=K-1にタイソンは必要か=
今時、なぜか各方面からタイソンの話が持ち上がる。
一説によると、ヒクソン・グレイシーが長男のホクソンさんの
死によって当面の話題性がなくなったため、タイソンを引っ張り出してきた
のだという。
PRIDEや
コロシアム はそれでいい。
事実、ムハメド・アリも猪木戦を受け入れた事もあるのだから。
だが、賢明なるK-1ファンの意見は真っ二つに割れている。
「K-1にタイソンは必要なの?」と。
勿論、この議論はいくつかの前提によって成り立っている。
@ タイソンがK-1に参戦する
A タイソンのファイトマネーに100億円(3年15試合)
まず@の前提であるが、そもそもこの
『タイソンがK-1に
来る』という前提自体が危うい。
K-1プロデューサーである石井館長は
「タイソンはK-1のゲームにハマっている」から
と自信ありげだが、それなら
『タイソンがサッカーゲームにハマっていたら J1に来るのか?』と
突っ込みたくなる(笑)
だが、今回は大目に見るとしよう。
そうしないと話が進まない(苦笑)
それより@の前提で問題となるのが
『K-1ルールでやる』のか、それとも
『ボクシングルールでやる』のかという点である。
K-1において、これまでボクシングルールで試合が行われた事はある。
この件に関して、確かに批判も多い。
だが、
異種格闘技の祭典であるK-1の舞台で特別イベントが催されるのもたまにはよい
のではないだろうか。
何よりも問題なのは、タイソンが
K-1ルールで参戦を果たした時
である。 (そんなケースはあり得ない!という意見は割愛)
タイソンはボクサーである。
彼は 腐っても
鯛、噛み付いてもボクサーなので
ある。 これには異論を挟む余地はなかろう。
そのタイソンがK-1ルールで戦った場合、以下の方程式が
生まれると筆者は考える。
「タイソンがK-1トップファイターに勝つ」
↓
「やっぱりK-1ってたいした事ないネ!」
「タイソンがK-1ファイターに負ける」
↓
「そりゃ、ボクサーだもん」
「全盛期過ぎてるし」
その他にも「現役ボクシングヘビー級王者なら、、、」などなど
様々な批判的意見が出されるだろう。
こうして見ればわかる通り、タイソン参戦によって既存のK-1ファンが
報われる可能性は殆ど無い。
ファンにソッポを向かれるようなマッチメイクをしているようでは、
有料放送を使って全世界に放映しても元が取れなくなってしまうかもしれない。
事実、タイソン参戦に
否定的なファンの方が多い のが現状である。
そんな折に前提のA、3年間で100億円のファイトマネーを
タイソンに支払うというのである。
これはファンだけでなく、今まで
K-1を支えてきたファイター達に失礼
ではないか?
現在、K-1地方予選の賞金は約150万円、WORLD GPを制覇しても
せいぜい4400万円しか貰えないのである。
賞金とは別にファイトマネーを支給しているのであろうが、
世界のトップファイターを相手に1日3試合も戦わせて、仮に全勝しても
40万ドルしか色をつけてくれない経営サイドの懐具合など知れている。
なのに いきなり100億
である。
もちろんこれはタイソンが参戦した時の増益を見込んでの事だろうが、
もしそれなりの大金を動かす事ができるのならば、
従来のK-1のファイトマネーを上げるべき
ではないだろうか。
K-1で充分なファイトマネーが保障されるならば、
「新しい人材を発掘」
するという従来のK-1の長所がより生かされるだけでなく、自然と
「他の格闘技団体から優秀な選手が集まる」
のではないか。
長い目で見れば、K-1にタイソンは
必要ない。
このコラムを読んでいるアナタの
ヒーローは、既にKのリングに既に沢山いるハズ だ。
最後に、最近目覚しい活躍をしているレイ・セフォーのコメント
(K-1 GLADIATORS 2001の試合後のインタビューにて)を紹介しておく。
彼の言葉に、今回のコラムの結論は集約されていると思う。
「個人的な意見としては、突然入ってきて噂されている
巨額のファイトマネーをもらうのはどうなのかな。
我々は8年近くK−1を盛り上げてきたのに、
外から入ってきてパッとファイトマネーをとっていくというのは、ちょっと
ずるい と思う。
それにボクサーがK−1のリングに上がったら、
ヒザもあればキックもある。
もしK−1のことを簡単に考えているのなら、
大きな間違い だ。
(from K-1 オフィシャルサイト)」
セフォー、、、 カッコイイ(*−_−*)ポッ
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