満月の光
Under the Full Moon


満月の夜、山の中をひた走る。
頼れるのはヘッドライトの明りのみ。
山を奥に入るに従い、空はせまくなっていく。
森の中に開けたただ一本の道が見える全て。
いくつものコーナーをぬけた後、川のせせらぎの近く
バイクを止める。
エンジンを切りライトが消えた瞬間
闇が訪れる。
EPIのストーブに火をつけ、お湯をわかす。
コーヒーが入るころ、
最後のコーナーから月の光が追いかけてくる。
光が追い付いたとき、闇に慣れた目には昼のように
全てが明るい。

休憩の時間は終わった。
明るいが強すぎない優しい光の中
再びエンジンに火をともす。


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