K-1 GLADIATORS 2001

日 程   3月17日(土)2001年
場 所   横浜アリーナ
開 始   16:00(開場14:30)
来場者数   16,800人

第1試合/3分5ラウンド
シリル・アビディ 判定
2-1
グレート草津 ×
フランス/チーム・ロメアス 日本/チーム・アンディ

「あびでー」
  両者ともスタスタと入場し、淡々としている。  お互いにKのリングに 慣れてきているようだ。

  1R、攻めるアビディと守る草津。  草津本人が言う通り、 きっちりとピーカブースタイルを貫き通し、いくつかいいボディーを もらうも、キッチリと返していく。

  2Rもアビディが攻めていくが、コーナー際でアビディがスリップしたのを 草津が見逃さず、ラッシュをかけあわや番狂わせかと思わせるほどに追い詰める一幕も。

  3R以降、常にアビディが先手をとるも、草津はよく守っている。 アビディは焦りからか、パンチからのハイキックばかりの単調な攻めになり、 草津のバックハンドブローがスパスパ入っていた。

  4RからはもうKO決着はなさそうな雰囲気に...会場の野次も増える。

  結局判定に持ち込まれるが、きっとアグレッシブさでアビディだろう、、、

 「判定の結果をお伝え致します。ジャッジ島三雄、50−48、 シリル・アビディ」   まあそんなトコロかな、、、K   「ジャッジ大森敏範、50−49、 グレート草津」   おおっっ?!Σ(・ω・;)   判定が割れたぞ!!  周囲からは一部ブーイングも。   やはりあれだけ フィリオみたいに ガチガチに守っていちゃあ、善戦してもポイントあげたくないよね?(^。^)    後でビデオで見たらこのコールの時、 草津本人もちょっと驚いていたくらいだし(笑)    そして判定の行方は、、、
  「ジャッジ黒住辰哉、50−47、 シリル・アビディ
  やっぱりネ!J   しかし、この判定の差は一体なんなんだ〜(`。´)

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  この勝負はアビディが地力の差で草津を下したが、 アビディの問題点がハッキリと表面化した試合でもあった。   その問題点とは、、、
 試合を見た方にとっては一目瞭然だが、それは アビディの攻めが単調であると いう事にある。   今まで倒した強豪のアーツやセフォーは、いずれも 自分から積極的に攻めてくるファイターであった。   しかし今回の草津戦で、 ガードの堅い相手を崩すテクニックに乏しいというの露呈してしまった。   もちろん、アビディの長所の一つに「なりふり構わない攻撃」が挙げられるのは 言うまでも無く、その長所を消す必要は無い。  今までの闘いを見る限り、 ハイキックと膝蹴りは、充分に及第点を与える事ができる。   草津戦で殆ど使われなかったローキックを、今後より効果的に使えるように なれば(威力+上下の打ち分け)、取りこぼしもなくなるだろう。

  一方この試合で敗れはしたが、 草津は成長著しい。   顔面をしっかりとガードし、ボディーをもらっても屈しない。  アビディの強烈な攻撃も冷静にしのいで、反撃を忘れない。  隙があればラッシュをかける。   バックハンドブロー以外に 有効な一撃が無いというのは今後の大きな課題であるが、予想以上の大健闘を演じた 草津は、今後の注目株 と言えよう。


第2試合/3分5ラウンド
グラウベ・フェイトーザ 2R 57" KO
左ハイキック
中迫 剛 ×
ブラジル/極真会館(ブラジル支部) 日本/正道会館

「闘志ムンムンのグラウベ」
  青コーナーから入場の中迫には「ツヨシ〜〜〜 という黄色い声援が 送られ、それに呼応するように 「ぐらうべ〜」 と、野太い声が応酬する。(笑)   まさに中迫 vs アンチ中迫の 熱い声援合戦が繰り広げられる(~。~;)

