一番大きな違いは”ノリ”です。スコット・ジョップリンのラグタイムの頃は8分音符を全然跳ねずにたんたんとタカタカタカタカと弾いていました。 デキシーランドジャズになって初めて、今のジャズのように8分音符が2個あったり付点分音符と16分音符が書いてあっても1拍3連符の2個と1個の長さにして弾くようになりました。これがクラシックを長くやっていた人にはなかなか理解できず、苦労する所です。クラシックの人は譜面に忠実に8分音符2つだとイーブンに同じ長さで弾き、付点が着くと約束通り8分音符+その半分の16分音符が長い方で、短い方はきちっと16分音符を弾くので、タンタ、タンタがタンンタ、タンンタに鳴りユーモレスクの”ノリ”になってしまいます。やっと分ったかなと思って安心して聞いていると、突然もとのタカタカに戻ったり、跳ねすぎてしまったりします。なんといっても一番大変なのは2拍3連符です。2割る3は割り切れません。勿論1拍3連符も3,3333で割り切れませんが、これはタタタ3つが1拍と云う事にすれば解決します。つまり、『タタタ|タタタ|タタタ|タタタ|の4拍を|タアタ|アタア|タアタ|アタア|と1拍3連符の2個づつをタイで結べば解決します。2ビート、4ビートの曲は必ず跳ねると思って下さい、だけど8ビート、16ビート、ラテン、ボサノヴァは跳ねません。そして冷たいようですが、2拍3連符がクリアーできなければジャズもポピュラーも弾けません。1950年代クールジャズで一世風靡した盲目のピアニスト、ジョージ・シャーリングのCDを探して朝晩膝を叩いてテンポを取りながら聞きなさいとみんなに奨めています。
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