TECHNICAL INFORMATION

                        

 

ビギナーのための POINT-1 講座

はじめに
POINT-1は、3軸加速度センサーによりボートが揺れてもコンパスを水平に補正して正確な船首角を出力するヘディングセンサーと、毎秒10回出力する高性能GPSを内蔵しています。POINT-1にはフィッシング専用モデルと、オートパイロット専用高速応答モデルPOINT-1 AP, 耐衝撃性を備えたオフロードレース専用モデルPOINT-1 BAJA の三種類があります。他社のGPSでは微低速で見かけの安定性を向上させるために張り付きとジャンプを繰り返すものや、関接波で位置が暴れるものなど様々な癖がありますが、POINT-1は癖が少なくて狭い範囲に収れんする行儀の良いアンテナで、他社のユーザーでもアンテナはPOINT-1を利用する方が少なくありません。 モータースポーツでは、船首延長線とコース延長線からドリフトアングルをモニターしてコーナリングフォースの限界を追求します。
           

POINT-1の接続
NMEA2000 の基本的な接続は、T型カプラーの横棒をバスラインとして連結し、縦棒にHDS本体や各種センサーを接続します。 両端はターミネーターで終端し、1カ所だけ電源コード付きターミネーターで12Vを供給します。
POINT-1 は微弱な地磁気を検出して方位を認識するため、トロールモーターやエンジンの発電機に内蔵される強力な磁石からなるべく離して取り付ける必要があります。 接続が完了したら、HDSやELITE Tiでは、「設定」「チャート」を開いて「ヘディング延長線」にチェックを付けると船首方向を示す青い線が表示されます。 同様に「コースの延長」にチェックを付けると赤い線が表示されます。 取り付けを予定している場所にPOINT-1を置いたとき、青い線が引っ張られる場合は磁気の影響を受けているので、トロールモーター、ワイパーモーター、スピーカー等からなるべく離して仮止めして下さい。次にボートが直進状態で2本の線が重なるように微調整してから固定して下さい。

POINT-1の校正
他船の航行の妨げにならない場所で時計回りに直径30m程の円を描くことによりPOINT-1を校正することができます。
「設定」「ネットワーク」「デバイスリスト」を開いてリストのPOINT-1にタッチして下さい。 アイドリングで右旋回を開始したら「校正」にタッチすると校正モードに入ります。 毎秒3°くらいの旋回率で、1周以上旋回すると地磁気のピークを検出して校正が完了致します。 校正後に再度直進状態をキープして、ヘディング延長線とコース延長線が重なることを確認して下さい。 重ならないときはPOINT-1の向きを再度調整して下さい。
 
            

POINT-1でカレントを読む 
魚には流れを遡ろうとする「走流性」と快適な水温を求めて移動する「走熱性」の二大本能があります。 海流、湖流、潮汐流、流入河川など、安定した水と流れる水の接合面は、当然温度層の境目となり多くの魚が集まります。
ベテランは周囲の地形や過去の経験から瞬時にカレントを読みますが、ビギナーにとって何処に流れが存在するかを見極めるのは困難です。
そこで、ヘディング延長線とコース延長線に注視しながらステアリングを中立に保って微低速で走ってみて下さい。
HDS Gen3 やCARBONのユーザーは、さらに「ヒートマップ」をオンにして、航跡の温度変化もチェックします。
さて、他社のGPS魚探は魚が釣れた場所をチャート上に記録しますが、ロランスはチャート画面、魚探画面、ストラクチャースキャン画面の座標が全てリンクしているので、魚探画面を右方向にドラッグして巻き戻し、気になる魚にタッチしてからウェイポイントボタンを2回押すと、チャート上にも反映されます。 潮流(湖流)のあるところでは、ストラクチャーやハンプの裏側にフィッシュイーターが付いている場合が多く、走流性により必ず上流を向いています。 このような場所を発見したら、ルアーや仕掛けを送り込んで見たいです。 HDS Gen3/CARBONやEliteTi はフィッシュリビール機能が魚の反応を抽出するので、ぜひご活用して下さい。

           
「メニューボタン」を押して「設定」 「チャート」を開いて、ヘディングとコースの延長線にチェックを付け、延長線の長さを「1分」にセットします。 「チャートオプション」を開いて地図の表示方向を「ヘディングアップ」にすると船首を延長したラインが真上を向きます。 さらに「センターオフセット」にチェックを付けると前方が開けて見易くなります。ルアーフィッシングでは下流よりアプローチして、マークした魚に船首延長線を合わせます。 「レンジリング」を距離の目安として、ターゲットよりやや遠方にキャストします。 レイクトローリングでは「センターオフセットを外し、レッドコア+リーダーの長さとレンジリングを目安にしてルアーを誘導します。 餌釣りでは潮上にアンカーを打ってこのポイントに仕掛けを送り込みます。
           
