自転車山旅派

清水峠

 


1998/10/10,11
使用自転車:RAIZIN MTB
使用タイヤ:ミトスXC

涼しくて、人がいなく静かな峠ということで清水峠に行ってきました。

◇コース概要◇
土合〜一ノ倉沢〜虹芝沢出合〜白樺尾根(新道)〜白樺避難小屋〜
鉄砲平(旧国道)〜清水峠〜居坪坂〜清水〜塩沢〜(輪行)〜土合

◇コースタイム◇
06:30 土合ロープウェイ駐車場
07:15 新道,旧国道分岐
09:30 白樺避難小屋
11:15 清水峠着
12:15 清水峠発
14:45 塩沢駅

・アプローチ〜白樺避難小屋
お盆休みにどこか山に行きたいと思っていたが、人がいっぱいのところは敬遠したい。
そこで、去年日程が合わなくて行けなかった清水峠に行くことにした。しかし金曜日
の時点で新潟は大雨。どうしようかと思っていたが土曜日に天気予報を確認すると、
新潟、上越地方の天気が日曜からよくなるみたい。さらに登山センターに登山道の状
況を聞くと集中豪雨の影響は無いと言われた。それではと土曜日の夜、羽村を出発し
て、土合に向かって車を走らせた。
      
夜11時くらいに土合のロープウェアのりばに到着。ロープウェイ駅には、いつのまに
か立体駐車場ができていて、ロープウェイ駅の前は駐車禁止になっていた。仕方が無
いので、下の広い駐車場に駐車。一日500円だが、土合駅に止めるより静かでいい
かなと此処で車内泊とする。                            

日曜日朝5時起床。ラーメンの朝食を食べ、6時半スタート。まずは一ノ倉沢をめざ
して舗装道路をゆっくりと上がって行く。ロープウェイはすでに運転を開始しており、
駅前にはたくさんの登山客がいる。ほとんどが日帰りの登山客みたいで軽装である。
駅を過ぎれば静かな舗装道路がそんな勾配もなく続く。やがての小さな尾根を回り込
むと圧倒的な岩壁が見えてきた。一ノ倉沢である。道が沢を横切る付近には岩壁を見
上げる人がいっぱい。さらに周辺にはテントがたくさん張ってあり、にぎやかである。
あるテントなどは、道をふさぐように張ってあって大変邪魔である。ここを過ぎれば
道はダートとなり、静かになる。旧国道の雰囲気も出てくる。ダブルトラック幅の林
道のような道がほぼ水平に続いている。湿った道には最近のと思われる自転車の轍が
2本残っている。(これはコース最後まで一緒だった。)単独行の身としては心強い。                    

新道への分岐でどちらに行くか迷うが、標識にある「通行困難,健脚者向き」の文字
にびびり、単独行なのを考えて急な登山道を新道へと下る。新道はJR監視小屋の前
をとおり、しばらく湯桧曽川沿いに進む。旧国道と違って完全な登山道である。「男
は度胸」「女は愛敬」とか訳の分からない看板がある武能沢を渡ると白樺尾根につけ
られたつづら折れの道である。今回唯一の上りらしい上りの道である。送電線を目標
に、前三角に頭を通して担ぐ。送電線2本を越えて、やぶを越えるとちいさな白樺避
難小屋。おもちゃのような非難小屋である。ここから斜面をトラバースしていく旧国
道と尾根に立つ送電線鉄塔が見えてくる。清水峠はその鉄塔の所まで行かないと見え
ないらしい。

私の場合、単独行になると小刻みに短い休憩を取ってしまう傾向にあるみたいなので
ここでちょっとゆっくりと休憩を取る。朝のうちガスに包まれていた山頂付近も晴れ
てきて、夏の日差しになってきた。 

・白樺避難小屋〜清水峠
白樺避難小屋で一服した後、蓬峠への分岐を分けて旧国道に入って行く。鉄砲平まで
は沢を横切る部分がガレていたり、右側の路肩が弱かったりで押しと担ぎの繰り返し。
基本的に右曲がりの大きなカーブを描いているのであるが、そこの間にちいさなうね
うねがいっぱいある。「う」で尾根を左曲がりに横切ると、「ね」で右曲がりに沢を
乗り超す繰り返しである。道はほとんど水平であり、シングルトラックの幅であるが、
よく見ると山側に草と雪で曲った木に覆われた旧国道の残りの部分がある。全体でみ
るとダブルトラック分の幅があり、旧国道の趣を残している。沢の部分を何とかして
刈り払いすれば今でも林道として使えそうな道が続く。明治の時代によくこんな道を
作ったものである。しかし押しと担ぎの繰り返しはこたえる。        

