気分はチャイニーズ2

 今週は餃子週間です。毎日作って食べています。餃子の具を皮にひだひだをつけながら包む行為に魅せられてしまったんです(笑)。さすがに毎日やっているから、ひだひだ作るのはかなり上達しました。もうアイリッシュドレスデンの陶器人形のドレスのひだひだにも負けないと思うな。すごい比較だけど(笑)。

 ただし、私の作る餃子は牛ひき肉や豚ひき肉のオーソドックスな餃子ではありません。実は、私はお肉を食べないんです。この話をすると長くなるのでまた別の機会にしますが、そのため私の作るのは基本的に海鮮餃子や野菜餃子です。

 挑戦してみたのは、今のところ四種類。

むきえび+ニラ+ゆでたけのこ=エビニラ餃子
あじ+青ねぎ+しょうが+ゆでたけのこ=アジネギ餃子
いか+香菜+白ねぎ+しょうが=いかパクチー餃子
トロ+ネギ+大根のケン(トロの下に敷いてあったもの)+しょうが=ネギトロ餃子

 なんか“自由が丘餃子センター”みたいなことになっていますが(笑)、結論から申し上げますと、何でもおいしいです。なんか1つコリコリ、プリプリしたものが入っていれば、おいしく食べられます。日本で餃子といえばニンニクですが、あれは本来の中国餃子道からいうと、マストアイテムではないみたいですよ。これから作ってみたい具のメインキャストとして、イワシとかカニとかタコとか豆腐干(中国の食品)とかもち米を考えています。じゃあ、これらは中国餃子道でいうとどうなんだといわれると、返す言葉がありませんが(笑)。

 1回につき24〜48個作って(半端なのは、市販の皮の販売単位が24だから(笑))、1食で10個ぐらい食べます。気分によって焼餃子(中国では鍋貼というらしい)にしたり、水餃子にしたり。残った分は冷凍庫に入れて保存。最初はすぐ食べるからと冷蔵庫に入れていたのですが、具の水分を皮が吸収して、皮がネトネトになってしまったのでした。

 皮は、今のところ“ぐうたらな私”が勝っていて市販のものを使っています。この世界も最近は、水餃子専用の皮とか小麦胚芽入りの皮だとか、卵白入りの皮だとか、かなり多様化していて選ぶのに迷うほどです。いろいろ比較するのは楽しいのですが、今後、具のアイデアにつまってくると皮に差別化を求めるようになって、こちらも自製するようになるかもしれません。 その日はきっとそう遠くないことでしょう。

 原稿の依頼が来なくなったら、海鮮餃子やさんをめざそうかなあ、なんて思っていたら、近所に新築中の中華料理屋さんを発見してしまいました。どうやら手作り餃子を看板にするらしいのです。ただでさえ町屋には人気の餃子やさんがあるというのに。町屋で商売するのは無理かな(笑)? 新たなテキはどんな餃子を打ち出してくるんだろう。うーん、気になるところではある。

 しかし、独身だから“餃子週間”なんていっていられるものの、私がお母さんだったら家族は大変でした。

「お母さん、今日の晩ごはんなに?」
「イワシ餃子よ」
「えー、昨日も餃子だったじゃない」
「何いってるの、昨日はタコ餃子よ。具が違うんだから」
「餃子は餃子でしょう。おとといもアサリ餃子だったし、毎日毎日おんなじものなんかいやだー」
「じゃあ、食べなくてよろしい。お母さんはね、餃子作りのプロをめざしているの。毎日練習しなくちゃ」

 その夜、父と娘は手に手をとって家出を敢行しました。

なあーんてね(笑)。 

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