2006年 9月8日
国立市長  上 原 公 子 様

社団法人 日本建築家協会(JIA)
      関東甲信越支部 支部長  伊 平 則 夫
同 保存問題委員会 委員長  川 上 恵 一
                    同 三多摩地域会 代 表 嶋 津 民 男

JR国立駅舎の保存活用に関する要望書

拝啓  時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
  貴市におかれましては、日頃より文化の継承に深く理解を示され、また当協会の活動にもご協力頂き深く敬意を表します。
  私ども日本建築家協会では、都市の中で、建築が景観・街並みを形成する重要な役割を担っていることを自覚し、また、それゆえ、それぞれの建築物が永く使い続けられることによってこそ、街並みに文化と歴史とが継承され豊かな都市環境が実現されると考え、当委員会を中心に活動を重ねています。
 
  現在、中央線連続立体交差事業計画が進行し、国立駅に於いても着々と工事が進められております。都のマスタープランの中で、都市交通のあり方を考えますと、連続立体交差事業計画は、滞りなく進捗させるべきものであると理解できます。貴市は、計画当初からシンボリックで市民に親しまれている駅舎の価値を認め、駅舎を市の文化財にすることを考えに入れ、曳家により保存を図ることを計画検討しておられたと聞き及んでおります。しかし、議会で曳家工事のための設計費用の予算が否決されたためにこの保存計画が頓挫し、いまだに保存の方向が定まらない状況にあり、多くの市民や利用者を始めとする数多くの人々によって、今後の成り行きが心配されております。
 今日、歴史の育んできたものと新しいものを共存させることで奥行きのある文化的な都市空間を形成していくことが求められていると考えられます。特に貴市にとって国立駅舎は、街の歴史がそのままシンボル化されたものともいえ、貨幣価値には換え難い真に貴重な存在といえます。ところで、建築物の保存活用には様々な方法が考えられますが、国立駅舎の場合、市民や利用者の深い親しみと愛着、歴史的価値、シンボリックなデザイン性を考慮する必要があると考えられます。このため、再建によるレプリカ、部材の部分的利用、イメージを残すといった、本物が持つ存在感や、歴史的価値を損なう手法を避け歴史の重みを十分に活かした保存活用が必要と思われます。是非とも最後までその可能性を追求し再検討下さるように、ここに要望書を提出させて頂く次第です。
 社団法人日本建築家協会関東甲信越支部並びに同保存問題委員会としても、出来る限りの協力をさせていただく事を申し添えます。
 

敬  具

2006年 9月8日
国立市議会  議長 関 文 夫 様

社団法人 日本建築家協会(JIA)
      関東甲信越支部 支部長  伊 平 則 夫
同 保存問題委員会 委員長  川 上 恵 一
                    同 三多摩地域会 代 表 嶋 津 民 男

JR国立駅舎の保存活用に関する要望書

拝啓  時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
  貴議会におかれましては、日頃より文化の継承に深く理解を示され、また当協会の活動にもご協力頂き深く敬意を表します。
  私ども日本建築家協会では、都市の中で、建築が景観・街並みを形成する重要な役割を担っていることを自覚し、また、それゆえ、それぞれの建築物が永く使い続けられることによってこそ、街並みに文化と歴史とが継承され豊かな都市環境が実現されると考え、当委員会を中心に活動を重ねています。
 
  現在、中央線連続立体交差事業計画が進行し、国立駅に於いても着々と工事が進められております。都のマスタープランの中で、都市交通のあり方を考えますと、連続立体交差事業計画は、滞りなく進捗させるべきものであると理解できます。貴議会は、計画当初からシンボリックで市民に親しまれている駅舎の保存価値を認めておられたようですが、市、市民、利用者にとって大切であると考えられる駅舎に対して、未だに市としての具体的な保存活用計画が決定されず、方向が定まらない状況にあると聞き及んでおります。
 今日、歴史の育んできたものと新しいものを共存させることで奥行きのある文化的な都市空間を形成していくことが求められていると考えられます。特に貴市にとって国立駅舎は、街の歴史がそのままシンボル化されたものともいえ、貨幣価値には換え難い真に貴重な存在といえます。ところで、建築物の保存活用には様々な方法が考えられますが、国立駅舎の場合、市民や利用者の深い親しみと愛着、歴史的価値、シンボリックなデザイン性を考慮する必要があると考えられます。このため、再建によるレプリカ、部材の部分的利用、イメージを残すといった、本物が持つ存在感や、歴史的価値を損なう手法を避け歴史の重みを十分に活かした保存活用が必要と思われます。是非とも最後までその可能性を追求し再検討下さるように、ここに要望書を提出させて頂く次第です。
 社団法人日本建築家協会関東甲信越支部並びに同保存問題委員会としても、出来る限りの協力をさせていただく事を申し添えます。

敬  具