停電になったら何しよう

 ニューヨークの大停電は、ショックでした。電気が消えたら何もできないことを再認識してしまったんですもの。本は読めないし、テレビや映画も見られない。趣味の刺繍もできません。ノートパソコンは何とか使えるけれど、それもバッテリーが切れるまでの命。一体そうなったらどうしましょう。停電になったら何します?
 
 パッと思い浮かんだのは、“聴く”という行為。停電は、ラジオを聴いたり、音楽を聴いたりする絶好の機会ではありましょう。ただそのためには、CDラジカセが動いてくれなければなりません。電池だ、電池。懐中電灯に活躍してもらうためにも大量に乾電池を買いだめしておかないと。それにカメヤマろうそくもだ。
 
 電話は動くんですよね? 聴くという行為の延長で、遠くに住んでる疎遠になった友達に電話しまくるというのもいいかもしれない。ああ、でもみんなが連絡を取り合おうとするから輻輳が生じて通じないか。ニューヨークのケースでは、携帯電話があんまり役に立たなかったって新聞に書いてあったしなあ。
 
 そうだ、トランプしよう、トランプ。ろうそくの光でえんえんと一人占い。実に怪しくてよろしい(笑)。そういえば、その手の本が本棚のどこかにあったような。あとはトランプさえ手に入れれば。停電時用購入品リストに、ぜひトランプは入れておくことにしましょう。
  
 あるいは鶴を折るか。実は千代紙好きで6cm角のものを1,000枚ぐらいコレクションしているんです。気が向いたときに鶴を折る癖が私にはあって、関西学院大学学生の折鶴放火事件の際には、ちょうど500羽ほどたまっていたので寄贈しました。生まれて初めて人の役に立ちたい、立てると思ってした行動でした。非常時、電力の早期開通を願って千羽鶴を折るというのも渋いかもしれません。
 
 …しかし。もうここでアイデアが枯渇してしまいました。電気がなくてもできることって何だろう? 思ったほどツルツルとは出てきません。ああ、私は街っ子だ。
  
 ん? 待てよ。停電になったら時間がありあまって仕方がないだろうという前提で思い巡らしているけれど、実際は衣食住に追われて一日が過ぎるのかも。街をかけずりまわって食材や日用品を手に入れたり、懐中電灯やろうそくの光で料理や洗濯をするのはかなり大変な気がする。トランプしたり、鶴を折ったりする余裕なんてないかも。なんだか乾電池のみならず、乾パンやミネラルウォーターやトイレットペーパーを大量に買い込んで置かなくちゃならない気がしてきました(笑)。
 
 じゃあ、これが日本ではなく旅先だったら? 今回のニューヨークみたいに。土地勘のないところで闇に包まれたら、いつにもまして無力だろうなあ。よし、非常用食料や乾電池はたくさん持っていくぞ。トランプも手荷物の底にしのばせて行くか。でも一人旅だったら不安にかられて、備品の多寡や帰国の予定に関わらず荷物をまとめて空港をめざしてしまうかも。手荷物とスーツケースを運んでくれる人がどうかいますように。火事場泥棒が出現しませんように。
 
 現代社会に生きてると、こういう危機管理も必要ですよね。実際に災厄はたくさん発生していることですし。さて、皆さんは停電になったら何します?

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