さて、ベテランとビギナーの決定的な違いが二つあります。 一つ目はルアーの着水音で、着水する直前にラインにテンションを加えて「フワッ」と落としたいです。 二つ目は一定の速度で巻いてくるのではなくて、ターゲットの直前で「ベイトフィッシュが大型魚に遭遇したときのパニック」を演出して頂きたいです。 プロガイドやベテランのボートに同乗するチャンスがあれば「魚に警戒心を与えないことの重要性」とパニックの演出を学ぶことができます。 
レイクトローリングでは、マークした魚の真上を通らず、大回りしてルアーをポイントに誘導したいです。 スロットルやロッドにアクションを加えてパニックを演出します。


POINT-1の二連装
魚探画像を正確に録画したり、高精度でポイントを保存したい場合は、POINT-1を可能な限り振動子の近くに設置したいです。もしPOINT-1をボートの前後に装備した場合は、最初に認識されたPOINT-1のみ、ヘディング情報を出力し、後から認識された方はヘディング出力が禁止されます。 これは複数のPOINT-1に個体差があると船首方向が常にぶれてしまうという問題を避けるために、ネットワーク上のヘディング情報は1台だけに限定されるということです。
バスボートは、トロールモーターに強力な永久磁石が内蔵されているので、ヘディング情報は前後のユニットが共にリアのPOINT-1から拾い、位置情報は振動子に近いPOINT-1から個別にデータを拾いたいです。

  
   
     
前後の機器が共にリアのPOINT-1からヘディング情報を拾うようにするには、一旦、フロント側のPOINT-1をT型カプラーごと外し、リアとリンクしているケーブルをフロント側に直接繫いで下さい。

         

先ず、メニューボタンを押してから「設定」「ネットワーク」「データソース」を開いて下さい。 「船舶」にタッチして「ヘディング」にPOINT-1をセットします。もし、POINT-1が「無効」になっている場合は、「自動構成」を実行すると、接続されている機器を全てスキャンし、システムを自動的に再構成します。
次に、右端の三角マークにタッチして、スコープを「グローバル」にセットします。「グローバル」に
セットされた機器は、ネットワーク上のどの機器からもアクセスが許可され、「ローカル」にセットされた機器は、ソースとディスプレイが1対1でロックされます。
フロント、リア共にヘディングの設定が完了したら、先ほど外したフロント側のPOINT-1を再度ネットワークに割り込ませ、今度はGPSの「データソース」を設定して下さい。

フロント側のディスプレイにはフロント側のPOINT-1、リア側のディスプレイにはリア側のPOINT-1をセットし、スコープはどちらも「ローカル」にセットして下さい。
以上で設定が完了です。「設定」「システム」「衛星」を開くとGPSの受信レベルを示すバーグラフが表示されるので、
ディスプレイの近くにあるPOINT-1の上に手のひらを載せて、受信レベルが下がるか確認して下さい。
受信レベルに変化が無いときは前後が逆にセットされています。
最後に、メニューボタン、「ファイル」「設定データベース」を開いて、この設定を「メモリーカード」に保存して下さい。ネットワークにトラブルを生じた時、カードに保存されたSetting.setファイルをインポートするだけで簡単に修復することができます。

POINT-1をリセット
POINT-1がヘディングを出力しなかったり、動作が不安定になってしまった場合はファームウェアを上書きすることで工場出荷時の状態に戻せます。
ロランス社のホームページの[GPS]の項目を開いてPOINT-1 1.4.0をダウンロードしてから解凍したファイルを地図カードなどに保存しておくと便利ですメニューボタンを押してから「ファイル」を開き「メモリーカード」にタッチするとアップデートファイルが見つかります。このファイルにタッチして「アップデート」を選択したら、リストの中のPOINT-1にだけチェックを付けてアップデートを実行して下さい。

ビギナーのための POINT-1 講座・・・完   







NMEA2000 について

マリンエレクトロニクスの世界では メーカーが異なっても通信方式が統一されていると、緊急時に
互換性があって便利です。国産機の多くが
RS-232C という旧式の通信方式を採用していますが、動
作が遅い、ノイズに弱い、
1対1の通信なので配線が複雑化する等の欠点がありました。ロランスは
いち早く
NMEA2000を採用し、ボートライフや釣りのスタイルまで一変させてしまいました。

基本的なお約束は極めてシンプルです。
1.接続の要となるT型カプラーは、Tの字の横棒がバスラインで、横棒同士を直接、あるいは
  オスメスケーブルで連結してボートの前後方向に通します。

2.T型カプラーの縦棒がメスソケットになっていて、各種センサーやHDS本体をここに接続
  します。
3.バスラインの両端は、オスとメスのターミネーターで終端します。
4.バスラインの1カ所に、T型カプラーと赤黒リード付きのターミネーターで12
  ルトを供給します。

