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Column
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1998/08/31
使用自転車:RAIZIN MTB
使用タイヤ:Single Track390F/R
8/30 受け付け
その日ニュースでは、東北地方の大雨,洪水の模様と接近しつつある台風の
情報が流れていた。この為、仲間の一部からは大会が中止になるのではとい
った発言も飛び出していた。しかし、乗鞍への台風の影響は行ってみないと
判らないということになり、私は昨夜ここ松本に向けて出発した。同じく昨
夜博多を出発したK藤氏と松本駅で待ち合わせをしている。K藤氏を載せた
電車がつく30分程前に小雨のぱらつく松本駅に到着した。
松本駅改札をデモンタブルのミニベロを押しながら、にこにこと通過してき
たK藤氏と合流し、とりあえず荷物を車に移して松本を徘徊することに。登
山道具屋,古本屋,喫茶店などを回り、最後に蕎麦屋に行く。K藤氏のガイ
ドブック(氏はこの日の為に、松本のガイドブックを用意していた。)に出
ていた蕎麦屋だが、なかなかうまい。蕎麦の香りが鼻の奥に残る。
蕎麦を堪能すれば、いよいよ会場に向けて出発である。2台の自転車を載せ
た車は、一路会場となる乗鞍:鈴蘭に向けて走り出した。道中自転車を載せ
た車を何台も見かけた。天気は日が射すほどに回復してきた。どうやら台風,
前線の影響はここでは少ないらしい。明日ももってくれと祈るような気持ち
で会場を目指す。
1時間ほどで会場に到着。駐車場の空きを探し、ぐるりと見渡せば、先に会
場に着いていたM山氏,F田氏が手を振っている。両氏とは先月末の南アル
プスツーリング以来である。挨拶もそこそこに、自転車を組み立て、受け付
けへ。受け付けを済まし、自転車にセンサーを取り付けたり、レースクイー
ン?のミニスカートに見とれていたりする間に、K藤氏がサイスポの人に捕
まってしまう。どうやら珍しいミニベロが引き付けてしまったようである。
(本人の弁を借りれば、「あやしい自転車」だそうだ。私が見るに、本人も
十分「あやしい」のであるが。)K藤氏へのアンケート,写真撮影の後、私
にまでとばっちりが。(この顛末はサイスポ10月号参照)K藤氏はこの後、テレビ
の取材まで受けていた。やはり自転車だけでなく本人も「あやしい」のであ
る。
さて、「白」である。何かはここではコメントしない。(適当に想像して下さ
い) だが、今回は見つからなかった。いや、見えなかったといった方が正解
である。それでも約1名受け付け側に陣取り、がんばっていた様であるが。
おやじM山氏が落胆したかどうかは定かではない。
そんなこんなで受け付けを済ませ、今夜の宿である某ゲリラキャンプサイトヘ
移動。サイト予定地には信州百峠マニアであるK原氏がすでに到着していた。
どうやら本日の履修科目は無事終了したようである。さてこの日ここの秘密サ
イトに集まったのは、近D,M山,F田,K下,K原,私の6人。このあと、
約1名がやけどで病院に行く騒ぎもあったが(大した事無くて、何よりでした。)
、変に蒸し暑い夜はふけていくのであった。
8/31 レース
レースは朝7時スタートである。朝ご飯をたべて秘密基地を出発した我々は、
6時過ぎに会場入りした。駐車場が見つからなくてうろうろしたり、棄権者は
出るはでばたばたしたが、定刻には広場に自転車をならべている我々であった。
天気は小雨模様。しかしカッパを着るほ どでは無い。カッパはレーサージャー
ジのポケットに押し込んで、用意は整った。
午前7時。カウントダウンとともにチャンピオンクラスがスタート。順次各ク
ラスがスタートしていく。我々のMTBクラスは最終スタートである。みんな
