると、一頭一頭が愛おしく思われてくるのでした。以来、どっぷり競馬にハマり、今は乗馬もたしなんで…なあんて、一度言ってみたかっただけです(笑)。そんなことを思い出しつつ、スミスが「この馬だ!」とシービスケットに魅入られる場面など、わくわくしました。レースシーンは当然ながら見ごたあって感動ものです。今はJRAのCMで馬のそばに立つユン・ソナちゃんすら、うらやましく見える〜。 おすぎが“満月みたい”と称したジェフ・ブリッジスですけど、寂しさや痛みを抱えた一人の男としてチャールズのデリケートな面をうまく体現してました。トビー・マグワイアはジョッキー体型に近づくべく、かつてなくスリム(それでも“大柄”って設定だけど)。調教師役のクリス・クーパーは、何十年もカウボーイとして生きてきたような、いぶし銀の味わいでした。なお、競馬中継を盛り上げてくれるラジオレポーター(ウィリアム・H・メイシー)の語り口が最高!臨場感あふれる効果音など“必見”かも。←最終的には、コレ観ただけでも得した気がするはず。 『シービスケット』→http://www.seabiscuit.jp/ ※“シービスケット”って、船員たちが食べる乾パンみたいなものをいうらしいです。つまり「シー」は"sea"(海)で、"she"(彼女=雌)ではありません。 |
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●Kim's近況● 毎冬、ホットドリンクにはこだわっていたのですが、今シーズンはシュガーレスに徹し自粛。その代わり、たまの贅沢が“マカロン”です。フランスではパン屋さんで売ってるような庶民のお菓子なのに、日本ではやけに高価。でも、一度味わったらその誘惑から逃れられません!甘くて風味豊かなので、お供のコーヒーはブラックが鉄則。 ☆オススメ→スターバックスのキャラメル・マカロン(¥260) |
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