押忍っ |
本日のメインディッシュは全日本ミドル級タイトルマッチ!
先に登場したのは挑戦者の清水貴彦。
入場曲に ベートーベンの運命 を
チョイスする辺りからも、闘う事に対する強い想い入れが伝わってくるようだ。
清水は今年の1/4に新田へ挑戦しているが、判定(50-48、50-49、50-48)で敗れている。
しかし、その後は千葉、デイビー、そして久保坂と
3試合連続KO勝利 を記録し、10/12には元MA日本ウェルター級王者の後藤龍治と
引き分けるなど目覚しい活躍を遂げている。
高まる挑戦者への期待が大声援となって清水に送られている今、悲願達成なるか。
産婆っ |
そして王者入場のコール。
BELLINIのSAMBA DE JANEIRO(サンバ・デ・ジャネイロ)が流れてきた途端、
この夜登場した他の21人の選手を遥かに上回る
盛大なコール が会場中に響き渡る!
新田選手ってこんなに人気があったのね(^-^;)
去年 左膝を痛めた新田は、今年の防衛戦で清水を判定で退けるも
眼窩底骨折 を負い、
7/22の復帰戦では 大野崇にKO負け、
10/12興行では 練習中の怪我で欠場 と、
まさに 崖っぷち に立たされている。
試合前に 「負けたらもう終わるぐらいのつもりですね」
と語っていたが、もしもベルトを奪われるような事になれば、本当に現役
引退 に追い込まれかねない。
リベンジに燃える挑戦者 と、
選手生命をかけた王者 との戦い、、、
いや『闘い』が今始まる―――
不覚のスタンディングダウン! |
<Round.1>
試合開始のゴングの後にお互いの左のグローブを合わせた直後、
清水の右ストレートが王者を襲う!
どうやら清水的にあの左は、ワンツーのワンだったようだ(^_^;)
その後も猛然とラッシュをかけられ、新田は防戦一方!
何度もコーナーやロープ際に追い込まれ、あれだけ入場時に新田コールに沸いた
後楽園ホールも、今や 清水コール一色!(´ω`)
そして止まらない清水の猛ラッシュを受け、ついに
開始50秒で新田がスタンディングダウン を取られる!
それでも新田の意識はしっかりしており、距離をとってのミドル、
近づかれたら首相撲と使い分けて、なんとかダメージの回復を図る。
2Rも猛攻を受け王者危うし! |
<Round.2>
ダメージを回復するヒマなどやらないとばかりに、清水が速攻をしかける。
苦しい状況は変わらない新田だが、このラウンドからは中間距離ではローとミドル、
近づけば首相撲という ムエタイスタイルに終始
し、ハヤる挑戦者の気を削ごうとする。
<Round.3>
序盤で飛ばしすぎたせいか、清水の運動量が
落ち 始める。 それと対比するように、新田の右ジャブが清水に決まり始める。
3R、執拗なミドルの連打 |
途中 清水を押し倒した後、さらに
マウントポジションからパンチを打ち下ろして レフェリーから
注意を受ける あたり、王者はすっかり
ガチンコモード に突入しているようだ(^_^;)
<Round.4>
4R、徹底した膝地獄 |
パンチが来ようがミドルが来ようが、構わず突進してパンチを叩き込んできた清水の
動きが更に 雑 になりはじめ、特に
新田のミドルで動きが止まる シーンが目立つようになる。
むしろ 形振り構わないのは新田の方 で、
相手のクリンチには付き合わず、身長差を活かして清水を とっとと
マットへ押し潰し ていく。
見栄えは非常に悪いのだが、これは 両者の 勝利への執念の差
がハッキリと見て取れる展開 でもあった。。。
5R、でんぐり返し |
<Round.5>
幾度となくマットに押し付けられる清水はかなりグロッキーになる。
そら、あれだけ後頭部を何度もぶつけられたらねえ、、、(^_^;)
しかし 構わず 繰り返し首相撲から組み伏せにかかる新田選手に
、ついに清水がキレた!
一声吼え たかと思うと
渾身の右を叩み、
間髪を入れずに1Rのラッシュを彷彿させるような猛攻を仕掛け、
トドメのローキックで ついに新田をマットに這わせる!
しかしこの新田の でんぐり返し は
スリップとみなされ、決定的な差をつけるまでには至らなかった―――
<JUDGEMENT>
各ジャッジの採点が集計されている間、結果発表を待ちきれない両陣営で
盛大なコール合戦繰り広げられる。 興奮は試合が終わっても冷め遣らない。
そして約1年越しとなる両者の対決の結果がアナウンスされた。
「ジャッジ矢島 48-47、
赤・新田 」
このアナウンスに新田はガッツポーズ、そして応援団からも大歓声が沸き起こる!
悪ィけど、譲れねえ |
「ジャッジ鈴木 48-47、、、
ここで王者の勝利を確信したファン達から一瞬歓声が起こるが、
次の瞬間それが 悲鳴 にかわった。
「青・清水 」
この採点結果に、意気消沈していた清水陣営が息を吹き返す!
そして運命を決める最後のアナウンスが告げられた。
防衛ロードはまだ2歩目 |
「ジャッジ石川 48-48、
ドロー 」
辛くも王座防衛成功!
清水選手もダウンを奪うなど あと一歩の所まで王者を追い込んだが、
経験の差、そして
勝利への執念の差 の前に、王者取りを阻まれた格好となった。
この試合は人々の記憶に残るものとなるだろうが、試合後の新田選手のコメントも
この試合を肌で感じた人にとっては忘れられないものとなるだろう。
「言わないでおこうと思ったんですけど、、、
今日は僕の妹の四十九日だったんで。。。
妹のためにがんばりました。
妹のために戦いました。
見ててくれたか? 勝ったぞーーー!!」
そんな新田選手の熱い涙を見てしまうと、「勝ったんじゃなくて
引き分けでしょ?」なんてツッコミは、さすがのクマでも言えません
←ツッコンでるがな(´ω`)
周囲をはばからない新田選手の涙に、観客席からも啜り泣く声がいつまでも、、、
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