に促され、ずるずると自転車を引きずってスタート地点へ。去年は本当に列の
最後からのスタートであったが、今年は中間くらい。緊張感などまったかない
雰囲気の中、号砲とともにスタートした。ただし、我々が動いたのは30秒後
の事であった。
今回の作戦は、
スタート〜CP1:スタートから気合いを入れて、がんばる。
CP1〜CP2 :とにかく、がんばる。
CP2〜CP3 :最後まで、がんばる。
完璧な計画である。とりあえず目標は1時間40分とした。まずは前に出なく
ては話にならないので、ぐいぐいと前に出る。調子はそんなに悪くない。ブロ
ックタイヤをぶいぶい言わせながらとにかく前の人を抜いていく。とりあえず
抜かれないで、抜いていく一方なのは気持ちが良い。でも、これは最初だけで
あった。抜かれる人の方がぬく人より遥かに少ないのだが、付いていけるよう
な適当なペースの人がいない。そんなことをしている内にCP1到着。スポー
ツドリンクをもらって一飲みにする。
CP2からは勾配も急になってくる。実は先ほどから足がつりそうなのだが、
ガマンして回す。こんな時は踏み込むより、回転させた方が回復する。そんな
訳でペースダウン。その甲斐あってか、回復してきた。道は簡易舗装の急勾配
になってきた。「ん?」こんどは尻の筋肉が痛い。どうやらサドルが高すぎた
ようである。いつもはトレッキングシューズで乗っているMTB。今日はSP
Dである。トレッキングシューズとSPDシューズの底の厚さの違い分だけサ
ドルが高かった訳だ。いまさら降りて直すのもめんどくさい。このまま行くこ
とにする。尻の痛みは時々サドルに当たるところを変えることでごまかす。C
P2到着。
CP2より森林限界を超えると傾斜も緩くなるのだが、尻の痛みでなかなかペ
ースアップできない。しばらくはガマン。周りは霧で何もみえない。しばらく
すると、先にゴールした人たちがゆっくり下ってきた。この霧では下るのも怖
いであろう。ようやく霧の中に見覚えがあるトイレが見えてきた。ゴールはす
ぐそこである。時計を見れば、1時間45分ぐらいにはゴールできそう。最後
の力を振り絞ってゴールも目指したいのだが、尻が痛い(私は痔では無い。念
のため。)結局ゴールしたのは 1時間50分をやっときったぐらいであった。
ゴール後、前のグループで走っていたK原氏を探す。すぐ見つかった。タイム
を聞けば1時間50分台だと言う。そんなに変わらないタイムである。自転車
を栗原氏に預け、荷物を取りに行く。もどってしばらくするとM山氏ゴール。
M山氏にしては遅いタイムである。どうしたのかと聞けば、パンクしたとのこ
と。納得。最後のK下氏を待って、下ることにする。
今回の下りは霧で前が見えず、また路面も濡れていてとっても怖い。さらに、
寒い。で、ゆっくり下る。眼鏡が霧で濡れてすぐに視界不良になる。こんな時
眼鏡はうっとおしいかぎり。途中、パンクしているMTBの人を救済。M山氏
がタイヤチューブを提供したようだ。CP2,1と通過して下に降りてくれば、
晴れ間が覗いていて暖かい。上とはだいぶ違う。
無事みんな下山して広場に集まれば、棄権したK藤氏,F田氏が出迎えてくれ
た。表彰に縁が無い我々は、渋滞になる前にここを抜けだすべく、そうそうに
帰りの準備を始めた。
帰りは、松本インターの近くで蕎麦を食べる。M山,F田両氏はこれからすぐ
に高速で帰るという。私とK藤,K原,K下の4人は温泉に寄ってから帰る
ことにした。(これがあとあと響いたのでした。M山さんは中央道が通行止め
になる前に八王子まで行ってしまったとの事。う〜む。)温泉に入ったあと、
九州に帰るK藤氏を松本まで送り、高速に乗れば
『中央高速 八王子〜甲府昭和間 大雨の為 通行止め』
との表示。
ここから約6時間のドライブの始まりであった。