   1R、意外にも(?)中迫が積極的にパンチを繰り出す。    まるで 随分前に JAPAN トーナメントで 準優勝した時を彷彿させるような 勢いだ!  グラウベはガードが以前よりも固くなっているが、 やはりまだディフェンス技術は発展途上のようだ。   と思った瞬間、 左ストレートを出す中迫の顔面を、グラウベの 左ストレートがカウンターでヒット!    中迫はぐらつくも、一回転して (笑)ごまかす。   その後、グラウベのハイキックに場内が沸くも、中迫も ハイキックで応酬する。  奇しくも 極真 vs 正道の空手家対決 が お互いを熱くさせているようだ。

   2R、中迫は多少のダメージは気にせずに積極的にパンチを繰り出す。    だてに金髪をしてないね! (⌒▽⌒)  と思った矢先、 グラウベの左ハイキックが中迫のテンプルを捕らえ、 この大会最初のダウン!    カウント7で立つも足元がフラフラでとても続行はできそうにない。    必死にファイティングポーズをとる中迫に、無常のゴングが鳴り響く。    中迫のメッキが剥がれた瞬間だった。。。   え?もうとっくに剥がれてるって?(^^;)

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   グラウベはようやく日本でのK-1初勝利を挙げる事が出来た。   まだまだパンチに対する攻防は未熟だが、中迫戦で見せた ブラジリアンキックはK-1のリングでも充分に通用する事を証明してみせた。   今後の更なる飛躍を予感させる試合だった。

   対する中迫は、崖っぷち対決で敗れてしまい、 本当に崖っぷちに追い込まれてしまった(^_^;)   だが、守りよりも攻めるという姿勢が今までになく感じられ、 今後は草津のかわりに第1試合に組んでもらえる かもしれない( ̄ー ̄)ニヤリ   後ろの席では「今日はローブローを言い訳にするのかな?」なんて言ってる 人もいたけど、会場はかなりウケていた...   なんてブラックな(⌒。⌒;)


第3試合/3分5ラウンド
× ステファン・レコ 2R 2'19" KO
右フック
ユルゲン・クルト
ドイツ/マスターズジム スウェーデン/VBキャンプ

「この後、レコの歯が、、、」
   実はこの試合、クマが 一番注目している試合 なのだ( ̄ω ̄)ムフッ   中堅クラスのレコと、去年日本に初上陸のクルト。   昨年のクルトはベルナルドに1Rで倒されてしまったが、その堂々たる ファイティングポーズには 王者の風貌 さえ感じられた (多分、、、)   海外予選トーナメントでもKO勝ちを連発したクルトが、判定の増えた K-1に新しい風を吹かせるかどうかは、この試合の結果如何なのだ┗(`_´)┛

   1R、ややレコペースで試合が運ぶ。    やはり、K-1暦の長いレコに一日の長があるのか。    ローキックとコンビネーションでクルトの出鼻を挫く。

   2R、やはりレコの間合いでの攻防が続く。    圧され気味のクルトだが、フットワークを使わず打たれても 前に出ていく様はまるで ラモン・デッガーみたい だゾ!(笑)    そんな妄想を膨らませている時に、 クルトの右ストレート(フック?)がレコの顎を捕らえる!    レコはスグに立ち上がって効いていない事をアピール。    目もしっかりとしているので、まだまだやれそうだ。    しかし、クルトのパンチはストレートともフックともつかない 微妙に手前で変化するけど、威力は落ちないのかな?    と考えている間に、ラッシュをかけた クルト の微妙な右が レコのテンプルにヒット!!    2度目のダウンを喫するもレコは再びすぐに立ち上がる。    やはり見た目以上にクルトのパンチには攻撃力がるのか、、、    そしてとどめの カウンターがレコの顔面を直撃!!!
   3度目のダウンを奪い、クルトが鮮烈な日本初勝利を飾った。

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   ズバリ!予想通りクルトの強烈なKO劇で勝負が決まったこの試合、 クルトの潜在能力の高さ を証明する結果となった。    現時点での戦闘能力は、まだセフォーやミルコに及ばないだろう。    だが強力なパンチと、なによりキックボクサーらしい多彩かつ 強力なキックを兼ね備えており、従来の打たれ強さに加えて 今回露呈したローキックへの弱さを克服すれば、 クルトは充分にトップファイター入りを狙える 選手である と言えよう。    今年のオランダ大会では準優勝に甘んじたが、石井館長の推薦枠で 再び日本に上陸してくれるに違いない。

   最近スッキリしない試合の多いレコは、まず 去年の七夕の時のアーツみたいに たるんだお腹を引き締めて、ついでに気持ちも引き締めて 練習に励んで欲しい。   会場では 『欧州の中迫』 という声も聞こえてたゾ!


