本が出ました
あんまり宣伝するのは本意じゃないんですが、とりあえず旬といえそうなネタなので、タイミングをはずさないうちに書いておきます。
去年からずっとASP(Application Service Provider)の分野を追いかけてきたんですが、ようやく一冊の本にまとめることができました。2ヶ月あまりサイト更新を怠ってきた主たる原因であります。「まるごと図解 最新ASPがわかる」(技術評論社刊、1,580円)といいます。もう大きな書店の店頭には出ているそうです。分類としてはビジネス書なのですが、ASPという言葉が書店にActive Server Pagesと解釈されて、技術書として陳列されているところもあるかもしれません(笑)。技術者の方の中には、スクリプトが書いてない!って怒っている人がいるかもしれないなあ。
ASPという概念を全然知らない方でも、ひととおり読めば一体どういったことなのかが理解していただける、というのがこの本でめざしたこと。できるだけ平易な言葉を心がけました(それでもかなり専門用語は残ってしまいましたが)。個人的にASPには可能性があると思っているので、ある意味、“がんばれ!ASP”的な本になりました。
この本にはあまり個人的な感想を入れる余地がなかったので、多少あとがきめいたことを申しますと、とても難産な子どもでした。取材や調査自体はとてもおもしろかったんです。新しい潮流を機敏に察知して動き始めている事業者やユーザー企業の方々のお話には、体じゅうにアドレナリンがかけめぐりました。でも、それが執筆に直結しなくて。ほんとは昨年の暮れには刊行されるはずだったんです(笑)。それが1ヶ月延び、2ヶ月延び、とうとう7ヶ月も延びてしまいました。この原因はいろいろあるんですが、いちばん大きいのは私のぐうたらですね(笑)。仕事に取りかかるまでの時間が長いという私の悪癖が、もろに発揮されてしまいました。この書籍はシリーズ展開されていて、フォーマットがきっちりと確立されているのですが、そのリズムに私自身がなかなか乗り切れなかったというのもありました。
IT業界は動きが速いですから、そんなふうにのんびり構えていると、どんどん事情が変わります。たとえでいうと、ブロードバンド化はASP普及の追い風で、個人でもADSLが月額数千円で利用可能になってきたと書いたんですが、校了の直前にYahoo! B.B.が発表されたり、東京めたりっく通信が買収されたり(笑)。これらの情報を反映するか編集者と悩んだんですが、図表など影響する範囲が広く、またADSLそのものが否定されているのではないのでやむなく目をつむることに。こういうことがあるので、IT書籍の執筆者は筆が速くなくちゃいけないんですよねえ。私は一番適性がないかもしれないなあ(笑)。
ただ、出版が延びたおかげで、ASPの第二ステージが捕捉でき、活用事例を盛りこむことができました。別にこれを狙って粘っていたわけではないんですけれどね(笑)。ともあれこの書籍の出版では編集者に多大なる心労をかけました。彼はすっかり懲りていて、たぶん二度と私と仕事をしてくれないでしょう。この場で今一度、伏してお詫び申し上げます。ほんとうにご迷惑をおかけいたしましたm(__)m。
このように長い旅路を経て世に出た書籍なんですが、よろしければ書店で手にとってやってみてくださいませ。ご叱咤をいただければさらに幸いに存じます。