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【有害鳥獣駆除取扱要領】


有害鳥獣駆除取扱要領について

平成6年3月17日 環自野第80号
環境庁自然保護局長より都道府県知事あて


 鳥獣保護及狩猟二関スル法律第12条第1項に規定する有害鳥獣駆除のための鳥獣の捕獲又は鳥類の卵の採取許可の取扱いについて,別紙のとおり定めたので通知する。
 なお、「狩猟法施行鋭則の一部改正に伴う有害鳥獣駆除許可の取扱いについて」(昭和36年6月6日36林野造第1568号)及び「有害鳥獣駆除許可事務の取扱要領について」(昭和39年6月10日39林野造第552号)は廃止する。


有害鳥獣駆除取扱要領

1.総則

(1)通則
 鳥獣保護及狩猟二関スル法律(以下「法」という)第12条に基づく有害鳥獣駆除の許可及びその事務の取扱いは,法,鳥獣保護及狩猟二関スル法律施行規則(以下「規則」という)の定めるところによるほか,この要領の定めるところによるものとする。
(2)許可権限の市町村長への委任
 都道府県知事は有害鳥獣の捕獲許可にかかる権限を市町村長に委任する場合にあっては,「法」,「規則」,本要領及び鳥獣保護事業計画に従った適切な業務の施行が行われるよう指導するものとする。

2.有害鳥獣駆除についての基本的考え方

 法第12条に基づく有害鳥獣駆除の許可は,当該鳥獣が農林水産物等に被害を与える場合,生活環境若しくは自然環境を悪化させる場合(以下「被害等」という),「又はそれらのおそれのある場合において,被害防除の実施又は追い払い等によっても被害等が防止できないときにのみ行うものとする。
 法第12条の環境庁長官の許可権限に属する鳥獣については,その中に常時駆除を行い全国的に生息数を低下させる必要があるほど害性の強い鳥獣は存在しないため,有害鳥獣としての駆除は害性を現す時のみ実施するものとする。
 生息数の少ない鳥獣の駆除は特に慎重に取扱うこととする。かかる鳥獣については,特に駆除に名を借りた違反の生じることのないよう各方面を指導するとともに,捕獲した後,被害等が及ぶおそれの少ない地域へ再放鳥獣し,生息数の確保に努めることも検討する。
 鳥獣被害の防止の観点からも,日頃より人の生活に伴い排出される餌に野生生物が依存し,鳥獣被害を生じやすくすることがないよう関係方面に周知徹底を図る。また,駆除に際しても駆除の対象となる鳥獣の嗜好する餌を用いた捕獲方法をとり,結果として鳥獣被害発生の遠因を発生せしめるようなことがないよう指導を行う。

3.許可基準

 有害鳥獣の駆除の許可をする場合には,法,規則,鳥獣保護事業計画及び上記基本的考え方に従うほか,特別な事由がないかぎり次の基準によることとする。以下の基準は,特別の記述がないかぎり環境庁長官権限,都道府県知事権限の双方の許可に適用するものとする。
 なお,法第12条の都道府県知事の許可権限に属する鳥獣の描獲許可については,鳥獣保護事業計画において種類毎の描獲許可の基準等を定め,適切に実施するものとする。
(1)駆除実施者
 駆除実施者は原則として,被害者又は被害者から依頼された者であって,銃器を使用する場合は乙種狩猟免許を所持する者(空気銃を使用する場合にあっては丙種免許を所持する者),また,銃器の使用以外の方法による場合は甲種狩猟免許を所持する者であること。
 また,駆除実施者は被害地と同一市町村内若しくはその周辺に居住し,必要に応じ迅速に駆除に従事できる者であること。
 駆除実施者の数は必要最小限であること。
(2)駆除実施区域
 駆除を実施する区域は必要最小限とすること。
 ただし,被害の状況に応じ市町村を越えて共同して広域的に駆除を実施することが望ましい場合には,これを認めることとし,その場合は駆除隊に班をおき,班相互の連絡体制を整備しなくてはならないこととする。
(3)駆除対象鳥獣の種類
 駆除対象鳥獣の種類は,現に被害等を生じさせ,又はそのおそれのある種であること。
(4)捕獲数
 捕獲数は,被害等の防止の目的を達成するために必要最小限の羽(頭,個)数であること。
(5)駆除期間
 駆除期間は,原則として被害が生じている時期の内,最も効果的に駆除が実施できる時期における,必要最小限の期間であること。ただし,被害の発生が予察されるか,若しくは駆除の実演があり,かつ鳥獣保菱事業計画の中で設定されている場合,又は飛行場の区域内において飛行機の安全な航行に支障を及ぼすと認められる鳥獣を捕獲するときなど,特別な事由が認められる場合はこの限りではない。
 駆除対象以外の鳥類の繁殖に支障がある期間は避けるよう考慮すること。
 有害鳥獣駆除の許可は,狩猟の期間中は一般の狩猟と,また狩猟期前後の場合は狩猟期間の延長と誤認されるおそれがあるため,これらの期間の駆除に係る申請については特に慎重に取扱うこと。
(6)駆除方法
 駆除方法は原則として法第15条で禁止されている捕獲手段は用いないこと。ただし,従来の駆除実績を考慮した最も効果のある方法で,かつ安全性の確保が可能なものであって,同条の規定による環境庁長官の許可を受けたものにあってはこの限りではない。
 空気銃を使用した駆除は,半矢の危険性があるため・中・小型鳥類に限ってその使用を認めること。