第4試合/3分5ラウンド
レイ・セフォー 1R 1'56" KO
右フック
マイケル・マクドナルド ×
ニュージーランド/APボクシングジム カナダ/チーム・ドラゴン

「超高速バトル!」
   マクドナルドは今日もあのトランクスを 履いての入場。   会場からは 「セクハラパンツ〜〜〜!」という野次が飛ぶのもご愛嬌(~▽~;)    対するセフォーはいつもの通り、とっても ダンサブル な入場(笑)    リングに上がってからも、ノリノリのダンスで観客を沸かせる。    思わず 「そんなに踊ってたらスタミナを消費してしまうのでは?」 などと邪推してしまう程のサービスぶりだ。

   1R、速い、、、 とにかく 速い!w(@o@;)w
   マクドナルドが アーネスト・ホーストばりのコンビネーション を見せれば、セフォーもワンツーからのミドルキックを繰り出す。    目にも止まらぬ高速バトルが展開、、、、、する間もなく(笑) セフォーの右ストレートがマクドナルドの顔面を捉える!    ブーメランフックで追い討ちをかけ、マクドナルドはダウン!    なんとか立ち上がるが、ダメージは大きそう。。。    このラウンドをしのぎたいマクドナルドだが、セフォーは手を休めない。    左フックで動きが止まったマクドナルドに、 再びセフォーのブーメランフック が襲い掛かり、マクドナルド撃沈!!   戦意喪失のマクドナルドにテンカウントが鳴り響く、、、
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   この試合、 マクドナルドもよく健闘した。    ダウンを奪われても、ガード一辺倒にならず、それどころか 積極的にコンビネーションを繰り出しローキックで間合いを取るなど、 去年セフォーに ボッコボコにされて、 捨て台詞を吐いた上に、最近あまり見かけなくなった どこかの日本人ファイターにも 是非見習って欲しい老獪なファイトを見せてくれた。    熊本に行ったら、ホースト戦の前に マクドナルドのグローブの垢を煎じて飲ませるとしよう、、、(´▽`)_旦''

   そして、やっぱり セフォーは強い!   去年リザーバーとしてGP決勝に進出するなど、大活躍をみせた セフォーだが、正直、運と対戦相手に恵まれた部分もあると思っていた。    しかし今日、間近で観戦して セフォーの実力は紛れも無く本物である という事がハッキリと伝わってきた。    随分と長い間、 中堅クラスに留まってきた彼だが、 今年は間違いなくグランプリを 狙える位置まできていると言っても過言ではないだろう。


第5試合/3分5ラウンド
ニコラス・ペタス 3R 1'39" KO
右ローキック
ピーター・ヴァルガ ×
デンマーク/極真会館(松井派) ハンガリー

「島田レフェリーも万歳!」
   会場はペタスコール一色。   そりゃあ、ヴァルガはどこかの 日本人ファイターの代役の代役だもんネ(^_^;)    パンフ(\2,000)には「今年のオランダ大会でクルトに善戦した選手」 と紹介されてました。    そういえば、オフィシャルサイトでは「流派/ 柔道」って書いてあったな、、、    え?? じゅうどう?!   K-1って投げ技ありだっけ(?_?)
「ありました(笑)」

あび vs あーつ
    ペタスは実績の 割に非常に人気が高い。    極真会館に所属しているという事と、 バンナ戦で(色々な意味で)印象に 残ったからであろう。   入場の時の怪しい曲が観客の失笑を誘う(~_~;)

   1R、パンチはヴァルガ、キックはペタスという展開に。    ヴァルガは99年のカンフー世界チャンピオンなので、 カンフーっぽい闘いをするのかと思いきや、ペタスよりも ずっとキックボクサーっぽい(笑)