鉄砲平を過ぎると担ぎはほとんど無く、ほとんど押していける。乗ろうと思えば乗れ
る道だが押して行く。谷側は潅木が生えているので滑落の心配はないと思うが、もの
すごい角度で谷に落ちている。最後の沢を横切ってちょっと上れば赤い三角屋根が特
徴的な送電線監視小屋がある清水峠である。監視小屋ではヘリを使った荷揚げ作業を
していたので、避難小屋へ移動する。避難小屋ではロードレーサーに乗っているとい
う登山者と会話を交わし大休止。この登山者が土合方面に出発してしまうと、一人で
ゆっくりと峠の景観を楽しんだ。
     
清水峠

峠はゆったりとした笹原で遠くに谷川岳の岩壁が見える。手前には蓬峠へと続くなだ
らかな稜線。送電線監視小屋の赤い屋根と風力発電用プロペラが不思議な風景を作っ
ている。単独の為か、または谷川岳と言う名前の為かわからないが、ここまでの道が
なにか重い雰囲気であった為、余計にこの峠の開放感,展望がすばらしく思えてくる。  

ここで昼食。今日のメニューはラーメンともちである。早速作ろうとザックを開けて
みると、、、無い。どうやら車の中に置き忘れてしまったみたいである。とほほ。仕
方が無いので非常食にと持ってきた「水またはお湯を入れるだけでできる五目御飯」
を作ることに。お湯を入れるだけで結構おいしい五目御飯ができるのだが、時間がか
かる。すきっ腹にはつらい20分である。                 

とほほな食事後、しばらく「ぼぉ〜」としてこれから向かう方向を見ると、旧国道が
引っ掻き傷の様に谷を挟んだ斜面につけられている。ここまでの道と違い、ここから
先の国道は手入れが入っていなくて通行困難とのこと。きっと雪で曲げられた木と草
で覆われていることだろう。行ってみたい気はするが、歩くだけでも相当な困難が予
想される。これは他の人に任しておこう^^;。            

・清水峠〜塩沢駅
清水峠から清水の集落へ至る道は居坪坂と謙信尾根の2つがある。謙信尾根の道の方
が歴史的に古いみたいであるが、今回は居坪坂の方へ。

しばらくは旧国道を走るが、すぐにつづら折れに。道は石がごろごろして湿った道で
あるが、つづらのカーブもきつくなくほとんど乗って降りてこられる。きょうは後ろ
からプレッシャーをかけてくる人もいないし、ヘルメットも持ってこなかった。その
ため、ゆっくりゆっくり降りる。まともに乗れる山道は久しぶりだったので、タイヤ
が土の路面にグリップする感触が心地よい。              

つづら折れを過ぎると本沢の渡渉地点。水流の幅は1.5m位なのだが、ここのとこ
ろの雨の為か水量が多い。石伝いにわたるのは無理そうなので、靴が水没するのを覚
悟で飛べるところを探す。ある岩の上で自転車を担いだまま「跳べそうかな」と見て
いると突然足元がぐらり。慌てて跳んだものの、みごとに片足を膝下まで水につけて
しまう。

とほほほ

この後もう2つ渡渉があった。もう靴はびしょびしょだったので、どうにでもなれと
いう心境であったのだが、こちらは石伝いにあっけなく渡れてしまった。途中、白い
フレームポンプを拾う。轍の先行者のものであろうか?道は清水峠を乗り越えてきた
送電線に沿うような形で続く。林道に出て(一部、崩壊により迂回路あり)舗装路に
変わった清水の集落の自動販売機で峠方面を眺めながら一服した。      

ここから塩沢駅まで走り輪行で土合に戻るのだが、塩沢駅に着いてみれば、目の前を
電車が発車する所であった。最終の水上行はチェックしておいたのだが、こんなに早
く着くとは思っていなかったので2時台の電車をチェックしてなかった。ここから更
に走る気力もない。このため、塩沢駅で次の水上行きを3時間も待つはめになってし
まった。

とほほほ

結局5時45分発の電車で土合へ。土合駅に着いてみれば、峠で話をした登山者が、
「ここ(土合駅)で寝る。」
とくつろいでいた。ここでも自転車の話に花が咲き、結局、駐車場に到着した時には
夕闇が迫っていた。                           


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