6弦スチールギターのチューニング色々


(初期のTuning: Emajor / Amajor / E7 / High bass Amajor / Gmajor etc.)
 スチールギターのスライド奏法を発見したジョセフ・ケククはギターのチューニングに近い
Eメジャーチューニング(1〜6がE B G# E B E)で、当初は5弦、6弦でベースの音も弾きながら演奏されました。
 後に4弦EをDに下げて
E B C# D B E  のE7チューニングにしたり、
(1〜6)がE C# A E A EのAメジャーチューニング、さらに6弦をAにした
High Bass A MajorチューニングE C# A E C# A がうまれ、人によってはスラックキーギターで使っていた
Gメジャーチューニング D B G D G Dまたはこれの
High bass Gメジャー D B G D B Gで弾いていた様です。
 余談ですが、Amチューニングしか知らなかった私が、灰田さんの「森の小径」をコピーしてみて「ほーろほろーこぼれるー、ミドシシbー」までは良かったんですが、次の「ドミドミソ」がどうしても音を引きずって弾けずに凄く悩み、ひょっとして「マウイチャイムス」のチューニングにしたら縦にドミソがが出るから、これかも?とAメジャーチューニングを割り出したのが、チューニングのアナライズ(分析)第1弾だったと思います。
(E7系のTuning: C#m+E7, E9, E13)  その後マイナーコードも必要になり、E7の2弦を1音上げてC#mとし、
C#m+E7 E C#G# E D Eが生まれ、E7をよりジャズっぽくして4弦のEを1音上げて9thにし、
E B G# F# D E(またはB)でE9チューニングが生まれ、さらにこの2弦とも1音上げてハワイのJules Ah Seeたちが広く使っている
E13 E C# G# F# D B G# Eがうまれました。
ミラド、ミシbレの和音のコンビネーションが聞こえたり、7thコードの時トップノートがシbレミラドラとか、レミッドラーミというフレーズで分厚い和音が聞こえたら間違えなくこのE13です。
バ−ニ−・アイザックスが好んでこのチューニングを使っていましたが、何故かParadise Isleを弾く時は(JulesはE13なのに)C76を使っていました。ジョー・カスティーノも上手かったですが、現在これを完全に使いこなしているのは、ハワイに移住し現地で活躍している小沢昭さんでしょう。マウイセレネーダスの三橋信夫さんも小沢さんの影響を受け、ペダルで半音高いF13を使い、アイランドのフィーリングを出しています。
つい最近発見しましたが、E13はペダルで出すようなオープンハーモニー(ドシミ、レラドなど)など豊富なジャジーコードがかくれています。今度時間を掛けて研究します。
 此のE13は1弦と2弦の間隔が短3度、2弦と3弦の間隔が完全4度でスケールが大変弾きにくいと云う事で
上からドラミの間にソ(Key of E の第5音B)を入れたE13 E C# B G# F# D B Eがカントリーの8弦で考案され、Jerry Byrd のフライパンはこのチューニングでした。マウイ島のHenry Allen もFender Stringmaster D-8 の上段にこれを張り、和音でぶっかき回す独特のコードソロを聞かせます。6弦だと低音のB E がない為ちょっと寂しくなります。そのせいか6弦でこのチューニングを使ったプレイは、聞いた事がありません。 (A6系Tuning:  A6/A76)  一方Aメージャーから発展して4弦に6thのF#をいれ、
E C# A F#E C#のA6が生まれ、後に本土のカントリーミュージックに取り入れられるようになってカントリーではE9 系(E13も)とA6系(A13=A76も)の
ダブルネックが黄金のウェスタンスウィング時代のラップスチールギターだは主流派だったようです。
これも最近知った事ですが、ハワイのボビー・インガーノもA76を使っていて、本土のハワイアンプレイヤーにもこれの愛好者が大勢いるそうです。
 8弦になってからも各自両ネックとも9thや13thの配列を工夫して独自のセットアップをしていたようです。
(C6 Tuning の誕生)  かつてはカントリーのそして60年代にハワイに移住してからは多くの後継者を育てたラップスチールギターの第一人者"Mr. Touch and Tone" Jerry Byrdが40年代はじめに考案したと言う
C6(日本ではAm7といっていた)はE C A G E Cの配列で、前記A6と同様メージャー(6)とマイナー(7)が同一ネックのフラットポジションで出せる便利なチューニングです。  日本では寺部頼幸氏(ヨリチャン)と大橋節夫氏(オッパチ)がC6(当時はAm7と云った)を使っていました。
