ヨアヒム・フォーゲル学兄と私


2013年8月17日、ヨアヒム・フォーゲル教授が事故のためヴェネツィアで亡くなりました。
心よりご冥福をお祈りします。



フォーゲル教授に初めてお会いしたのは留学中の1999年に開催されたドイツ語圏刑法学者大会においてでした。--->
彼はまだ教授になりたてでしたが、すでに学会内ではスターだったと思います。


<--- 2003年に私は初めて、ポーランドで開催された刑法コロキウムの国際刑事法セッションで、フォーゲル教授とご一緒することができました。
彼は私の発表を mutig(勇敢)だと言っていました。

このとき私は、今後自分がフォーゲル教授と末永く一緒に仕事をすることを予感して、本ウェブサイトのトップページに「ヨアヒム・フォーゲル学兄と私」の記載を設けました。

2004年には中国で開かれた国際刑法会議でお会いし、無理やりウィンナ・ワルツを踊っていただいたのが思い出です。


2008年にはドイツで、若手刑法学者シンポジウムを開催していただき、世界各国からの仲間とともに私も参集しました。--->


<--- 同じ2008年には、京都での日独シンポジウムに、ご家族ともどもおいでいただく機会がありました。

その後フォーゲル教授は、国際刑法学会、国際社会防衛学会などを通じて、刑事法にかかわる若手法律家の途上国も含めた世界規模のネットワークづくりに尽力されました。

2012年秋にメキシコで開催された国際社会防衛学会シンポジウムで、私は再びご一緒することができました。
フォーゲル教授はスペイン語での発表にも力を入れていて、私も次回はスペイン語で報告しようと思った次第です。

2013年9月12日からは、中国で開かれる国際シンポジウムの刑法セッションにおいて、私が日本からの報告者、フォーゲル教授が座長をお務めになる予定でした。

その4週間ほど前の突然の逝去でした。



8月30日のご葬儀には約500名の参列者があったと聞きます。
私が外国人ながら数十名の知人に会ったのは、比較的近いところで仕事をさせていただいていた証ではないかと思います。

彼の代わりになることのできる人は存在しないので、遺された私たちは、平和と人権に向けた彼の志を継いでみんなで協力していくほかありません。
若い方々にも彼の思いが伝わるよう、尽力して参る所存です。