本に埋もれて

 これまで、字を書いて生きている人間が本を手放すのは犯罪だと思ってきました。そのため本は増え続ける一方。引っ越しても、引っ越しても、最後には「住まいは本のためにある」というような状況に陥っていました。あるときようやく気がついたのです。所得に限りがあるかぎり、所有できる本にも限りがある、と。それによく考えてみれば、たくさん持ってはいても、何度も再読したい本というとそれほど数はないのです。ただの場所ふさぎになってしまっているのなら、いっそすっきり整理して身軽になろうと、私にしては大きな大きな決断をしました。
 
 というわけで、このところ、暑いさなか、やっきになって本を処分しています。ダンボール7杯分の本をブックオフに出しました。でも、焼け石に水。本棚二棹に収まる量に減らそうとしているのですが、すでに無謀な目標のような気がしてきました。
 
 やみくもにダンボールに詰めて放り出すなら話は簡単なのですが、そこはやっぱり恣意が入るんですよね。
@ 読み終わって、もう二度と読まない、きれいな本→ブックオフ行き
A 読み終わったけど、もう一度読むような気がするから、手元に置いておきたい本→残留
B 読み終わって、もう二度と読まないけど、売れるほどきれいじゃない本→廃棄?
C まだ読んでない本→残留
D 通読する類の本じゃなくて、時間的に内容が陳腐化した本(技術解説書に多い)→廃棄

 今回、片付けながら発見したことは、Cがおそろしくたくさんあるということです(笑)。本は一期一会という思いがあって、見つけたら買うということを繰り返してきたので、買うスピードに読むスピードが全然追いついていません。ここが私のコレクターっぽいところ。さすがに読んでいない本は動かせなくて、結果的にちっとも本が減りません! まったく、キーッって感じ。とりあえず放埓に本を買ってきた罰として、向こう半年は新刊を買ってはいけない(古本は買ってもいいということでもない)ということにしたんですが、それでこの混沌状態から解放されるわけもなく。そしーて、私はとほーにくれる♪

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