私の読んだ本'98
                   by A.Tomiya (2001/08/13改訂→2004/12/1再構成)
 最近(この1年くらいに)私が読んだ本
カッコ [ ] 内の日付は私が読んだ日付です.(発行日にあらず!)
97年6月以前についてはこちらをご覧下さい.
☆☆☆は特にお勧めしたい本です.
なお,当面は専門書はこのリストに含めないつもりです.
私の趣味が一目でわかるでしょう.(^^;)
言いたい放題に感想を書いているので,
気分を害された方(例えば著者の方:-))がいらっしゃればお詫びいたします.(_o_)
目次
1.お勧め本
「メス化する自然〜環境ホルモン汚染の恐怖」
「大地動乱の時代〜地震学者は警告する〜」
「響きの考古学---音律の世界史」
「絶対音感」
「我らが隣人の犯罪」
「死の蔵書」
2.その他
「らせん」
「利き酒入門」
「地球環境報告II」
「鳩笛草」
「ファウンデーションへの序曲 上・下」
「美しい声・美しい歌声---音声の生理学---」
「コーラスは楽しい」
「山の自然学」
「トンデモノストラダムス本の世界」
「インターネットII」
「覆面作家の愛の歌」
「地上に星空を---プラネタリウムの歴史と技術---」
「天使の卵」
「さだまさしのために」
「トンデモさんの大逆襲!〜超科学者たちの栄光と飛躍」
「サバイバル英語のすすめ」
「ド・ラ・カルト〜ドラえもん通の本〜」
「理系のための研究生活ガイド」
「夏の猫と贈りもの」
「東大オタク学講座」
「ファウンデーションの彼方へ 上・下」
「と学会白書VOL.1」
「羊たちの沈黙」
「言語の科学入門」
「火車」
「生命と地球の歴史」
「幻の特装本」
「破線のマリス」
「とかげ」
「覆面作家は二人いる」
「聖書の暗号」
「新・コンピュータと教育」
「科学技術の戦後史」
「水に眠る」
「お役所の掟」
「科学者をめざす君たちへ」
「ぼくのマンガ人生」
「ネメシス(上下巻)」
「卑弥呼」
「猫のゆりかご」
「1984年」
「火星人ゴーホーム」
「SFハンドブック」
「失われた動物たち〜20世紀絶滅動物の記録」
「地上から消えた動物」
 1.お勧め本
読み物
  - 「メス化する自然〜環境ホルモン汚染の恐怖」☆☆☆
 デボラ・キャドバリー著(集英社)[1998年5月]
 こんなに恐い本は初めて読んだ.
       生殖異変の問題の恐ろしさは,謎がほとんど解明されていない,という点にある.
       実験によって,特定の化学物質が極微量でも生物に多大な影響を与えることは
       確かめられているが,現実の異変がいかなる物質によっているものなのか
       つきとめることはほとんど不可能に思える.
       PCB,DDT,ダイオキシン,その他の合成有機化合物...,
       人間はとんでもないものを環境に垂れ流してしまったようだ.
   
- 「大地動乱の時代〜地震学者は警告する〜」☆☆☆
 石橋克彦著(岩波新書)[1998年3月16日]
 大地震活動期は周期的にやってくる.
       関東大震災以降の比較的平穏だった時期に東京圏は“世界有数の超過密都市に変貌”したが,
       また再び「大地動乱の時代」がやってきたときのことを考えているだろうか?
       地震学者が長期的展望にたって“東京一極集中の大規模開発”に警鐘を鳴らす1冊.
 小田原地震はかなり規則的に70-80年ごとに起こっていることで有名であるが,
       前回は1923年であり次がいつ起こってもおかしくないといわれている.
       大地動乱の時代はこの小田原地震と連動しており,
       21世紀前半は大地震頻発の時代になるかもしれない,との著者の予測は戦慄すべきものである.
   