4.鳥獣捕獲許可証等

 鳥獣捕獲許可証は,飛行場の区域内において航空機の安全な航行に支障を及ぼすと認められる鳥獣の捕獲等特別な事由が認められる場合を除き,できる限り鳥獣の種類別に発行するものとする。

5.駆除実施に当たっての指導等

 駆除の実施に当たっては,駆除実施者等に対し,以下の諸点について周知微底,指導に努めるものとする。
(1)危険防止
 駆除に伴う危害の発生防止については万全の措置を講じさせること。
(2)共同駆除
 捕獲効果の向上と駆除に伴う弊害の防止のため,駆除はできるだけ個人ではなく共同してこれを行うよう指導すること。
(3)適正捕獲の証明
 駆除を実施するときは,鳥獣捕獲許可証又は従事者証を携帯させるとともに,都道府県が貸与する腕章をつけさせること。
 また,銃器以外の猟具等を用いて捕獲しようとする場合にあっては,駆除実施者に対し,その猟具等に,許可番号,設置者名等を記入した適正捕獲のための器具であることを示す標識を付帯させること。
(4)捕獲の報告
 捕獲許可の期間が満了し又はその効力が失われた場合には,補導実施者に対し直ちに,環境庁長官権限の鳥獣にあたっては都道府県知事を経由して環境庁長官に,都道府県知事権限の鳥獣にあたっては都道府県知事に,鳥獣補導許可証を返納させるとともに,捕獲結果についての報告を行わせること。なお,捕獲数が許可数に満たなかった場合はその理由を添えさせること。
(5)捕獲物の処理
 鳥獣保護の適正な推進を図る上で必要な資料を得るため適当と認める場合には,捕獲個体の種毎に性別,年齢,体長,体重等についての調査を,捕獲実施者に対し依頼し,その協力を求めること。
 また,捕獲個体は学術研究等に利用するなど,地域の実情にあわせて有効利用することについて考慮すること。

6.その他(進達,報告等)

(1)環境庁長官権限に係る申請書の進達・添付書類
 都道府県知事は,環境庁長官権限にかかる有害鳥獣駆除の許可申請書を受理した場合には当該申請書(別紙様式第1号)及び添付書類について,不備なものについて申請者に補完させた後,諾否等の意見を付してこれを速やかに環境庁長官あて進達するものとする。
 進達しようとする許可申請が被害者等の依頼により駆除を行おうとするものである場合には,都道府県知事は別紙様式第2号による有害鳥獣駆除依頼書を申請者に提出させた上,進達に当たってこれを申請書に添付することとする。
 進達しようとする許可申請の対象となる鳥獣が従来許可申請の少ない鳥獣の場合には,都道府県で被害の状況を調査し,別紙様式第3号による調査票を作成の上,進達に当たってこれを申請書に添付することとする。
(2)環境庁長官権限に係る捕獲の報告
 都道府県知事は,環境庁長官の許可に係る捕獲の報告については,許可を受けたものから報告させ,別紙様式第4号によりこれを集計,取りまとめ,環境庁長官宛て進達するものとする。
(3)都道府県知事権限に係る捕獲の実続報告
 都道府県知事は,都道府県知事許可に係る種毎の捕獲許可件数,許可捕獲数,捕獲実数等の実績報告を各年度毎に取りまとめ,毎年6月20日までに環境庁長官に報告するものとする。
(4)違反報告
 都道府県知事は,駆除に伴う違反を検挙した場合には,違反の概要を遅滞なく環境庁長官に報告するものとする。


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Last updated on Jul.13.1997
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