   2R、ローキックの弱いヴァルガに、ペタスが 下段回し蹴りを効果的に使っていく。    だが、まだまだ顔面へのガードが甘いペタスは簡単に攻め込まれ、 ぐらつくシーンも見られ、むしろこのラウンドまでのポイントはヴァルガが 20-18でとっているくらいだ。    にしても、会場はペタスコールばっかり(・。・)    ここは一つ、ヴァルガコールを、、、    と、隣の友人に相談したが、却下された(笑)  ゴメンね、 ヴァルガ!   だって16,799人を敵に回したくないモン!σ(~。~;)

   3R、そんなクマの心を知ってか知らいでか(←しらねーよ!) ペタスのローキックにヴァルガが露骨に嫌がる素振りを見せる。   ラウンド中にいちいち ケンケンをしたり、下を向いて足の具合を 確認したり するキックボクサーなんていないゾ!  ミルコだってそこまで露骨じゃなかったぞ!(爆)    それを目ざとく見つけた(誰でも気づくか^^;)ペタスは どどどどどーっと走り出し 、ラッシュをかける!    これには会場大ウケ!    内田有紀大喜び?!    この後、ローに狙いを定めたペタスが着実に当てにいき、 ヴァルガの足を粉砕した。

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   この試合で恐らくペタスの人気は更に高まるだろう。    しかし! である。    観戦に来ていた方はわかるであろうが、1Rからペースを握っていたのは ヴァルガの方だった。   これはペタスが パンチの攻防が未だに進歩していない 事を証明している。   ヴァルガがローに弱いという弱点さえなければ ペタスはこの試合に勝てなかったのではないか。   そう思わせるような 試合内容だった。   にもかかわらず代役の代役から拾った勝利に ガッツポーズをして 会心の笑みを浮かべていたペタス は正直、彼の 器の小ささ を曝け出しているようにしか見えなかった。。。       戦う警備員ヴァルガに幸あれ。


第6試合/3分5ラウンド
× ピーター・アーツ 5R JUDGE
2-0
ミルコ・クロコップ
オランダ/メジロジム クロアチア/クロ・コップスクワッドジム

「影が薄くてゴメンなさい」
   約20分の休憩を挟んでのセミファイナル。    ここにきて急に会場の人数が 増えたような気がするぞ!(笑)    なんて冗談を言っていたら、開場からずっと空いてた右前の席に カップル達がやってきた。   おいおい、本当に 増えてるよ!(~▽~;)    それだけこのダブルメインイベントが注目されてるって事だね♪     前の5試合の間、ナニやってたんだ〜凸(`へ´)    選手入場の時、ミルコへの声援は思いのほか少ない。   せっかく 前日の記者会見で、警察官の コスプレ 制服で登場 した甲斐もない、、、( ̄m ̄*)プッ    などと邪推してたら、アーツの入場の時に物凄い声援が!   最近、腰を痛めてから 影が薄くなっていた と思ったけど、やっぱり アーツ人気 は凄いネ!

   1R、互いに鋭い攻撃の応酬。 それぞれが単発であるが、打ち合うたびに 火花 が散るようだ。    会場もミルコとアーツの一挙手一投足に悲鳴ともつかぬ声があがる。                  (クマジャッジ10-10)

   2R、ミルコの左ハイキックがアーツのガード越しに頭部を襲う!    怯んだアーツにミルコの左ストレートが何発も当たり、押し込まれる。    アーツ危うし!    得意の膝があるアーツは、首相撲を多用してでこのラウンドをしのぐが、 かなり効いている。         (10-9でミルコ)

   3R、ローキックにスリップしたミルコの顔面を、アーツは 更に蹴ろうとするが、踏みとどまる。    まだまだアーツは冷静を保っているようだ。    そしてまたミルコの左ハイキックがアーツのガードを弾き飛ばす!    しかし今度は上手くクリンチでいなす。          (ミルコ優勢ながら10-10)

   4R、ここまで優位にたっていたミルコの手数が極端に減る。    そしてクリンチを多用するといういつもの悪い癖が、、、    アーツの膝蹴りが効いてきている!    しかし今日のアーツはボディや後頭部への 両手パンチが多いけど、 これって効くのかな(?_?)     (アーツ優勢ながら10-10)