- 「響きの考古学---音律の世界史」☆☆☆
 藤枝守・著(音楽之友社)[1998年11月12日]
 音律とは,ドレミファ...といった音階をどのように定義するかの基準であり,
       現代では12平均律(ピアノでお馴染み)が標準とされている.
       平均律は合理的である反面,和音にしたときに協和しない(ハモらない)
       という問題がある.
       (これが,合唱好きがピアノ伴奏無しのアカペラにこだわる理由の一つ.)
       そもそも12平均律が標準的になったのはここ100年ほどのことにすぎず,それまでは
       時代・地域によって様々な音律(ピタゴラス音律,純正調...)が使われてきた.
       これらの音律が,いかに当時の音楽を支配していたか,
       そればかりでなくいかに当時の思想(数の秩序,五行説...)とも結びついていたか,
       が解説されて興味深い.
   
- 「絶対音感」☆☆☆
 最相葉月・著(小学館)[1998年2月23日]
 私も絶対音感持ちなので大変興味深く読んだ.
       絶対音感は,決して万能ではないが,かなり有効な武器であることも確か.
       ただし,それもあくまで12平均律(かつA=440Hz)に限った場合の話であるが.
       絶対音感をめぐるさまざまなエピソードが何ともおかしい.
 小説
  - 「我らが隣人の犯罪」☆☆☆
 宮部みゆき・著(文春文庫)[1997年12月]
 いまさらのように宮部みゆきの初期作品集に触れた.
       その中の一編である「サボテンの花」,これにはぶっとんだ!
       これはもう読んでもらうしかないが,
       読み終わったとき私の驚きがわかってもらえると思う.
       宮部みゆきはただものではない,と思わされた一冊.
   
- 「死の蔵書」☆☆☆
 ジョン・ダニング著(ハヤカワ文庫)[1997年11月]
 古書収集家というマニアックな世界:-)を舞台にしたミステリであるが,
       これがまたおもしろい.500ページを超える長編だが,続きが気になって
       一気に読んでしまった.
 2.上記以外に読んだ本
- 「らせん」
 鈴木 光司・著(角川文庫)[1999年2月8日]
 すっかりブームになっている感のある「リング」「らせん」「ループ」三部作の二作目.
       1年以上前に買っておきながら放置していた本であるが,
       先日の「劇場版・リング」のTV放映をきっかけに読んでみた.
       しょせん続編だと思って侮っていたのが大間違いだった.
       「リング」をふまえつつ,それをはるかに超越していた.
       一見荒唐無稽と思えるストーリーなのに,
       読んでいるうちに意外なほどのリアリティを感じさせるのは,
       著者の非凡な才能の為せる技であろう.
       なお,この本を“ホラー小説”と分類するのはやはり不当であり,
       強いて言うなら“怪奇SF風味のミステリ小説”といったところだと思う.
 
- 「利き酒入門」
 重金 敦之・著(講談社現代新書)[1999年1月23日]
 まず,この本は「利き酒」の方法を知る目的で読む本ではない.
       次に,“酒”とはいってもワイン(特にフランスワイン)の話ばかりに偏っている.
       ちなみに,内容の量比を単純にページ数(目次より算出)で表わすと,
 ワイン:日本酒:ビール:ウイスキー=122:33:15:23
 であった.
       書かれている意見も同様に偏っている.
       しかし,酒の選び方・味わい方に関する固定観念から離れた新鮮な意見として
       触れてみる価値はあるかもしれない.
 
- 「地球環境報告II」
 石 弘之・著(岩波新書)[1999年1月13日]
 あの「地球環境報告」刊行からもう10年とは,時の流れも速いものである.
       今回の氏の報告,何でもかんでも環境問題に結びつけ過ぎのような部分もあるが,
       それを差し引いたとしても,ここで報告される問題はどれも深刻なものばかりである.
       水資源,森林資源,漁業資源等が,人間の乱獲・乱開発のために壊滅しようとしている.
       しかし,“その日の生活にも困る農民に,森林を守れといっても
       どだい無理な注文である”という現実が問題の解決を困難にしている.
       もはや,地球環境を守るには人間の絶対数を減らすしか方法は無いのではないか?
   