 A6とC6の違いは、4〜1弦でA6はラドミソ、レファラド、ミソシレの和音が出せ、C6はソラドミだが、エンディングで6弦からドミソラドミときめられる利点があります。
 バッキー白片スタイル完全コピーに夢中だった私が高校1年(昭和24年)の時、カントリーの寺本圭一氏と同級になり、彼からウェスタンのレコードを聞かせてもらい、Amチューニングでは出せないラドミソ、ミソシレをきれいに弾くスチールギターを聞いて感動。
 同じころ、友人を介しモダン派の寺部頼幸氏(ココナッツ・アイランダース)の出演先である銀座の「ファンタジア」を訪ね、C6チューニングと、トリックスラントによる9thの弾き方を教わりました。
(G Top C6 Tuning)   当時、母が駿河台の米軍婦人将校宿舎だったHill Top Hotel (山の上ホテル)の日本人マネジャーをしていた事からカントリーも聞く機会が多く、どうしても8弦が欲しくなり、父を拝み倒してグヤの8弦を手に入れ、バンジョーの1番線をGに張り
G Top C6と言う G,E,C,A,G,E,C,Aチューニングでチェンジャー(今のペダルスチールギターのこと)に脱皮する1年間ほどハワイアン/カントリー/ジャズ/ポップス/ラテンなどを弾き捲りました。
(D9 Tuning)  寺部頼幸氏の出演先に遊びに行った時「ハワイから来た兵隊に教わったんだけど、ライオン、これ凄いのよ」と弾いてくれたのが、私の「Modern Steel Guitar Method Vol. 2」や通信講座上級第25巻で取り上げた「NA LEI O HAWAII」のイントロでC6チューニングの4弦Gを半音下げてF#にした>
D9というE C A F# E C (8弦なら、この下にAとD)
そのころはただC6の4弦を半音下げる、と覚えていたのですが、これがサニ−・カマヘレをはじめ、本土のスチールギターファンの中にけっこう愛好者が多いD9チューニングだと云う事を80年代になって知りました。
(C7 Tuning)  まだバッキ−調に酔いしれていたころ、Jerry Byrd というドイツ系の端正な顔だちの人の10インチ版のLPを買い、滑らかに音が繋がった奏法に驚き、同時に「カウラナ オ ヒロ ハナカイ」の和音奏法にショック!早速アナライズしたところ、
C6チューニングの3弦を半音上げてBbにしたC7チューニング。つまりE C Bb G E Cだったのです。
80年代に入って来日したジェリーを囲むプライベートパーティーに出席した折に、私が何曲か弾いた中でこのC7チューニングにパッと変えて「カウラナ・・・」を弾きだしたら、誰かと喋っていたジェリーがニッコリ微笑んでこちらに振り向きビックリしていました。
(C6+A7 Tuning)

Jerry Byrdはさらに6弦CをC#に半音あげて6〜3がC# E G A =A7, 5〜1がE G A C E=C6になるポリコ−ド(複合和音)のチューニングを開発し5〜1のTonic 6から2フレット左の6〜3を弾くとDominant 7th になる(5Fret "F"〜3Fret C7)と言う大変便利なチューニングで、彼の教則本には6弦で書かれていますが、実際にジェリーが弾いている8弦ではこの下にCとAを張っています。この重低音Aがドキッとするくらいインパクトが強いです。 ハワイのアラン・アカカやケーシー・オールセンはジェリースクールの優等生ですがほとんど使っていません。このチューニングで弾いている大多数の人はジェリーのTAB譜を購入した人たちで、わずかに ハワイに移住した小沢昭さんが一時ジェリーと同じ8弦7弦ダブるのSho-Budを買って後述するCダイアトニックとこのチューニングでジェリ−スタイルを追い掛けていましたが、また彼が得意とすE13シングル1本にもどったようです。 (F6 Tuning)
 私がバッキーさんのフルコピーをしていたころ、街場ですごくジャジーなスチールギターが流れていました。たしか「セントルイス・ブルース」と「ジプシーの嘆き」と云うタンゴの曲がAB面にカップリングされていたと記憶しています。
Aマイナーチューニングでは出ない和音、これは寺部頼幸さんのC6だ、と思うけど、ミソラドの和音がやたらに澄んで聞こえ、楽器のせいだと思っていました。
 そんな事をすっかり忘れ、’83年に「モダン・スチールギター・メソード」を出版した後で渋谷の「マハロ」に遊びに行き、店主横江さんの奥様が村上一徳氏のお弟子さんで、
F6チューニング。つまりF D C A F Dで弾いていると聞き、初めてこのF6チューニングを知り「Modern Steel Guitar Method」の改訂版に書き加えました。
