米穀断ちウイークス

 お米がなくなりました。いつもなら何も考えずに新しい10kg袋を買ってきてミッション終了!なのですが、今回はちょっとチャレンジしてみたくなりました。“お米がなくても、案外うちに備蓄しているもので当分食いつなげるんじゃないの?” という大ざっぱな推測で突如始まった米穀断ちウイークス。もう2週間目になりますか。ときどき私は、人には理解できないテーマを思いついて一人で遊んでいます(笑)。

 内田百閧フ随筆に、戦時中お米が手に入らず穀断ちせざるを得ないことを嘆く一文がありました。百關謳カはごはんを食べなくては食事した気がしない性分の人だったみたいですね。今でもそういう人は多いでしょう。私の友人にも、焼肉のコース料理を食べに行って最初からごはんをガンガン注文する輩がいます(笑)。
 
 ところが私はお米に執着がないんです。ごはんのない食事が続いても、いっこうに苦になりません。パンや麺類など代替となる炭水化物があればそれでOK。海外に出たときに大きな優位性を発揮するこの特徴は、私がお好み焼きやたこ焼きを主食に育ってきた関西人だからと分析しています(笑)。前述の焼肉ごはん人も関西人なのですが、彼はきっとお好み焼き、たこ焼き真空地帯で育ったに違いありません。 
 
 小麦粉、そば粉がたんとあるので、自然と粉料理が多くなります。
 朝はパンケーキ。生地に練りこんだヨーグルトがフシュフシュの触感を生んで、このところのお気に入りメニューです。
 昼はパスタ。これは乾麺です。凝りたい気分のときはジェノベーゼなんかにしちゃったりしますが、大体はニンニクと唐辛子を炒めたオリーブオイルであえたり、たらこや明太子であえてレモンをかけたりする簡易バージョン。なぜかデュラムセモリナ粉もあったりするので、乾麺が切れたら、手打ちパスタに突入することになるのでしょう。
 夜は手打ちそばやそばがきや手打ちうどんやすいとんなどといった和食のバリエーションです。そばがきやすいとんなんてどうやって作るか実は知らなかったんですけど、今は便利ですねえ、インターネットで、そばがき、って打つと何種類も作り方が出てきます。
 
 えっ、手打ち手打ちって、毎日そんな手のかかることをやっているのかって? へへー、私のは手がかからないんです。フードプロセッサで生地をこねて、製麺機でのばして切るだけだから(笑)。それは手打ちとはいわない? おっしゃるとおりでございます。でも、市販のゆで麺よりははるかにおいしいですよ。こう書いているとまるで炭水化物だけで生きているみたいですが、ちゃんと緑黄色野菜やフルーツでバランスも取っています。
 
 食品棚を見たら、粉だけでなくまだ半割りの乾燥とうもろこしや押し麦やオートミールなどもあったので、おかゆ的なメニューもいくつか展開できそうです。この際、わが家が漂流教室になったことにして、行けるところまで米穀断ち篭城してみようかしらん。 

戻る このサブジェクトについてメールを書く