邦題 イングリッシュマン・イン・ニューヨーク
監督 パット・オコーナー
脚本 ウィリアム・ボイド
出演 ダニエル・ディ-ルイス
ハリー・ディーン・スタントン
マーサ・プリントン
ジョアン・キューザック



イギリス人シンガー、スティングが歌う「Englishman in New York」が流れいかにも英国人というダニエル・ディ=ルイスが登場する。仕事の同僚に「ハロー」なんて他人行儀な挨拶をするのを許さない米国人には、英国人は同じ言葉をしゃべるエイリアンなのか?


NYの画商に勤めるヘンダ-ソン・ドースは会社のオーナーの娘と婚約している。
入社間もないドースはオーナーに大きな仕事を任される。長い間行方不明だった
ルノアールの名画を売りたいという男のところへ行き絵を引きとってこいと言うのだ。
その上、オーナー命令で彼の孫娘を一緒に連れて行く羽目になる。

絵を所有する男とその家族は南部の人里はなれた田舎に住む変人一家。
絵を売りたい主人は彼を歓迎するが、その男の長男は他の画商に売る約束を
とりつけていたため、ドースを脅して出て行けと言う。
その間に婚約者がいるのにドースは一目ぼれした美女と旅先でデートをたくらむが、手違いから婚約者と彼女がかち合い、婚約者は追い返すが美女にもふられてしまう。そうしているうちに絵の所有者の父親は急死してしまい、大切なルノアールも大変なことになる。絵も職も恋も失い、失意のドースを待っていたのは、絵を横取りしようとする画商たちだった。彼らはドースが絵を持ち逃げしたと思い追ってきたのである。服を取り上げられ監禁されたドースは、彼らの居ない隙に丸裸で脱出し、素肌にダンボールを巻いた格好で街の中を走って逃げる。ダニエル・ディ=ルイスにはめずらしいドタバタ・コメディだが、アメリカに上手くマッチできない英国人の悲哀をおかしさと紙一重の演技で演じている。