 最近習いにいらしたSさんはアラン・アカカと同じCanopusのトリプルをお持ちになり、何と手前のネックが6弦!やはり村上さんの門下生でらしたので、どうしてもメロディーを自信を持って弾くには6弦F6がないと・・とおっしゃっていました。私ならF D C A F Eb C F の8弦F76にしたのにと思いました。6弦F6を弾いていて、もし8弦に切り替えると言う方はぜひ勇気を持ってこれをお試しください。 (Am Tuning) 日本でハワイアンを語る上で忘れてはならないのが
日本におけるハワイアンの父バッキ−白片氏が弾きまくったAmチューニング。E C A E C Aです。 このチューニングはHigh bass A major Tuning の2弦と5弦のC#(3度)を半音下げてC音にしたもので、世界にほとんど例を見ないものなので多分バッキ−さんが考案されたものと思われます。 このチューニングの長所は、1〜3弦でドレミファの音階を覚えれば4〜6弦も全く同じバーさばきで、あとは4弦と3弦のつながりを覚えれば、比較的簡単にスケールを弾いたり1オクタ−ブ下でメロディーを弾くことが出来ます。短所である長3和音(ドミソ)が出ないと言うことが、逆に常に隣接した3本の弦を同時に弾けば5度抜けのmajor6、そのポジションの2フレット左が3度と根音(1度)抜けの9thになる為、C6チューニングのようにG線が邪魔にならづ、単線弾きのアドリブもやりやすい。バッキーさんのアドリブの運指が図形化されやすい為もあってか、「バッキー節」を追求する人が70%以上占めていたとおもいます。ただ残念なことに、彼のスゥインギーな譜割のタイミングを 完璧に採れた人はほんのひとつまみのプレイヤーで、後は奇妙にはづみすぎたジャパニースハワイアンになってしまったことです。 (D9 on A6 Tuning)  もう一つ書き加えたのが、スチールギター生みの親、ジョセフ・ケククの孫に当たるメレル・ケククガ弾いていたチューニング。
 戦後三沢基地に駐留していた時に買ったという愛用のテイスコ製の弦長52cmほどの6弦ショートネックで9thやミソラドの6th(m7)それにdimもフラットポジションで3声が出る不思議なチューニングでした。しいて名前をつけるのなら
D9th on A6と云うか、上からE C A F# E C#というD9thの変型。このチューニングの日系人や本土の人にも数人逢った事があります。
(Bill Leavitt Tuning)  一番凄いチューニングは数年前メールで知り合ったバークレー音楽院ギター課の教授Mike Ihde 氏が広めようとしている
Bill leavittチューニング。たった6弦なのに複雑なジャズコードでミスティーやテンダリーが弾ける優れもの。上からD C Bb G E C# になっていて1弦がDという異例のチューニング。マイクの前任教授だったビルが考案し、数10曲のTAB譜を残して他界したため、後任のマイクが不得意なラップスチールギターで(本当はE9ペダルを趣味で弾いている)その意志を後世に伝えるべく [A DIFFARENT SLANT]と云うカラオケ付き教材を自らのアレンジも含めて制作しました。
これはメージャー、マイナー、7th、9th、#9th、13th、13b9th、dim、aug7、等ペダルスチールギターのようなコードワークが可能ですが、一歩間違えればとんでもない事になる「地雷原」を無防備で歩くような恐怖のチューニングです。
 アラン・アカカがこれを移調した E B A G E C# Bb C (2〜7弦が単3度低いリーヴィット・チューニング)でUnforgettableを弾いていますが、おそらく初めて人前で弾いたと思われる2001年のアラモアナSCでの演奏は、かなり大変だった様でした。
C76のチューニングを2本だけ変えたのですぐ分かり、私も早速試みて見たけど大変でした。これと前後して私のCD第2弾の「Lovely Hula Girl」の録音でも何回もNGを出し、ライブではとても弾けそうにもありません。

7弦スチールギターの誕生とユーザーたち


 「Modern Steel Guitar Method」にも書きましたが、バイオリンの祖先が10弦もあったのに進化して4弦に収まリ、各弦の音程が5度に広がったのとは逆に、ギターを横にして始まったスチールギターは7弦から8弦、その複数ネックと発展して行きます。調弦がチェンジャー機構で変わる「マルチコーダー」「エレクトリックハープ」等が40年代後半から現われ、ギブソン、フェンダーなどから当時「チェンジャー」といわれたペダルスチールギターがカントリー音楽界に広がり、50年代には10弦ダブルネック、さらにこのダブルネックの機能を1本にまとめた12弦ユニバーサルチューニング、さらには14弦ペダルまで、きり無く弦数が増え、各弦の音程も弦幅もどんどん狭くなっています。
