やあ、PCデモシーンのみんな, 1992年から、Hornetアーカイブにある膨大なシーン関連のファイルコレクショ ンは、君たちを楽しませてきたはずだ。何年もの間、最良のユーザーインター フェースとこの上ないほど整理されたアーカイブを提供すべく、僕たちは頑 張ってきた。毎月300GB以上のファイルがダウンロードされるので、僕たちは みな本当にいつも忙しかった。僕らのアーカイブはまぎれもなく、単一のデモ シーン関連サイトとしては、存在したなかで最も活発なものだ。 1998年2月4日、DemoNewsの最終号が発行された。そのときからずっと、アーカ イブを管理していた人間のエネルギーは確実に減っていった。とうとう最後に は、僕たちは十分なエネルギーを注ぐ気はないってことがはっきりした。すで にアーカイブはいろんな面で完全に自動化されていた(例えば/incoming/music がひとつの例だ)。もしそうでなかったら、このアーカイブはこんなに長続き しなかっただろうね。 Hornetは解散する。僕たちのグループメンバーの全員がアーカイブの管理の役 割を直接担っていたわけではないにせよ、みな僕たちの組織をまとめる力と なっていた。僕たちのグループは、その最終段階では、5人のメンバーからなっ ていた:Andy Voss (Phoenix)、Brett Neely (GD)、Pim van Mun (Stony)、 Jim Leonard (Trixter)、そして僕自身(Snowman)だ。 Andy(アーカイブ上でなんであれ「デモ」なものすべての管理人だ)は今年の 終わりまでにはシーンから身を引くつもりだけれど、最後のシーンプロジェク トが残っている。NAID '95と'96から生み出された記念すべきものでいっぱいの CDROMだ。vossa@rpi.eduかxproject@erols.comで彼に連絡が取れる。 Brett(DemoNewsのコラムニストで、Music Contestの共同オーガナイザーだ) はHornetを脱退するけれども、ミュージックシーンには残るつもりだ。 gd@scene.orgで連絡がつく。 Jim(僕らの唯一の大規模なデモ「Explicit」と、その他いくつかの割と小さな イントロのコーダーだ)はすでに僕たちのグループを離れて、シーンからも身を 引き、彼の新しいプロジェクトoldskool.orgに取り組む予定だ。これは1980年 代初期のゲームに捧げられた、トリビュートサイトだ。Jimの新しいアドレスは trixter@oldskool.orgだ。 Pim(EscapeとFreedomのCD、そしていくつかのイントロとウェブイメージにグ ラフィックアーティストとして貢献している)は、アーカイブと同じ時期に活 動を停止する。彼は今までに一度もリリースされたことがない自分の作品を、 シーン関連のCDROMに載せてリリースする予定だ。来年はオランダのUniversity of Nijmegenでコンピュータサイエンスの学位を取って、自分の小さな会社を 続けるつもりだ。Pimにはmun@wxs.nlで連絡がつく。 僕個人としては、新型の超光速ワープドライブを完成させて、汎銀河帝国の外 縁にあるZenthraxの第三の月に向けて船出しようと計画している。そこで僕の r3同志と再会を果たすつもりだ。君たちが使っている古いユリウス地球歴に基 づいておよそ1998年の11月1日には、惑星間電子メールr3cgm@rworld.orgで僕に 連絡が取れるようになる。 結果として、アーカイブは可及的速やかに解体される。HTMLページはすべて削 除される。検索エンジンは機能停止する。/incomingディレクトリはカタログに 登録されて空にされてから削除される。/info以下にウェブホスティングされて いるサイトは、どこか別の新しい場所を見つけなければならない。各国にある ミラーサイトは、(国別コード).hornet.orgでは名前が引けなくなる。近い将 来、アーカイブの"ファイナル"バージョンが設置されるだろう。その時点で、 アーカイブはウェブインターフェースを持たなくなっている。 アーカイブを短期間で停止することはできない。僕らのところはいくつかの大 きなオンラインドキュメンテーションプロジェクトの一次サイトであり、それ らのプロジェクトのメンテナに、どこか別の場所を探すチャンスを与えなけれ ばならない。