微妙な距離の二人 |
今から1年前 (2001年1月21日) の後楽園ホールで、
両選手は一度、拳を交えている。 その時は、菊地を首相撲合戦に持ち込んだ小川が、
ノンタイトルマッチながら判定勝を収めている。
王者サイドとしては、最も挑戦者として招きたくない選手であると同時に、この防衛戦を
クリアすることで、王者としての威厳を高めるチャンスでもある。
小川「君を永遠に離さないよ」 |
そして挑戦者は、前回同様の作戦でくるのか。
それとも、、、
<Round.1>
立ち上がり、菊地はワンツーや前蹴り、サイドキックで小川を突き放す。 しかし、
スっと吸い寄るかのように距離を詰める小川は、難なく得意の首相撲に持ち込む事に成功。
首相撲合戦再び!
この後、ただひたすら首相撲による消耗戦が延々と繰り広げられる。
菊地「束縛されるのはヤっ!」 |
<Round.2>
首相撲合戦が続く中、少しずつ菊地の表情に精彩が無くなり始める。
ポイントに差がつく程ではないが、次第に小川ペースとなりつつある。
<Round.3>
首相撲による 回し合い が続く。
展開が地味なために優劣が見分けにくいが、先手を出していく小川に対し、
菊地は受けに回る事が多くなる。
<Round.4>
中間距離から技を出す菊地だが、首相撲勝負に狙いを定めている小川に
簡単に組み付かれてしまい、現状を打破できない。
小川の 首相撲地獄 が完全に菊地を
翻弄しているといって良いだろう。
菊地「もう付き纏わないで!」 |
<Round.5>
吸い付くように首相撲に引きずり込む小川に対し、ナンとか組み付いていくのがやっとの菊地。
何度か見られた菊地が小川を押し倒す姿、それは
首相撲対決の優劣がハッキリとついた象徴的なシーン でもあった。
<JUDGEMENT>
試合終了後、納得の試合運びに ガッツポーズを
取り会場の声援に応える挑戦者と、うな垂れてコーナーに戻る王者。
そして採点の結果がアナウンスされた。
「ジャッジ大塚、50−50、
ドロー」
何をか語らん、この表情 |
予期せぬ採点結果が告げられたためだろうか、会場からは
「え〜〜〜〜」 という不満の声が一斉に沸き起こった。
「ジャッジ稲田、50−48、
青コーナー・小川」
先程の採点結果の発表の時とはうって変わって、
観客大喜び!
「ジャッジ島田、50−50、
ドロー」
この判定結果に、 場内大ブーイング!!
文句も言わずにリングを去る小川には惜しみない拍手が送られ、
ドロー防衛の菊地にはリングアナが要請しても、まばらな拍手が起きるだけ。
別に菊地チャンプが悪者って訳じゃないのにね。。。
その光景は、まるで試合の顛末を物語っているかのようだった―――
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