各弦間の音程が3度間隔かそれ以上だった頃には最低音が間に合っていた6弦E系、A系も、間に2度音程が含まれるようになると6弦の最低音がどんどん上がってきます。C6チューニングで言えば、1弦のEから6弦のCまで10度しかありません。プレイヤーはもっと幅を求めたためリッケンバッカー(私の先生ウイリー山崎氏は「ドイツではリッケンバッハと言い、英語ではリッケンベーカーと言う」と言ってらした)で7弦を作つたのです。 (7弦C6=Am7 Tuning)  このニュースを知ってかココナッツアイランダースの寺部頼幸氏が東京サウンド(GUYA)の松木氏に依頼して作らせた、アンプからのびたパイプの上におさまっていたアンプと同色の深緑の7弦スチールギターが私が知っている唯一の国産7弦です。私の記憶では7弦目にAを張って、ACEGの和音を楽しんでいらしたと思います。
もしあの時点でC76をアナライズ出来ていればジャズ指向だったヨリちゃんのプレイがもっと変わっていたでしょう。 (7弦A76 Tuning)  いまハワイのロコ(ローカル)の間で人気抜群のボビー・インガーノは E C# A F# E C# GというA76の7弦リッケン・フライパンで活躍しています。ボビーは音楽一家に生まれ、小さいころからスチールギターを弾き、ジェリー・バードの影響も受けています。人懐っこい笑顔で繊細かつハートフルな音色はピカ1。今ハワイで一番注目されている若手スチールギタリスト、ジェフ・アホイはボビーの教え子です。 (7弦Cダイアトニック Tuning)  ミスター・タッチ・アンド・トーンと称されるジェリー・バードはショーバットの特注ダブルネックの上段にE C B A G F E という彼が開発した7弦Cダイアトニック・チューニングでE9ペダルのような奏法を駆使して一世を風靡しました。
もし僕なら8弦にDかCを張るのにと思って「なぜ8弦にしないんですか?」と聞いたら「わしにはその必要がない。7弦で充分だ」とおっしゃっていました。もし僕が特注で作ったら D B E C A G F E D Bb かこの長3度上の10弦。下段も10弦 G E C A G E C Bb G C にしていたかも・・・

8弦シングルスチールギターのチューニング色々


 いよいよ8弦の話になりますが、最初に一番使われているC76、B11、E13について話し、その後で「C系」「E系」「A系」D系」「F系」に分けてお話して行きましょう。  「C系」の大もとはJerry Byrd が1940年に開発した6弦C6(E C A G E C )です。私が1983年初めてホオラウレアに出演した時、6弦スチール2台を縦に並べ、片方はC6、もう一方をE C G E C G のCメジャーチューニングにしているプレイヤーがいました。もしこれを8弦にするならE C G E C G E C かE C G E C G Bb Cにしたらいいでしょう。後の7番線は、6番線より高いけど7thの和音を弾く時に便利です。こういった変則チューニングは1953年のロイ・スメックの教則本にも掲載されていました。それでは「C系」からいきましょう。 (8弦C6=Am7/C76(C13)/HighG C6/High G C76(High G C13/Cmaj7add6)  1950年頃から?日本でもテイスコ、グヤなどで8弦を制作しはじめ、バッキ−さん、大橋節夫さん、やソル・フ−ピ−、マッキンタイヤ−兄弟、ハル・アロマなどを追い掛けていた人たちは、6弦のまま頑張っていましたが、前述のC6(当時はAm7と言っていた)を弾いていた人はSomething Newを求めて8弦に飛びつきました。  私も高校1年の昭和24年にカントリー(当時はウェスタンといっていた)を弾くためにGトップのAm7にしましたが、ハワイアンの人はほとんど6弦C6の下にAとGを張ったE C A G E C A G の8弦にしていたようです。またそのころはギターの6番E線より太い#068という弦がなかったことも重低音のCが張れなかった理由の一つになるでしょう。  そのころWVTR(関東地方に流れていた進駐軍放送、のちのFEN)から毎週土曜の夜たしか7時半から「HAWAII CALLS SHOW」で、8時の時報と同時に「ハ〜イヒ〜!!」という女性の叫び声で始まる「グランドオールオープリ」(でよかったですか?)この1時間が、まさに「近代スチールギター奏法大辞典」をひもどいて猛勉強する大事な大事な時間でした。