TAKE ONE


第10試合/泰国ラジャダムナンスタジアム・ウェルター級タイトルマッチ/3分5ラウンド         ※画像をクリックすると拡大できます
× 武田 幸三 3R 終了時
TKO
チャーンビット・ギャットトーボーウボン
日本/治政館 タイ・ウボンラチャタニ県

王者登場
 お待たせしました、本日のメインイベント!
 唯一の日本人ムエタイ王者となってしまった武田選手、その牙城を守れるか?!
 さらにこの防衛をクリアすれば、史上初の外国人初防衛達成 という偉業を成し遂げることとなる。
 満員のディファ有明は、異様な熱気に包まれた―――――



 <Round.1>

泰からの刺客 見参

 グローブを合わせてからしばらくは、お互い小手調べが続く。
 パンチとローを主体に攻める王者に対し、挑戦者は鋭いミドルとハイで応戦する。
 それにしてもこの挑戦者、蹴りのキレが凄い!
 以前はライト級に属していたということで、下馬評は低かった挑戦者だが、 ウェルター級にうつってからは7戦して 5勝4KOと 猛威を振るっていることからもかなりの難敵と予想される。

初防衛の道もローキックから



 <Round.2>
 2Rもお互いの基本に忠実な攻めを見せる。
 試合そのものは武田がリードしているが、 やはりムエタイ式のポイントの取り方では相手の方に部がある ようみ見受けられる。
 王者としては、ダウンの一つでも奪っておきたいところ。
 そんな中、挑戦者のスーッと伸びる左ハイが王者の顔をかすめる!

やっぱムエタイはミドルでしょ

 反撃しようとして王者が出した不用意なパンチに、 カウンターの左ストレートが直撃!
 先にダウンを奪われた方は、奇しくも王者の方だった。。。

 このダウンで足元はフラついた様子は無かったが、 カウント9でもレフェリーに背を向けていた ことからも、そのダメージの大きさは 決して小さなものではなさそうだ。

 その後やや下がり気味になる王者だが、挑戦者も無理をせずにミドルキックで 相手のダメージの深さを探る。

この左ストレートでダウン!

 だがそのお陰で、王者のダメージは回復。
 積極的に前に出るシーンが何度も見られ、次のラウンド以降の立て直しに期待がかかる。



 <Round.3>
 既に判定では勝利の遠くなってしまった王者。
 徹底したKO狙いでラッシュをかける。
 しかし、挑戦者もまったくひかない!

サクッ

 そして王者のパンチの連打の隙間をぬって、 左ヒジが王者の顔を切り裂く!
 技自体は地味で、カスった程度に見えたが、眉間より下の部分から ツツーーっ と血がしたたり落ち、 会場からは 女性の悲鳴 も起きる。
 一旦ドクターチェックに入るが、コレが非常に長い時間かかり、 伊原会長や長江館長が駆け寄るものの、中山ドクターが追い払う(^_^;)
 おそらく、傷の具合は試合を続けられる状態ではないのだろう。

かけよる代表者

 しかし辛うじて、試合は再開、、、  したのはいいけれど、 王者の 顔からしたたる鮮血 がマットを赤く染め、もはやコレまで。
 「このラウンドが最後」とばかりに攻める王者からは 焦りと力み ばかりが目に付く。
 そして「このラウンドが最後」と思っていたのは挑戦者も同じ。
 前2ラウンドよりも更に鋭さを増したミドルとハイで王者の思いを跳ね返す。

逆転を信じて、、、


 そして3Rが終了。
 インターバル中、ドクターが再びチェックに入り、、、
 無情にもゴングは響き渡った―――


 この試合は、ヒジのカットによるドクターストップなので、消化不良という見方もある。
 しかし!  内容は 王者の完敗 と 言わざるを得ないものだった。
 キックルールならいざ知らず、やはり「ムエタイに勝利するには KOあるのみ」を体現しないことには、日本人に勝利はないのか。。。
 いずれにしても、日本のエースの再起に我々は期待するしかない。
 

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