札幌雪景色

 今、札幌に来ています。氷点下7℃。氷という字が入っているからきっと“すっごく寒そう”と思われるでしょう。でも、実際には身を切るほど寒いとは思いません。今回は着物の下に毛糸の〇〇〇とタイツをはいて完全武装したというのも一つの理由ですが(笑)。これ、内緒ですよ(笑)。 ずっと外に立ちっぱなしだとこたえるのかもしれないけど(こっちで武富士のティッシュを配るアルバイトの子がいるのにはびっくり)、よくいわれるように、室内は暖房が行き届いていて、ほんとうに暖かい。浴衣一枚でも平気なぐらいです。そのかわり、乾燥の度合いはとても高いです。私は唇の皮が極端に乾燥症で(笑)、10分おきにリップクリームを補給しなければなりません。

 札幌の人によると、この時期は例年より寒くて、積雪量もかなり多いのだとか。道路の端には雪かきのあとの雪がこんもりと詰まれています。火曜日などは、朝から夜まで激しさは一定ではなかったものの、ずーっと雪が降っていました。これは私にとってほんとに新鮮な風景。故郷の大阪はほとんど雪が降らず、東京でも積もるほどの雪は一冬に一回か二回ぐらいですからね。歩きながら、“雪だまを作って投げたい”という誘惑とずっと戦っていました(笑)。

 私などは慣れていないので小ぶりでも傘をさしてしまうのですが、札幌の人は結構な降りでも傘をさしません。髪に平気で雪を積もらせながら、東京の人とそう変わらない靴で軽快に歩いていきます。おもしろいのは、一本の道なのに雪かきの状態が細かく違うこと。完ぺきに前の道の雪をかいてある店やオフィスビルがあるかと思えば、とりあえずすべらない程度に雪を払った店もあり、けもの道みたいに何とか人ひとりが通れるだけ踏みしめられたところもあります。公共駐車場の前とかはまったく手つかずの状態。だから人間の方で歩き分けなければなりません。札幌の人はきっと無意識に歩いているのだろうけれど。

 私の足もとは雨下駄です(笑)。二本の歯をガッシガッシとしゃりしゃりの雪にくいこませながら歩いています。こっちの履物やさんには、草履の裏に釘をうち、鼻緒のところにフードをつけた寒冷地仕様の草履があるのですが、さすがに東京に帰れば必要ないので買う決心がつきません。ちょっとかっこう悪いけど、これでまったく不自由はないので当分は雨下駄で通そっと。

 札幌の人の言葉が好き。“必要な品は全部お揃いですか”という意味のことをいうとき、こちらの人は「今日はこれでよかったですか?」という風にいいます。“それが全然寒くないのよね”のは、“それが全然寒くないんだわ”になります。その言い方がふんわりとやさしくていいんですよね。心が浄化されるというか。“人間、標準語だけで生きてちゃいけん”という気になります(笑)。

 ある極秘プロジェクト(笑)があって、ここ当分は札幌とのおつきあいが深くなりそうなんですが、私のことだからまた、“こっちにマンション買う!”とか突然言い出したりして(笑)。知ーらないよっと。 

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