それこそ5球スーパー(ラジオ)のスピーカーに耳をおし当てて毎週聞いていました。カントリーは前述のようにラドミソ、ミソシレ、レミソと言う和音とグチャグチャにつまった9th系のクラスタ−(密集和音)が気になりましたが、HAWAII CALLS のJulesAh See のきれいなSlow HULAのヴァンプや速めのC調の曲のエンディングにシビれ、早速分析した結果今のC76、E C A G E C Bb C だったのです。ちなみにこのC76と言う名前は、私が1983年に書いた「Modern Steel Guitar Method」(リズムエコ−ズ)の執筆中にネーミングしたものです。  ハワイや本土ではC6とかC13と言っていますが、7bがあるし、13と言うけど9thが無い、と言うことで、ドミソラレのコードネームを□69と言う前例にならってドシbドミソラドミだからC76としたわけです。 (C13 Tuning, High G C13 Tuning) このC76 Tuning の6弦Cを9thのDにあげるとC13(High G の場合は7弦)Eから上の4〜5本はC6と同じで、下の方で7thコードを和音で弾くと重厚な響きがします。 ペダル12弦ユニバーサルを弾いているHo'okipa (ホオキパ)の社長橋爪樫男さんがハワイアンの時は8弦ダブルの手前をこれに、マウイ島のHenry Allenは、上がE C# B G# F# D B EのE13、手前がG E C A G E D BbのHigh G C13 でペダルスチールのような和音奏法で弾きまくっています。数回彼のライブでピアノやスチールで競演しましたが、ちょっと弾き過ぎのきらいはありますが、このダブルネックでヘンリー独特のスタイルをあみ出しています。 (C6maj7またはCmaj7 add 6 Tuning)  そんな中で、曲の合間やエンディングに流れるドミソシラミ、SANDやHI'ILAWEでも聞かれるmj7。これも分析の結果C6maj7またはCmaj7add6とでも言うかE B A G E C G Cというチューニングも発見しました。これは主に複数ネックのスチールの手前ネックC76の2弦CをBに、7弦BbをGに下げて作ります。Hawaii Calls の楽器演奏でJules Ah Seeが弾いたSANDやHI'ILAWEはB11とこのCmaj7 add 6 Tuningのダブルネックを使っています。   (D Top C76 Tuning)  カントリーの10弦C6ネックは当初開放弦がG E C A G E C A F C でしたが、大御所のバディー・エモンズがE9チューニングのリックをC6でも弾きやすくしたり、ミーレード〜シーと係留音を活かす為、またはG線が細くて音に重みが無いと言う理由からか、Dにしましたが、日本でもカントリー系でハワイアンも弾く8弦ラップの人がD E C A G E C Bbで弾いているとのことです。7弦を9thのDにするとバッキングのときに7,5,3 弦 D G Cや、6,4,1 弦 E A D 奈ど4度重ねのジャジーな和音を弾くことが出来ます。 (C6+A7 Tuning)  2005年4月惜しまれつつ85才でこの世を去ったJerry Byardが開発し、愛用していたチューニングで、上からE C A G E C# C Aとなっていて「6弦C6」の項でもふれましたが、5フレットでF6、3フレットの3番線以下7番線をオミット(除く)すれば、きれいなC7が出ます。ジェリーには聞けなかったが、このチューニングはおそらくバディー・エモンズ達が必死になって考えたナッシュビル・セットアップのC6の8番ペダル(10弦CガAに下がり9弦FがEに下がり8弦CガC#になり3弦Cが変わらないのでA7#9となる。このC6+A7の6,4,2弦がC76の7,5,3弦と同じ音程間隔で3フレットのE13と、同じになる。1980年の初めの頃、このチューニングで何でC76の7,5,3番線の和音が出るのか不思議でしのた。  ’83年初めてハワイのホオラウレアに出演した時に、26才だったアラン・アカカがジェリーのアレンジでこのチューニングのThe Moon of Manakoora を弾いたので、早速コピーしてみました。ところがこの曲はC76野7,5,2弦、7,5,3弦7,5,4弦の和音が沢山出てくるので、私なりにアレンジして(C76+A7)E C A G E C# Bb Aというチューニングを編み出しました。この対比は私の通信講座の上級28巻で取り上げました。 (まだまだ続く、チューニングに興味のある方はお楽しみにお待ち下さい)



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Oct, 17, 2005 更新