それに、アップロードディレクトリがいっぱいになったままでア ーカイブを閉じるなんてことは、良心ある者にはできないことだ。たぶん5年目 にして初めて、すべてのファイルが/incomingから外に移されることになる。 僕を個人的に知っている人は、ゆるい終わり方は僕の好みじゃないことをよく 分かっているだろう。僕は物事の終わり(closure)が好きだ。僕にはアーカイブ をきちんとシャットダウンする義務があると感じている。いや、The Hornet Archiveの最期は、激しく、苦痛に満ちていて、長期にわたるプロセスなんだ (冗談だよ!)。 皮肉なことに、僕たちはHornet UndergroundとHornet MODsのCDROMを売り切る ことはできなかった。このCDROMはアーカイブ自身よりも長生きすることにな る。それぞれまだ数百の在庫があるはずだ。詳しくはhttp://www.cdrom.comの "Games and Entertainment"を見てほしい。 アーカイブが最終的な状態になったら、僕はMASTER.SDDファイルのコピーをオ ンラインで公開する。興味のあるフラットASCIIファイルハッカーは、好きに 使ってくれ。アーカイブのバックアップが済んだら、ファイル群は公式に scene.orgに引き渡される。彼らが新しいアーカイブを何と呼ぶか、僕には分か らない。この新しいホストがデータを保持するならば、彼らはそのデータを好 きにすることが許されている。この移行が済んだら、僕は rm -rf * /pub/demosする。 願わくば、scene.orgのメンテナたちが新しいアーカイブをすばやく立ち上げて くれますように。そうなったら、僕はそのアーカイブをftp.cdrom.com上のサー バでミラーしよう(僕らの側で何も作業をしなくてよいかぎり、こちらの帯域 を有効活用してもらってかまわない)。そしてHornet Archiveのミラーサイト はscene.orgのミラーサイトになる。 僕は少なくとも1ヶ月前に、何人かの人にアーカイブが終わることを告げた。幸 いなことに"PC Demos Explained"、"PC Demo Fan Club"、"Zen of Tracking"、 "GFX Zone"、そしてFuture Crewのページにはすべて新しい居場所が見つかっ た。新しい場所のURLは、準備ができ次第僕らのアーカイブのメインページに掲 示する予定だ。「メインページ」はそう長くもたないだろうから、ブックマー クはすぐに更新してほしい。 "Music Contest"と"Hornet Archive Memories"のページは、rworld.orgという 新しいドメインに移行する。この新しいドメインは、僕と大学(r3mdh)の友人が 共同で準備している。新しいマシンが立ちあがったら、みんなが正しい場所に 行けるように、www.hornet.orgのDNSエントリをrworld.orgを指すようにマップ しなおして、バーチャルホストをセットアップする。これはだいたい2ヵ月後に はできているはず。 Music Contestは終わるかもしれないし、終わらないかもしれない。これは僕の シーン関連の活動のなかで唯一、必ずしもあきらめてしまったとは言いきれな いものだ。目下のところ僕の考えでは、MC7が実現する見込みはだいたい60% だ。まあ、8ヵ月待てば分かることだね。 さて、ここまで読んだ人へのごほうびに、最も長い間謎に包まれていた、The Hornet Archiveに関する秘密を教えてあげよう。 : > Date: Tue, 15 Sep 1998 11:08:23 -0400 : > From: Eric Johnson : > To: r3cgm@cdrom.com : > Subject: Re: Fwd: hornet question : > : > 何年か前、僕らはhornet.eng.ufl.eduというマシン名から直接に名を取っ : > て、僕らのアーカイブを公式に"The Hornet Archive"と呼ぶことに決め : > た。その後何年もの間、"hornet"の起源は謎のままだった。