T型カプラーはバス停です。手を挙げて路線バスに乗車し必要な情報のやりとりをしたら「つぎ止まります」のブザーを押して降車します。最大40カ所のバス停を設置して高速かつ整然と運行できるので、機器を導入する際はこのソケットの有無を考慮して下さい。


NMEA2000のネットワークが正しく作動しているかを確認するには、キーパッドのHDSではMENU2
押してから、「ネットワーク」「機器のリスト」で見ることができます。
HDSタッチシリーズでは「設定」「ネットワーク」「デバイスリスト」で確認できます。なお、ネットワークパーツは品目毎にNMEAへのライセンス料が掛かっているため小さい部品ほど割高です。そこで、部品番号000-0124-69 NMEAスターターキットが経済的です。(0.6m, 4.5mオスメスケーブル, T型カプラーx2, オスメスターミネーター、電源供給ターミネーター、以上一式で税別14300円です)
●NMEA2000の機器で最も費用対効果の大きい部品がエンジンインターフェースです。瞬間燃費が表示
できるのでチルト角や回転数を調整して燃費の良い組み合わせを模索します。油温、油圧、運転時 間、燃料残にアラームをセットしてトラブルを未然に予防することも可能になります。
☆専用インターフェースが必要なメーカーは、スズキ、ヤマハ、エビンルード等で
 直接ネットワークができるメーカーは、ホンダ、ヤンマー、ボルボ他となります。
 



 

ノイズと対策

魚探に障害を与えるノイズには、モーターの整流子から発生する電気火花によるものや、エンジンの発電器が発生する
電源ラインのノイズによるケースが多いようです。 特にトロールモーターの整流子から発生する電気火花のノイズは
広い帯域の電磁波を発生するので対策に手間取ることが多いです。 電気火花による電磁波は1902年にマルコーニが
大西洋横断の通信実験をしたほど強力で、狭いボートの中でこのノイズから逃れることは難しいです。
魚探画面からノイズの原因を判断する場合、縦方向の干渉縞や画像の乱れは電気系のノイズで横方向の縞模様は物
理的な振動や、泡噛みの場合が多いようです。 トロールモーターやエンジンが特定の回転数になったときにノイズを発
生する場合は、防振ゴムなどを介して振動子を取り付けると解決するケースが多いです。

電磁波のノイズは完全に除去するのが困難ですが、アーシングで軽減することができます。 振動子をトロールモータ
ーにマウントしている場合は、マウントリングとトロールモーターのバッテリーのマイナス端子をリード線で接続します。
効果が少なければ、モーターとマウントリングの間に銅板などを挟んで電磁波を吸収します。 また、バッテリーとモータ
ーを接続するケーブルも電磁波の発生源となるので、振動子のコードや魚探の電源コードはなるべく離して下さい。

エンジンの回転数が2000回転を超える位からノイズが発生するケースでは、オルタネーターからの交流ノイズが考えら
れます。 バッテリーの劣化やターミナル部分の接触不良が生じると、バッテリーの直流とオルタネーターの脈流が合成
された、とんでもない波形が観察されます。 これを良質の電源とするには、キャパシタとTVSダイオードを並列接続した
部品を、なるべく魚探の近くに取り付けて電圧を安定化させたいものです。 セルモーターを回したときの瞬間的な電圧
降下で、魚探が再起動してしまう現象も防ぐことができます。

ノイズは目に見えないので厄介です。 コストが掛からず実行しやすいものから順に一つづつ対策して下さい。
キャパシタとノイズ吸収コアのセットを準備したので、最寄りのショップにご注文下さい。 ワンタッチクリップが付属する
のでプライアーだけで取り付けられられます。  税別2,200円です。
            

 

 

浅場での新技術

ロランスHDSは Gen3(ジェン・スリー)へと進化し、地図画面にストラクチャー画像をリアルタイムで転送します。 最大幅 200m以上の範囲で魚、漁礁、根の状況を写真化するため、一気にポイントを絞り込むことが可能となります。 ストラクチャースキャンもLSS-HDからLSS-3Dへと進化し、地形を立体表示して、魚がどの部分に着いているかを表示できるようになりました。深度、像度共に大幅に向上しています。 水深100mまでの浅場で サイドスキャン/ダウンスキャンによる写真画質を一度でも体験すると、もう従来の魚探画像には戻れないでしょう。

 

深場はチャープでピンスポット!

このたび、深場釣りのために、チャープ専用のスルーハル振動子が発売されました。 B265LHは50Khzが19度、200Khzが6度の指向角を持ち、50Khzの出力がマルチエレメントにより強化されています。 1000m以上の実用深度があり、新しい釣り場の開拓に最適です。 HDI用スルーハルはVハル船底に合わせて、0度、12度、20度の3種類が用意されています。 マルチエレメントで、精密な地形図の作成や漁業用として活躍します。 深海は高級魚の宝庫ですが、在来技術で探査できなかったため今後はロランスHDSで、新しいポイントの開拓が急速に進むことでしょう。

 

 

 
 
 

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