- 「鳩笛草」
 宮部みゆき・著(カッパ・ノベルス)[1998年12月21日]
 お察しの通り,「クロスファイア」を読む前に,と思って読んだ.
       3つの中編が収められているが,いずれも超能力を持つ女性を主人公にしている.
       でもやっぱり私にとって宮部作品では「サボテンの花」がベスト.
   
- 「ファウンデーションへの序曲 上・下」
 アイザック・アシモフ・著(ハヤカワ文庫)[1998年12月11日]
 銀河帝国興亡史(ファウンデーションシリーズ)の第6弾.
       書かれたのは最近だが,時代背景としては銀河帝国興亡史の最初期,
       即ち,かのハリ・セルダンの若き頃の活躍を描いたものである.
       最後に大ドンデン返しがあって,どわ〜やられた!,とひっくり返った.
       うーむ,さすがアシモフ,侮り難し.
       上巻冒頭の「作者のノート」は資料として役に立って良い.
 
- 「美しい声・美しい歌声---音声の生理学---」
 梅田紘子・梅田悦生共著(裳華房ポピュラーサイエンス)[1998年12月28日]
 声を出すとはどういうことかを,科学的に平易に解説することを試みた本.
       読者に親しみやすく,という気持ちが先走ってか,不正確な記述も散見する.
       また,前半は無駄話が多い上,
       既に嘘であったことが露見している狼少女の話に多くのページを割くなど,
       構成にも疑問が持たれる.
       これから読もうと思う方は,第3章から読み始めることをお勧めする.
 
- 「コーラスは楽しい」
 関屋晋・著(岩波新書)[1998年10月2日]
 合唱好きなら知らない人はいない関屋氏が,
       コーラス,特にアマチュアコーラスの楽しさを語る.
       ただし,ここで言う楽しさとは,仲良くなれ合うことではなく,
       音楽に厳しく対していくことで得られる楽しさである.
       “本当の楽しさとは,必ずどこか厳しさを含んでいます”という氏の言葉(p.175)は
       まさに真理だと私は思う.
 
- 「山の自然学」
 小泉武栄・著(岩波新書)[1998年7月29日]
 地質,地形,植生をリンクさせて山の自然を解説した好著.
       山で見られる風景が「なぜ」かくも多彩なのか,
       山好きの人の疑問にきっとこの本は答えてくれるだろう.
   
- 「トンデモノストラダムス本の世界」
 山本弘(と学会会長)著(洋泉社)[1998年11月3日]
 1999年7の月の予言であまりにも有名なノストラダムス,
       その予言を“解読した”と称する本は巷に溢れているが,そのことごとくは
       「と学会」の笑いの種でもある.
       ノストラダムスの残した原詩は16世紀のフランス語であるが,
       その“解釈”(こじつけ?)の仕方が実に多種多様.:-) 
       中には,フランス語の単語をローマ字読みして日本語として解釈してしまったりする
       (e.g., calamite(災害)→“搦め手”)のもある!
       また,五島勉氏のベストセラーである「大予言シリーズ」は,
       ノストラダムスを題材とした“小説”(五島氏の創作)として読むべきものであるのに,
       少なからぬ読者がそれを真に受けてしまっているおかしさ.(^^;
 ところで素朴な疑問なんですが,ノストラダムスの“予言”を
       真面目に信じている人って本当にいるんですか??
   
- 「インターネットII」
 村井純著(岩波新書)[1998年10月18日]
 前作「インターネット」から3年,この間にインターネットは急速に普及したが,
       それに伴い様々な問題(SPAM対策,グローバル化,etc.)にも直面している.
       インターネットの特徴を活かしつつ,今後の展開はどうあるべきかを問う.
   
