土曜日は石けんの日

 ただいま石けん熟成中!

 石けんを作り始めています。これはものすごくおもしろいホビーです。ローションやクリームを作るよりよほど奥が深い。ハマリます。1ヶ月経ってないけど、もう5種類40個ぐらいチャレンジしました。自分一人で使うなら、ゆうに2年分はまかなえます(笑)。でもまだまだ作りたい。あまたの女性がソーパーになっていく気持ちがよくわかります。

 何がそんなに魅力的なのか。一口には語れないんですよねー。石けんは油脂と苛性ソーダの水溶液の化学反応により鹸化することから生まれるんですが、もう、ほんと化学なんです。二つを合わせてできる石けんのタネが刻々と変化していくの。それを観察するのは、生き物を育てる喜びに似ているかもしれません。そこに、どんな油を選ぶかという楽しみや色をつける楽しみや混ぜものをする楽しみや香りをつける楽しみが加わって、世界は無限の広がりを見せていくのです。

 石けんの作り方にはホットプロセスとコールドプロセスがあって、ほとんどの石けんメーカーは前者で石けん素地をグラグラと高い温度で炊いて作ります。一方、個人ソーパーが取るのは後者。油を熱でいためず、グリセリンという副産物の保湿成分をそのまま残すので、より良質な石けんができるとされています。

 いろいろ本を読んでみると、コールドプロセスも具体的にはいろいろなお作法があるようなのですが、私は38〜40度の温度で油脂と苛性ソーダの水溶液を合わせる方法を取っています(この温度合わせがなかなか難しい!)。混ぜた瞬間から変化、つまり鹸化が始まっていくんですよ。まず黄みを帯びた透明の油脂が半濁の黄緑色になっていって、混ぜていくうちにそれがさらさらのカスタードクリーム色に変わっていきます。さらに混ぜていくと白っぽい艶のあるトロトロのカスタードクリームになっていきます。このドラマティックな変わりよう。

 かなりトロトロになったら型に入れて発泡スチロールのボックスなどに入れて温め、24時間鹸化を促進させます。ボックスから出した石けんのタネは、さらに白っぽくなっていて何も間違いがなければこの段階でほぼ固まっています。これをしばらく置いて型から出して、切って、4週間から6週間、鹸化の終わるのを待てばできあがり。かなり気の長い作業でもあります。ということで作り始めたばかりの私は、まだ完成品を手にしていません。できあがりが待ち遠しい!

 オリーブ油100%の石けんは、その元の緑色から想像できないほど真っ白。日が経つほどに、その白さは増していっています。苛性ソーダに加える水にラベンダーの抽出液を使った石けんはブラウン色。型入れのときに黒みつを入れたからか、日が経つほどにその色は濃くなり、今はチョコレート色。レッドパーム油という赤い油を3割ほど入れた石けんは、カボチャ羊羹と呼びたいような色になりました。こちらはどんどん色が薄くなってきており、最終的にはプリン色ぐらいに落ち着くのかもしれません。

 毎朝起きると一番に石けんのところに行って、変化を見ます。こんなことは生まれて初めて。実をいうと、私は元同居人に“サボテンを枯らす女”と呼ばれたぐらい植物の世話が苦手なんですが(笑)、これならできる。ただ見てるだけでいいんだもん。

 ひよっこなのでレシピはまだ先人のお手本どおりなのですが、慣れたらオリジナルレシピにも挑戦してみたいと思っています。すでにこんな石けんとかあんな石けんとか構想だけは浮かんでいるんです。“そんなに石けんばかり作ってどうするの?”と、ソーパーは周りから必ずいわれるそうですが、悪いけど、これはちょっとやめられないです。

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