   5R、このラウンド3回目のクリンチに対し、 ミルコに注意1、5回目のクリンチに 対し、警告1が与えられる。    4Rに消極的なファイトをした事が角田レフェリーに悪印象を与えたようだ。    結局、このラウンドだけで15回もの クリンチ がなされるという地味な試合になってしまった(−。−;)    しかし、会場のアーツムードに圧されてその時はクマも気付かなかったが、 後で冷静にVTRを見るとこのクリンチの 大半は「アーツが 膝蹴り狙いで行ったもの」である事が判明した。    その事をクマを含め会場の殆どの観衆がわかっていなかったは、 この後の判定の結果に対する反応で見て取れる。                    (10-9でアーツ)

   「ジャッジ田畑靖男 49-49 ドロー」    ふ〜む、まあそういう判定もありかな K    「ジャッジ大森敏範 50-48 ミルコ・クロコップ」    ええ?  テレビでは聞こえなかったが、会場はかなりのブーイング。    会場では4R、5Rと逃げに転じたミルコに分があるようには見えなかったのだ。    そして、、、    「ジャッジ中川敬介 50-48 ミルコ・クロコップ」    不完全燃焼の試合はミルコに軍配が上がることになった。       (VTRを見直した後でのクマジャッジは 49-49 でドロー)

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   この試合で一部マスコミは「ミルコ世代交代達成!」と報道したが、 会場でご覧になった方はそれが間違いである事はすぐにおわかりであろう。
   この試合は『前半はミルコ、 後半はアーツ』 なのは誰の目にも明らかである。    では、その詳細はどう判断すべきか。
   5R通してアーツに決定打は 一つも無かった。    これはミルコを支持したジャッジが、減点をしていない所から伺える。    それに比べてミルコは確実に 2Rをとっている。    そして3Rはミルコ優勢であったので、2R・3Rをミルコがとったという事で 50-48というジャッジをしたのはほぼ間違いない。
   BUT!    これでは、まるで『先にポイントを 稼いだら、後はクリンチでしのげばOK!』と 言う事を公に認めているようなものではないか!!(`0´)
   従って、5Rに警告を受けても積極的な試合を行わなかったミルコに 減点を加えて49-49としたのが田畑ジャッジの判断なのであろう。
   田畑さんは、レフェリーとしては ヘッポコだと思ってたけど、ジャッジとしてはスバラシイ人だね、アンタ! ┗( ̄▽ ̄)┛   
   ミルコは、彼のいつもの悪い癖を直さない限り、 今年もグランプリを制する事はできないであろう。    そして今日も膝以外の蹴りを殆ど使わなかったアーツ、 やはり体調が戻っていないのは間違いない。       アーツのいないK-1は寂しいが、ここはジックリと休養して 完全復活を期待したいトコロだ。   (でも来月も試合組まれてるしな、、、^_^;)


第7試合/3分5ラウンド
ジェロム・レ・バンナ NO CONTEST
(ゴング後の攻撃)
マイク・ベルナルド
フランス/ボーアボエル&トサジム 南アフリカ/スティーブジム

「仲直りがてらに、、、コツン!」
   ミルコ vs アーツ戦が不完全燃焼に終わっただけに、 この豪腕対決に臨む会場のボルテージも最高潮に達している。    そして、ベルちゃんが入場、、、    オペラグラスを通して見るベルちゃんの表情はまるで デビルマン のようだ(~。~;)    それくらい凄い気合が入っている。   これは期待大だネ!    そしてバンナの入場、、、    凄い!    広い横浜アリーナがバンナの オーラで覆い尽くされているようだ!!   恒例のエクスカリバーもいつも以上に眩さをましているように見える。   ベルちゃんされるかも?! (ノ;゜0゜)ノのおおお おおおおお    そういえば今回のバンナの入場時に彼に 触ろうとする人は殆どいない、、、    いや、生保に入ってなかったので 触れなかったと いうのが正しいだろう。