- 「覆面作家の愛の歌」
 北村薫著(角川文庫)[1998年10月12日]
 KEY WORDS:お嬢様探偵
 ペンネーム「覆面作家」を名乗る新人ミステリ作家,
       本名新妻千秋ご令嬢の天才的推理が冴える
       好評シリーズの文庫化第2弾.
       さすが本格ミステリの第一人者(あ,これは北村薫氏のことです),
       とうならせる秀作ぞろいで,私は第1弾よりも好印象を持った.
       良介(リョースケ=新妻千秋の担当編集者)と千秋嬢の関係もちょっと進展したか?:-)
   
- 「地上に星空を---プラネタリウムの歴史と技術---」
 伊東昌市・著(裳華房ポピュラーサイエンス)[1998年9月8日]
 プラネタリウムの仕組や歴代機種(ツァイスI型からデジスターまで)の解説,
       さらにはその現状と問題点まで述べられている.
       「プラネタリウム」とは,プラネットすなわち惑星を見るところ,というのが
       本来の意味で,もともとは18世紀に惑星の(天球上における見かけ上の)複雑な
       動きを再現する機械仕掛に使った言葉だった,というのをこの本で初めて知った.
       また,プラネタリウムの歴史は,プトレマイオス的(天動説)に惑星運動を
       表現するための苦労の歴史であると見ることができたのはちょっとした感動だった.
       (観客の目すなわち地球を不動にして星空を動かすためには
       天動説的に惑星の動きを再現する必要があるため.
       しかし,逆に地動説に基づいてプラネタリウムを作ろうとすれば,
       観客の視点を移動(公転運動)させなければならないので,これはまた大変!)
   
- 「天使の卵」
 村上由佳・著(集英社文庫)[1998年8月16日]
 美大を目指す浪人生である"僕"が8歳上の精神科の女医・春妃にひとめぼれした.
       僕の思いは募る一方だが...
 当時のfj.booksで“究極の恋愛小説”(?)として話題に出ていたので読んでみた.
       内容は五木寛之氏の評(村上龍によるあとがき参照)にあるように凡庸であるかも
       しれないが,だからこそ“究極”でありうるのかもしれない.
       表現がみずみずしく,特にp.164の会話のやりとりが印象的だった.
   
- 「さだまさしのために」
 見崎鉄・著(KKベストセラーズ)[1998年7月16日]
 さだまさしの詞,そしてその根源にあるものを本格的に分析した初めての評論.
       ときどき深読みし過ぎるきらいもあるが:-),かなりの部分はうなずけるものがある.
       さだまさしが作詞をする際にいかによく考えているかに気付かされる.
       なお,この本における詩の解釈については,
       あくまでも見崎氏による一見解と割り切って読むべきである.
       (詞の解釈には絶対的なものは無く受け手の自由にまかされる部分もあるはずで,
       歌詞の個人的解釈を公表するだけで嫌がるさだファンもいるくらいなのである.)
   
- 「トンデモさんの大逆襲!〜超科学者たちの栄光と飛躍」
 別冊宝島334(宝島社)[1998年7月]
 波動,フリーエネルギーといった超科学(ちょー科学?)にハマった人たちを紹介.
       と学会本と似ているが,
       超科学者本人にインタビューすることにより,深みのある内容になっている.
       超科学者たちの“独創的な”思考パターンが伺い知れておもしろい.
   
- 「サバイバル英語のすすめ」
 西村肇・著(ちくま新書)[1998年4月]
 “シンパシーのない人をつかまえて,自分の考え方を相手に理解してもらう”
       ために必要な“実践的英語”のすすめである.
       lとrの発音および聞き分けについてかなりのページ数を割いている.
       全体の内容としては,まゆつばな部分も多いが,ときおり鋭い指摘もあり,
       読んで損はないと思う.
   
- 「ド・ラ・カルト〜ドラえもん通の本〜」
 小学館ドラえもんルーム・編(小学館文庫)[1997年12月]
 小学館のスタッフ(編者の一部)や藤子プロ(監修)の協力を得た企画だけあって,
       膨大なデータに基づいたしっかりしたものであり,ファンも納得の内容だと思う.
       ひところ乱発された「○○の秘密」的なものとは一線を画すると言ってよいだろう.
       久しぶりにドラえもんを読み返したくなった.
   
