AOTAKA's web Copyright(c)AOTAKA 1995-2003 - www.aotaka.jp 1995-07 掲載
GYOKU-SAI NIPPOU 2655.07.
愛と勇気と希望の名の下に 55億5600万 総玉砕

パソコン通信の勧め
赤ずきんチャチャ放送完了記念 増量キャンペーン中

 今年の4月、国内最大手のPC-VANとNIFTY-Serve が会員数100万人の大台を突破した。 それだけパソコン通信を利用する人が増えたわけである。 理由としては一般家庭へのパソコンの普及、インターネット効果の波及、平成7年兵庫県南部地震(阪神大震災)での活躍に対する評価など色々な理由があげられているが、今までにない勢いで利用者が増えていることだけは間違いないのである。

 パソコン通信はお互いのコンピューターを電話回線で結ぶことで実現している。 モデムというD/A変換装置(デジタルアナログ変換器)により音声化されたデータを電話回線を通じて相手に送るため、デジタル回線を使用することなく通信できるということで、パソコンで漢字を表示することができないほど昔から一般に利用されていたくらいである。

 さて、パソコン通信で必要なものは何であろうか。 それはMODEMと呼ばれる装置と「RS-232C(シリアルインターフェイス)のあるパソコン」と電話回線だけである。 電話回線はモデムとの接続の都合上、回線の接続口がモジュラージャックと呼ばれる方式になっていることが必須である。 もし電話線が直接、壁から生えているならばNTTにモジュラージャックに変更してもらう必要があるが、工事費用は場合によっては無料であり、また最近の電話機はモジュラージャック用なので多くの家庭では既に工事する必要がなくなっていると思う。 さらに日本電気やエプソン製のパソコンを買っていればRS-232Cは間違いなく付いてくる機能である。

(Macintoshの場合にはRS-424というRS-232Cの上位互換インターフェイスがついている)

RS-422の間違えであるが印刷後に気がついた

 モデムの方も現在では、高速な28800bps(1秒間に最高で2880文字を送ることができる)から2400bpsまで様々なものが安価で販売されている。 さすがに今さら2400bps のモデムを新規に購入するのは損であり、人から譲り受けるのが得策である。 もし買うのならば最低でも14400bpsのモデムが現在では妥当であろう。

【モデムの値段】
転送速度 新品 中古
2,400bps 国産 3,000円程度〜       
9,600bps 国産         6,000円程度
14,400bps 国産 14,000円程度〜 10,000円程度
28,800bps 国産 27,000円程度〜       
  〃  輸入 26,000円程度〜       
※必ずMNP5とLAPMを搭載した物を買うこと!!

 28800bpsモデムはV.FC/V.34両対応の製品を買うべき!! で、モデムを手に入れたら次に必要なのは相手である。 たいていの国産モデムにはイントロパックというものが付いてくるので、それを見れば大手有料ネットへの加入の仕方は分かるであろう。 また通信用ソフトも最近ではW-Termが添付されているものが増えて至れり尽くせり状態である。
(NIFTY-Serve のイントロパックば電大内でも無料配布されている)

 大手有料系ネットのことについて書いてきたが、パソコン通信の真の醍醐味は「草の根ネット(非大手系ネット)」に有ると言っても過言ではないだろう。 草の根ネットは規模は大手系ネットに比べれば極小ながらも、一般的な話題を扱うネットから濃い内容の話題を扱うネットまで様々な特色があり、大手系のネットに比べれば情報の質も変わってくる。 またMASLデータなども有料系ネットではまず手に入らない物が、草の根ネットでは容易に手に入れることができたりするのである。

 話題は大きく傾くが、情報化時代といわれる今、インターネットが時代のトレンドといわれるようになってから1年経とうとしている。 これはNCSA Mosaic の出現によりWWW(World Wide Web:ハイパーテキスト構造の情報検索システム)の操作環境が一般人にも受け入れられる形になったからだ。 現在ではこのモザイクを開発した学生は、ネットスケープコミュニケーションズの副社長に迎えられNetscape Navigatorを販売しているが、今でもモザイクの名称は一般の間ではインターネットの代名詞とまでなっている。

 その反面、インターネットは普通のパソコン通信と比べ、費用の面でも設備の面でも大規模になる。 自力でインターネットにアクセスするならば家まで専用線を引っ張り、UNIXサーバーを常時たち上げておく必要がでてくるが、その様なことは通常できるわけがない。

 そんなときに便利なのがパソコン通信を使ったインターネットへのアクセスである。 最近ではインターネットプロダイバー(パソコン通信形式でインターネットにアクセスするための手段を提供する会社)の数も飛躍的に増加し、価格競争による低価格化も起こっているので今後が期待される。

 現在では28800bps(V.FC/V.34両対応仕様)のモデムも廉価になり比較的恵まれた環境での通信が容易になった。 この期にパソコン通信を利用し、新たなる境地を開いて見るのも良いかも知れない。

貧弱98の快適RS-232C

 9801Vm互換機はRS-232C にバッファー機構を積んでいない。 このため最近の高速通信ではデータの転送速度の速さに負けてデータの一部が失われてしまう問題が出てきた。 支障がある場合には「拡張高速RS-232C ボード」を増設する以外に対処の仕様がない。 この問題に対し、日本電気は先頃発売した9821Xa7,9,10において98史上初めて公式にバッファーを積んだ。 また、モデム販売メーカーからは拡張ボードをモデムに標準添付するメーカーも現れた。(なんとボード込みで28,800円)
1996年現在では、現行の9800シリーズは全て115,200bpsに対応している

AT互換機のRS-232C

 AT互換機は「DOS/V」などと呼ばれるが、実際には Windowsパソコンとして使われる方が多い。Microsoft Windows 3.1 は完全なマルチタスクOSではないため上の98と同様の問題がより深刻な状況で発生すると言っても良いだろう。AT互換機では比較的速くから対応が成されていたために現在では16550 というLSIを使ったバッファー付きのRS-232C が主流である。 しかし、旧型の8251を使っている可能性もあるので「16550 搭載」を購入時に確認するのがよいだろう。


裏パソコン通信の勧め(笑)

 モデムの技術的な格差も米国とはいぜん開きがある。 ということは国外から優秀なモデムを買ってくればよりよい環境で通信を行うことができる可能性がある。

 とは言っても米国で売られているモデムを輸入することは可能でも、無許可で海外のモデムを電話回線に接続する事は国内法により規制されているという問題にブチ当たる。 国内販売代理店を通じて販売されているものは代理店側で許可を得ているのでそれを購入するのも良いだろう。

USRobotics社Sportster28800FAXMODEM(V.34対応版)の比較
国内代理店(某C&P経由) ¥39,800
直接輸入 (某IMS経由) ¥26,344

 だからといってわざわざ国内流通を通した値段で買うのもアホらしい。 国内の悪習のために損をするくらいならば、国内製品ほど簡単にサポートを受けることができないというリスクを背負っても良いという人は幾らでも居るのである。

 では、海外モデムを輸入するときのリスクについて説明しよう。

 海外の、とりわけ米国モデムを手に入れることは大きな利益を生むかもしれない。 しかし利益と共にリスクも背負うことになるので、本誌や筆者は一切の責任を持つことはできないがチャレンジ心があるのならば挑戦してみるのも良いであろう。

(AD1994)
平成7年7月4日 アオタカ(nPCS)

西暦1994年は1995年の間違いである(笑)
[ index ]