   1R、手負い(足負い?)のバンナが自分からローキックを出す。    もしかしたら、俺のケガに構うな!(`ш´)と いう意志表示なのか。    その後、バンナが終始プレッシャーをかける。    ベルナルドはよく見ているが、バンナのパンチが何度も ベルナルドのガードを弾き上げる!!    パンチで追い込むバンナに会場はバンナコールが沸き上がるが、 オペラグラスから見えるマイクの目は、冷静にその軌道を追っている。    狙っている。。。    明らかにベルナルドは 狙っている!!    そんなクマの分析談を掻き消すような物凄い声援の中、 バンナの左ストレートを掻い潜ったベルナルドが、 左フック→右ショートアッパー→左フックのコンビネーションが モロに決まる!    これを貰ってしまったバンナは完全に動きが止る。    すかさず猛ラッシュをかけるベルナルドの前 に、猪狩レフェリー とバンナは崩れ落ちた、、、

   勝利を確信したベルナルドは一旦コーナーに登るが、 リング内での異変に振り向く。    そう、あまりの歓声に ゴングの音が掻き消されてしまったのだ!!
   悔しがるベルナルドはマウスピースを 叩きつけ、そして今度は反対側のコーナーに 駆け上がり、雄叫びを上げる!    静寂が訪れた横浜アリーナが再び熱気を取り戻し、 ベルナルドの咆哮に応えるように 一斉にスタンディング オベーションが行われる!

   その後、角田ルールディレクターから「只今のダウンは3分の 試合時間のゴングが終了後のダウンですので、ダウンは認めません」 とのアナウンスがあり、3分間のインターバルがバンナに与えられる。

   しかし、インターバル中のバンナを観察していると、グローブの 紐を解いている!  気付きだした観客がどよめく中、リングに タオルが投げ込まれる、、、    これによりベルナルドのTKO勝ち がアナウンスされた。

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   一度はベルナルド勝利で幕を閉じたこの試合、 だがご存知の通り、これで終わった訳ではなかった。    試合後、猛抗議に出たバンナ陣営に対し、 K-1事務局は「裁定預かり」とし、 VTR検証の結果、
  @ レフェリーの耳にもゴングの音は入らなかった
  A ゴング後のベルナルドの攻撃は故意でない
  B バンナは10秒以上ダウンしており続行不能状態だった
  C 「試合続行」と判断したリングドクターはミスジャッジ
  D K-1オフィシャルルール第5条5項(C)及び第12条3項(1)を適用 し、試合不成立に よるノーコンテスト(無効試合)とした。

   この裁定に関しては、違和感を覚える方も多いだろう。    勝負では間違いなくベルナルドの 勝利だからだ。    だが、K-1はプロレスではない。    ゴールデンタイムに全国放送されるスポーツである。    だからこそルールは尊重されなければならない。    PRIDEだって名勝負を ノーコンテストにするご時世である。    今まで一度も判定の覆る事の無かったK-1事務局が、前例の無い 裁定を下した勇気はむしろ評価に値すると言える。

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   さてこの無効試合に関しての更なるウンチクは他のサイトに委ねるとしよう。    そして両雄の健闘を称えるとしよう。
   まずは勝者からだが、ベルナルド の強さは本物 だ。    「バンナにわざと打たせた」と言うのも、この試合を見れば納得できる。    左スネを負傷したバンナが短期決戦で来ると踏んだ上での冷静な作戦、 そしてそれを実行できるディフェンスの 上手さは、バンナのそれを遥かに凌駕している。    打倒ホーストの 最右翼はベルナルド と言ってほぼ間違いないだろう。

   そして、バンナ。    敗れはしたが、何度もあのベルナルドのガードを弾き飛ばす パンチをみせてくれた。    これは今のK-1で、 最もパンチ力のあるのはバンナ を証明しているにほかならない。    今回は左足からの蹴りを封印して試合に臨まねばならなかったが、 もし万全の体調でリングに上がっていたのならば、 バンナのパンチに集中してガードを高めに構えていたベルナルドのボディーは、 彼のミドルキックの恰好の的に なっていたのではないか―――   そう考えるだけの期待を、バンナは抱かせてくれた。

  僅か1Rでノーコンテストになってしまったこの試合、 だがもっとも会場を沸かせたのも この試合であったというのもまた事実。   ますますこの二人は目が離せない。   GLADIATORS万歳!\(⌒▽⌒)/


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