- 「理系のための研究生活ガイド」
 坪田一男・著(講談社ブルーバックス)[1998年1月]
 研究者の研究生活の実態を解説している.
       研究者にとってはとりたてて目新しい内容は無いが,
       これから研究者になろうかと考えている方にとっては,
       有効なガイドになるだろう.
   
- 「夏の猫と贈りもの」
 谷村志穂・著(角川ハルキ文庫)[1998年7月]
 私と同世代の女性はどんなことを考えているのだろう,
       という興味もあって手に取ったエッセイ.私の読書リストからは浮いているかも.:-) 
       もっとも,表紙の猫の絵につられて手に取った部分も大きいのだが....
       “何にでもストレートで,真剣で,感激屋で,怒りんぼで,少しドジ”
       (斎藤誠氏の解説における谷村志穂評)な女性は,
       実は私の好みだったりする.:-) :-)
 #私の奥さんをご存知の方は納得されるでしょう.(^^;
   
- 「東大オタク学講座」
 岡田斗司夫・著(講談社)[1998年3月]
 「オタク学入門」の岡田氏が,
       ゲーム,アニメ,まんが,さらには超科学,現代アート,変態行為まで,
       その世界にディープにハマり込んだ方々をゲストとして招いた恐るべき講座:-) 
       の活字化.
       「オタク文化」を“日本が(世界の)中心たりえるモノ”だと胸を張る岡田氏に対し,
       その通りだと納得するか,オタクの開き直りだと一笑するか,
       皆さんはどう考えますか?
   
- 「ファウンデーションの彼方へ 上・下」
 「ファウンデーションと地球 上・下」
 アイザック・アシモフ・著(ハヤカワ文庫)[1998年7月]
 銀河帝国興亡史(ファウンデーションシリーズ)の第4弾および第5弾.
       私は惰性で読んでいる面もあるが,アシモフ好きなら安心して読める作品ではある.
       最近完結編(第7弾)が文庫化した.とりあえず最後まで読んでみたい.
   
- 「と学会白書 VOL.1」
 と学会・著(イーハトーヴ出版)[1998年5月]
 「と学会」の学会発表風景や学会員の対談の形でトンデモグッズを紹介.
       しかし,「と学会」本にも
       そろそろ飽きてきた感がある.
   
- 「羊たちの沈黙」
 トマス・ハリス・著(新潮文庫)[1998年4月]
 猟奇的な内容なので万人にお勧めしようとは思わないが,私は引き込まれた.
       特に,拘禁中の連続殺人犯とFBI捜査官(訓練生)との心理的な駆け引きの描写
       は,この作品の魅力であろう.マンガ「おっとり捜査(小手川ゆあ)」は本作品に
       インスパイアされたところ大であると思われる.:-)
   
- 「言語の科学入門」
 松本裕治・他・著(岩波書店)[1998年4月]
 旧来の言語学に対し,生成文法や情報科学的アプローチといった新手法を導入して
       「言語"科学"」という学問体系を構築しようとする試みである.
       ただ,KEYであるはずの「生成文法」がまったく科学的に見えず(少なくとも
       科学的に書かれているとは思えない),拍子抜けした.
       個人的には,4章「言語科学の提唱」における,科学的アプローチに関する議論が
       おもしろかった.
   
- 「火車」
 宮部みゆき・著(文春文庫)[1998年2月]
 あまりに評価の高い作品だったので,文庫化を機にかなり期待して読んだ.
       「サボテンの花」のときほどの衝撃はなかったが,名作であることは確かであろう.
   
- 「生命と地球の歴史」
 丸山茂徳・磯崎行雄共著(岩波新書)[1998年1月]
 地球史46億年について,丸・磯グループ独自の見地から
       そのシナリオを大胆に書いたもの.
       本書の内容の多くはまだ地球科学界で一般的な見解とは決して言えず,
       鵜呑みにしてはいけないものである.しかし,
       このような革新的なアイディアが科学を前進させる原動力になることも確か.
   