率直に言っ : > て、僕はわざとそうしておいたんだ。その後5年の間、僕たちがシーンの : > 集まりに参加し、メディアに取り上げられるにつれて、The Hornet : > Archiveへの参照や言及が増えてきた(信じないかもしれないけれど、 : > Wired誌は僕らについて言及した記事を2回載せた)。しかしながら、僕ら : > (つまり、このアーカイブを何年もずっと管理してきた気のいいやつら) : > はデモシーン活動を終えようとしており、2ヵ月以内にアーカイブをシャッ : > トダウンしようとしている。そんなわけで、名前の背景にある秘密を白日 : > のもとにさらすときがやってきたようだ。 : > : > 君かもしくは同僚が、そもそもhornet.eng.ufl.eduに名前をつけたのが誰 : > なのか突き止めて、その名前がなぜ選ばれたかを僕らに教えてくれたな : > ら、個人的には最高にありがたいんだけど。 : > : > 尊敬を込めて, : > : > -- : > Christopher G. Mann - r3cgm@cdrom.com : > : > 技術監督, ウェブマスター : > Walnut Creek CDROM - http://www.cdrom.com : > : ええと、君が期待していたほどおもしろい話じゃないかもしれないけれど… : UF Engineering Computer Servicesが創設されたとき、僕らはキャンパス : バックボーンネットワーク(128)で20か30ブロックのIPアドレスを与えられ : た。これは1990年かそこらの話だ。当時はリバースポインタを管理していな : くて、IPアドレスに名前を割り当てるのは一種の"権利主張"みたいなもの : だった。そこで、ある日の午後、僕たち(僕とBradとPhilとAndy)はブレイ : ンストーミングでいくつかの名前をひねり出した。「下品でないこと」とい : うのを除けば、テーマは特に決まっていなかった。(なぜだかFrenulum : (=小帯、粘膜の襞)というのがまぎれ込んだけど ;) 名前の多くは僕らの飼 : い猫の名前からきたもので、その次に思いついてすぐにぴったりきたテーマ : が、昆虫の名前だった。いくつも名前を考えておいて、機器が運び込まれて : くると、そこから順に名前付きのIPアドレスを割り当てたんだ。 : : しばらく経って、僕たちは新しい場所に移った。僕らは自分たち自身のサブ : ネットと、それを管理するDNSの権限を手に入れた。でも名前はマシンといっ : しょに移行されて、僕が1992年ごろにECSを離れるまで、僕らは相変わらず : "テーマなし"というテーマを維持していた… : : こんなふうにして、hornetはhornetになったわけ。 : : E 筆を置く前に、長年にわたってアーカイブの運営を助けてくれた数え切れない 人々に、僕は心からありがとうと言いたい。一人一人にお礼を言いたいところ だけれど、名前のリストはあっという間に長くなってしまったし、きっと大切 な誰かの名前が抜けてしまっているに違いない。アーカイブのHTMLページを作 成したり、/incomingからアップロードを取り出すという苦しい仕事を支援して くれたり、疲れ果てるまでフィードバックをタイプしてメールしてくれたり、 新しい曲やデモやコードやグラフィックスをレビューしたりしてくれた、すべ ての勇敢な魂に、僕は心底から感謝を捧げる。みんなの努力のおかげで、シー ンファイルを手に入れる最高の場所を提供することができた。 僕は、DemoNewsの最終号でDan Wrightが言ったことを繰り返したい:「そう そう、最後にひとつだけ。もしも君が最後の一人だってことに気がついたら、 出ていくときにはドアを閉めておくれ。」 同じ号の僕のインタビューから:「僕は物事の終わりが好きだ。あいまいな終 わり方ではなくてね。僕は「ではまた来週!」と言うよりは、「ではみなさん、 おつかれさまでした。」とかなんとか言うほうがずっと好きだ… 来週なんて やってこないときにはね。」 ではみなさん、おつかれさまでした。 Christopher G. Mann Snowman / Hornet 22 Sep 1998 (日本語訳:2001年7月 森田尚)