島 伸一 編・定価2800円・弘文堂たのしい刑法
一著者によるまるで個人的なページ
河上和雄(元東京地検特捜部長)
桜井よしこ(ジャーナリスト)
佐藤道夫(元札幌高検検事長)
- 初学者、社会人に最適のユニークなテキスト。
- 専門用語を極力避けた分かりやすい説明。
- 大筋を理解するための通説・判例にもとづいた解説。
- キー・ポイント・チャートによる全体像の把握。
- 答案作成能力が身につくケース・スタディ。
- 図表・イラストによるビジュアル化。
- 時事問題を扱って楽しさ倍増のコーヒー・ブレイク。
つまみ食いの解説では、体系的知識が得られない。
でも、普通の刑法の教科書なんてとても読めない。
大学の試験の勉強が間に合わない!
何から手をつけていいのかもわからない!
定評のある教科書は、詳しすぎるし、内容が高度すぎるよ〜
答案の書き方もわからない… 答のついた演習問題がほしい!
初めから本格的な体系書を見ても、ぜんぜん歯が立たない。
昔の通説って、今も通説なの?
司法試験委員の先生方の顔ぶれもだいぶ変わったみたい。
最近の動向をふまえて答案を書いたらどんな感じになるの?
法律の本ってどれもダサあい。
勉強する気なくなっちゃうのよね。
電車の中でも読めるラブリーな本がいいなぁ。
この本の出版によって、タカヤマは念願の?イラストレーターデビューをはたすことができました。
ただいま、原画展を企画中!(うそ)
「絵なんか描いてるヒマがあったら研究せいー!」っていうお言葉を当然ちょうだいすることはわかっているのであります。だから論文も書きます。既にこの方向で企画されたものとしては、「ホーンブック」(北樹出版) がありましたが、本書はこれを極端に押し進めたものです。教育目的という点では、こういった本にも価値があると思うのです。
内容は、判例と多数説が中心なので、著者の個人的見解は必ずしも書かれていません。だから担当部分に関係するお仕事を依頼されると困ります(特に共犯)。何でこんなことになったかは、おまけ の項をご覧ください。
とはいえ、Tb只木、Rw山本、Sc高山ってそう悪くないと思うのですが。執筆担当者
この本全体の中でいちばんよくできている部分は、只木先生の顔です。
- 第1章 刑法学への招待 島伸一
- 第2章 構成要件該当性 只木誠
- 第3章 違法性 山本輝之
- 第4章 責任・第5章 未遂犯・第6章 共犯 高山佳奈子
- 第7章 罪数論 大島良子
- ケース・スタディ (演習問題と解答例) 大島良子
- コーヒー・ブレイク 島伸一
- 図表 只木誠・イラスト 高山佳奈子
「見せびらかして歩けるオシャレなデザイン」を我々は目指した。当初、表表紙はシャネル、裏表紙はグッチという案が出ていたが、知的財産権法上の問題があるということでボツになった。これに代わり、タカヤマは、表表紙が巨大弘文堂マーク、裏表紙も巨大弘文堂マークという「対案」を提出したが、これもボツになった(いまだに納得がいかない)。
採用された自己紹介
高山佳奈子(たかやま・かなこ)4〜6章およびイラスト担当ボツになった自己紹介
現在 成城大学法学部専任講師。
経歴 東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科修士課程修了、同助手。
メッセージ 日本に法学を普及することが人生の目標です。この本を手にしたあなたも、もう逃げられないのです。編者との地獄の確執を経て、この「たのしい刑法」が成功したら、とりあえず 1.論文集、 2.画集、3.写真集、の刊行を目指してがんばります。
論文 「故意の構造(1)〜(2)」法協110巻12号、111巻4号、「違法性の意識(1)〜(5) 」法協114巻15号。
あなたは18歳以上ですか?
はい
この本の出版にかける教授 島伸一の執念はすさまじいものだった。「著者の似顔絵を載せる」という求めに応じ、タカヤマは写真を忠実に再現した画像を持参した。ところが数日後、島からの電話があった。「あのさ、ぼくの似顔絵だけど、 鉄仮面にしたいからさ、鉄仮面にしてくれる?」
そこでタカヤマは、バルログの仮面をかぶせた新たなる画像を描き直し、持参した。ところが、島の反応は冷やかだった。「鉄仮面て、鉄の仮面じゃないんだよ。ぼくのコーヒー・ブレイク 読んでもっぺん描き直してくれる?」
なるほど、鉄仮面は鉄仮面ではなかったのだ(23ページ参照)。さらに追い打ちをかけるように、島の声がとぶ。「真ん中にはてなマークつけてね。」
かくして、全面的に描き改めたものが完成した。これにて一件落着とタカヤマは思っていた。しかし、その後全員の似顔絵ができあがった段階で、島は言った。「ぼくのネクタイ、これじゃ只木さんのと同じ柄じゃない。なんかもうちょっとおしゃれな柄に変えてくれない。」「はっ、では水玉にいたしましょうか。」「水玉はキライなんだよね。」
タカヤマの技法では、模様におのずと限界があるのだ。苦悩する間もなく、自宅の電話が鳴る。「ネクタイと同じ模様でポケットチーフもつけてくれる?」今にして思えば、この程度のことはまだ序の口であった。これはまだ似顔絵1枚の問題である。この後さらに、本文中のイラスト、本文の内容、文体、漢字の使い方などが続くのである。電話は自宅、大学、携帯を問わず、また昼夜、平日休日を問わず鳴り響いた。
NOT TO BE CONTINUED
編集担当者、弘文堂の山口智子こと北川陽子氏。彼女が実は、あの伝説の演習書「考える刑法」の編集担当であったことは、あまり知られていない。
鯉淵社長の息子さんが、タカヤマと同じ高校の出身であることは、もっと知られていない。
もう一人の編集担当新入社員ユミは、早大米倉ゼミの出身であったのだ。時代は廻るのだ。