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玉砕日報 2656年12月

愛と勇気と希望と正義の名の下に1億2500万人総玉砕


この号は都合によりヤングゲーブル12月号には掲載されませんでした。

去る9月23日、我々はさる情報により禁断の地「寄居」にまたもや足を踏み入れたのであった。以下はその全記録である。

●序章:旅の始めはガッカリから

 その日は休日にも関わらず正午ごろ集合との伝令にみな集まっているものと思い、わが輩が重役出勤すると集合場所に指定された小久保隊員邸にはほとんど誰も居なかった。

わが輩  「あれ?他の人間は?」
小久保隊員「K(電大卒業生)さんは1時半頃、来るって話ですけど」

※プライバシー保護(電大卒業生という事がばれると本人の全人生が否定されかねないので)のために一部に伏せ字処理がなされています

 わが輩は「何ぃ?そんな話は聞いてないぞ」と絶叫し、小久保邸の漫画本を本人に断り無しに本棚から抜き取り読み漁ったあげく散らかしたのであった。

 それから1時間くらい経ち、K退役大将や隊員たちは私よりも重役出勤してきたのであった。やっと隊員が集まったので我々は車に分乗し寄居に向かったのであった。しかし車両省の小久保氏が例の如く尿意を催したために立ち寄ったコンビニである重大なことに気が付いたのである。

わが輩  「ぼっちぃ、一樹は?」
小久保隊員「あれ?そういえば忘れてきました」
一同   「はぁ〜ガッカリがっかりぃ」

 ヤングゲーブル前編集長である岩本一樹退役中将を忘れてきたことに気が付いた我々が内国通信用無線電話で電話をすると、なんとまだ寝ていたのである。あまりのガッカリに我々は岩本一樹を捨てることにしたのであった。

●禁断の地「寄居」に有森が走る

 もう何度と無く禁断の地に足を踏み入れている我々であったが、やはりインパクトの強烈さに打たれ各々が思わず声を上げてしまった。新入隊員の中には「あれが!!」と絶叫したままショックのあまり暫し凍り付く者すらいた。その強烈なショックにあてられたのか、小久保隊員はいきなり警察署に車ごと突入してしまったから我々はさらにパニック状態に陥った。のちにこの失態に対し小久保隊員は

「いやぁ我々の税金で作られた物なんだからUターンに使うぐらい良いじゃないっすか」

と素晴らしい弁明をしていたが、その行動は絶体絶命の状況に我々を陥れた。なぜなら今さっきUターンに使った寄居警察署の駐車場にいた男の警察官が取材をしようとしていた我々の元に歩いてきたのである。慌てふためく我々は無力であった。逃げる間もなく警官は我々の目前まで迫っている。

「相手は一人だ。今の内に殺るか?」
「いや、ピストルを持ってるかもしれんから危険すぎる」

しかし目前まで迫った警官は意外な職務質問をしてきた。

「あんたらまた来たの」

そう、その警察官は前回、我々が取材したときに現れた親切な警官だったのである。

●復活したギミック、ハリボテの中は‥‥

そう、前の取材中に壊れてしまった像を回転させるギミックは復活していたのである。我々は寄居警察署の技術力に驚嘆するも次の話に、更に驚嘆するのであった。曰く

「あの有森は秀吉の上から貼ったんだよ」

なんと寄居警察署ともあろう物が秀吉を生き埋めにしていたのである、ああ恐ろしや。そういわれれば確かに有森像の指は針金にゴムホースをつけただけの物だし、体も何とは無しにおかしな形である。が、

「いまはエコロジーな時代だからねぇ」

そうなのである。寄居警察署はこんな所にもエコロジーしていたのである。ああっ我々の考えは浅はかだったと思わずに入られぬ一同であった。

●そして

寄居警察署の親切なおじさんのお陰でまたもや取材を円満に終えた我々は、この前のオウム本を売っていた店に行く‥‥

「なっなんだぁ、食い物屋になっている」

 そうきっと寄居警察署の手入れでも行われたのであろう(笑) その店は飲食店に変わっていたのである。しかしオウムの力は一度の摘発ぐらいではびくともしなかったようで、目の前の店に殆どの機能が移っていたのである。

 その店に入った我々は一見、中古ファミコンソフト販売店を思わせる店内に怪しいグッツを次々と発見したのである。その中の一つに海賊版同人誌があったのである。

 海賊版同人誌とは、元々商業ベースには乗りにくい同人誌を違法に大量にコピーし全国の流通網に乗せるのである。当然、作者には断りもなく、親告されなければ警察は検挙できないとはいえ実質的な著作権法違反である。こんなものが寄居警察署の眼下に存在するとは……

 しかしチャレンジャーな我々は中古で1千円だったので1冊購入したのである。まあどうせ倫理を説いてもこの様な店の営業者は違法性を認識することはあまりないので正義の鉄槌は今度にしておこうというわけである。

※この同人誌(はっきり言って100円の価値も無いくらい)を抽選で1名様に差し上げます。第二クラブハウス1階の学術文化部会のポストに葉書で御応募下さい。発表は発送を持って換えさせていただきます。

●寄居の里に日が暮れて

 今回の取材も我々の勝利で終わった。しかし第二、第三のポリゴン有森が現れるとも限らない。我々は今後も寄居を注視していく所存である。(わが輩が来年も電大に在籍していれば)

平成8年 ( AD1996 ) 12月15日 アオタカ


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