吉凶未分

 あけましておめでとうございます。ごぶさたしております。昨年後半、単行本の執筆と引越しを同時にやったら、心身ともにへとへとになってしまいました。もう若いときのように働けなくなったことを自覚させられて、はなはだ気が滅入りました。何度かサイトの原稿を書きかけたのですが、どうしてもくらーい気持ちを反映したものになってしまい、アップする気にはなれませんでした。
 サイト更新をさぼったもう一つの理由としては、新しい趣味である日本刺繍がやたらと時間を食っているということがあります。毎日けっこうな量をこなさないと宿題が間に合わなくて、時間が空くとPCより刺繍台に向かう日が多くなってしまいました。でも、義務ではなく嬉々としてやっています。正直いうと、今は文章を書くよりおもしろいと思っています。 
 
 しかし、書くことへの情熱がまったく消えうせたわけではなく。テーマはポツリポツリと頭に浮かびます。これからも、こんなこと、あんなこと、以前よりペースはちょっと落ちるかもしれませんが、書き綴っていきたいと思います。よろしければおつきあいくださいませ。
 
 と、ここまでが不在の4ヶ月のサマリーで。

 この正月、実家に帰りました。初詣のおみくじで不思議な文言を引きました。「吉凶未分」(きっきょういまだわからず)。こんな言い回しのおみくじがあるなんて、今までまったく知りませんでした。皆さんはご存知でした?

 家族は吉や末吉だったので、私の運勢が一番悪いということになったのですが、ひそかに一番おもしろいのを引いたと思っています。神さまの本音を聞いたように思うからです。“あんたの運勢が吉なのか凶なのか、わしには分からん” 考えてみればそうでしょうとも。人生の幸不幸は生きているその本人が決めるもの。神さまといえど人がどうこういえる筋合いのものではないのです。今年、私は一生分のおみくじを引いた。なんだかそういう気分です。
 
 吉凶未分。それで結構。私の明日に色をつけるのは、私の仕事なのでありました。

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