- 「幻の特装本」
 ジョン・ダニング著(ハヤカワ文庫)[1997年11月]
 「死の蔵書」の続編.しかし,1作目ほどは興奮しなかった.
       それでも思わず「大鴉」(エドガー・アラン・ポー)を探してきて
       読むハメになったが.(^^;)
   
- 「破線のマリス」
 野沢尚著(講談社)[1997年12月?]
 キーワードは,報道における「マリス(悪意)の除去」.
       マスコミの怖さ,特にテレビの報道番組の力の怖さを改めて認識させられる
       問題作である.
   
- 「とかげ」
 吉本ばなな著(角川文庫)[1997年12月]
 KEY WORDS:(印象に残らなかった)
   
- 「覆面作家は二人いる」
 北村薫著(角川文庫)[1997年12月]
 KEY WORDS:お嬢様探偵
 私としては円紫さんシリーズの方がお気に入り.
   
- 「聖書の暗号」
 マイケル・ドロズニン著(新潮社)[1997年11月]
 KEY WORDS:聖書,等距離文字列,巻末の数学論文以外は興味なし
   
- 「新・コンピュータと教育」
 佐伯ゆたか著(岩波新書)[1997年10月]
 KEY WORDS:ユーザー中心主義,使いやすい道具,認知工学,思考の外化
   
- 「科学技術の戦後史」
 中山茂著(岩波新書)[1997年10月]
 KEY WORDS:経済復興主義,官・産・学セクターのテクノクラシー体制,私的科学
   
- 「水に眠る」
 北村薫著(文春文庫)[1997年10月]
 KEY WORDS:ファンタジー?
   
- 「お役所の掟」
 宮本政於著(講談社+α文庫)[1997年9月]
 KEY WORDS:霞ヶ関事情,官僚,閉鎖的ムラ社会,滅私奉公
   
- 「科学者をめざす君たちへ」
 米国科学アカデミー編(化学同人)[1997年9月]
 KEY WORDS:科学的倫理
   
- 「ぼくのマンガ人生」
 手塚治虫著(岩波新書)[1997年9月]
 KEY WORDS:マンガ,生命の尊厳,アニメーション,子供時代
   
- 「ネメシス(上下巻)」
 アイザック・アシモフ著(ハヤカワ文庫SF)[1997年9月]
 KEY WORDS:天罰の女神“ネメシス”,宇宙移民
   
- 「卑弥呼」
 久世光彦・著(読売新聞社)[1997年9月]
 KEY WORDS:アレ,方言,猫,洗足池,70年代フォーク,命
   
- 「猫のゆりかご」
 カート・ヴォネガット・ジュニア著(ハヤカワ文庫SF)[1997年8月]
 KEY WORDS:世界が終末をむかえた日,ボコノン教
   
- 「1984年」
 ジョージ・オーウェル著(ハヤカワ文庫NV)[1997年8月]
 KEY WORDS:管理社会,思想警察,真理省(歴史の改変)
   
- 「火星人ゴーホーム」
 フレドリック・ブラウン著(ハヤカワ文庫SF)[1997年7月]
 KEY WORDS:火星人,緑色の小人,ソリプシズム
   
- 「SFハンドブック」
 早川書房編集部編(ハヤカワ文庫SF)[1997年6月]
 KEY WORDS:ベスト,おすすめ,講座,用語事典
   
- 「失われた動物たち〜20世紀絶滅動物の記録」
 プロジェクトチーム・編(広葉書林)[1997年5月]
 KEY WORDS:絶滅,乱獲,環境汚染,無知
   
- 「地上から消えた動物」
 ロバート・シルヴァーバーグ著(ハヤカワ文庫NF)[1997年5月]
 KEY WORDS:絶滅,乱獲,リョコウバト,ドードー,保護
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Created:May,20,1997