気分はチャイニーズ

 最近お気に入りの朝食は、葱油餅(ツオンユピン)と鹹豆漿(シェヌトウチャン)です。どちらも台湾のスナックなり。私自身は一度も台湾に行ったことがなく、本場ものを食べたことはないのですが、「チャイニーズ・スナック・ブック」というほとんど私の家宝になっているすばらしい料理本があって、それを見ながら何とかチャレンジしています。

 まずは葱油餅。これは日本語でいえば“お焼き”ですね。小麦粉と卵とネギで作ります。ボールに小麦粉2カップ半、熱湯150ccを入れて、ポロポロになるまで混ぜます。そこに卵を一個加え、弾力のある生地になるまでこねます。乾かないようにラップをかけて20分間ほど寝かせたあと、この生地を12等分します。1つをとって団子状に丸め、手のひらでつぶします。あとはめん棒で直径15cmぐらいの円形に延ばしていきます。表面に溶かしたラードかショートニングを塗り、小口切りのネギと塩をパラパラとふります。それを端からくるくる巻いて棒状にし、それをまた端からくるくると巻いてうずまき状にします。そのうずまきを上にむけて、手のひらで押しつぶし、まためん棒で直径15cmの円形の伸ばします。この作業によって、お焼きの断面がパイ状の層になるわけです。これを12枚分作って、油をひいたフライパンで両面をきつね色になるまでこんがり焼けばできあがり。

 こう書いていくと面倒くさいようですが、取りかかってしまえば一時間ぐらいの作業です。一度にたくさん焼いて冷凍あるいは冷蔵しておけば、ちょっと小腹がすいたときにも重宝します。アレンジ形として、表面に溶き卵を塗って焼いても美味です。巻くときに塗る油はどうかラードかショートニングを。サラダ油やオリーブ油でも試してみましたが、うまくパイのような層になりませんでした。

 鹹豆漿は塩味の豆乳スープ。こちらはとても簡単です。お碗に、刻んだ干しエビ、刻んだネギか香菜、油條(なかなか手に入らないので、私は油揚げを使います)、肉か魚のでんぶ、刻んだザーサイなどをちょっとずつ入れ、ごま油、しょうゆ、塩をこれまたちょこっとずつふりかけます。そして、ここへ煮立てた豆乳をジャーッと注げばそれで完成。この豆乳は無調整のものを使ってください。調整豆乳は甘みが加えられているので向きません。私はいつもメイラクの「豆腐ができる豆乳」を使います。

 熱々の葱油餅をほおばり、鹹豆漿をすすると、気分は一気にチャイニーズ。いながらにして旅をしているみたい。私はいわゆる“ごはん党”ではなくて、三食こういう粉ものが主食でも大丈夫。前世は日本人じゃなかったなと、葱油餅の層になった断面をながめつつもの思う今日この頃であります(笑)。

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