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![]() 十国峠,ぶどう峠
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1998/09/19
使用自転車:700Cクロス
使用タイヤ:700 x 32
こんな会話では決まった今回のツーリング。それにしても午前3時集合は早い。
K原氏の自宅まで1時間かかるから、午前2時にここを出なければ行けない。
午前2時に出る為には、、、午前1時に起きなくては。と思いつつもいつもの
様にパソコン通信なぞをやってしまう。ふと時間を確認すれば、、0時30分。
(ひぇ〜〜、徹夜じゃ〜。)ということで今回の西上州峠ツアーがスタートし
たのである。
予定通り、K原氏ご指定の集合場所に3時に着き、荷物を氏の車に載せ変えて
今日のスタート地点である小海線・八千穂駅に向けて、スタートを切る。車は
順調に中央高速、R141をどんどこ走って行く。
どんどこどんどこ(ただいま車で移動中です)。
さて、到着したのは小海線・八千穂駅無料駐車場。さっそく用意して7時20
分に自転車で走り出す。天気は上々。今日は暑くなりそうだ。千曲川に沿って
旧道を海瀬のR299に向けて走る。やがて山から送電線が迫ってきた。多分
十国峠を越えてきた送電線であろう。これからしばらくはこの送電線と一緒に
登って行く事になる。海瀬でR299バイパスにでて、ゆるゆると登り出す。
バイパスに出てすぐのところに
『国道299 群馬県側は当面通行止めです』
の看板。どうやらこの前の大雨の復旧工事みたいである。2人で顔を見合わし
どうするか相談するが、どうにかなるとの判断でそのまま計画続行。ちょうど
通学時間に当たるらしく、小学生,中学生が駅の方に向かって降りてくる。の
どかな風景である。ここら辺から異常に眠くなってきた。
ふぁあぁあぁぁぁ〜。
あくびばかりが出る。ペースが上がるはずもなく、ただぼんやりとペダルを踏
む。気温もまだ、さほど上がっておらず。昼寝には絶好の天気なのである。
ふぁあぁあぁぁぁ〜。
しばらくすると先行するK原氏が止まった。休憩みたいである。途中何度も気
絶していたみたいで記憶がぼんやりしている。過去に居眠り運転で道端のやぶ
に突っ込んだ経験がある身としては危ない状況だった。また物笑いの種を作ら
なくてよかったよかった。
休憩で首筋に水をかけて、多少しゃんとしてきた頭で走り出す。道は広く、車
も少ない。空には鱗曇。さわやかな風が吹きぬける。大上峠を経て勧能への道
を分け、ダム湖を過ぎれば道も細くなり、旧道らしくなってくる。
「乙女の滝」の看板と滝が落ちる轟音に誘われて、遊歩道を降りてみる。おぉ、
立派な滝だ。大量の水が力強く落ちている。とても乙女なイメージはない。同
じ乙女でも「龍馬が行く」の乙女姉さんのイメージである。
さて、相変わらず登りは続く。勾配はそんな急ではなく、木々に囲まれて涼し
い道である。先ほどまでの眠気も今は吹き飛び、調子良く登って行く。登りな
がらあのあたりかなというところに峠はあった。たいへん礼儀正しい峠である。
峠はちょっとした広場になっており、トイレなどもある。舗装の峠によくある
パターン。西上州の山並みが見渡せる。ここでちょっと休憩。K原氏はランド
ナーのフロントバックから火器を取り出し、お茶にする。私もタバコをすいな
がらボーっとする。
峠に茸取りの集団が来たので、根が生えそうな腰を上げ、旧道を探すべく下り
始める。十国峠の旧道は矢弓沢林道の左手から分岐しているはずである。しば
らく左手に注意しながら走るが、なかなか見つからない。そうこうしている間
に送電線と道が交差するところまで来てしまった。これは行き過ぎである。ち
ょっと戻ってみれば、それらしき道が見付かった。しかし薮である。かなり深
い。これは二人とも想定外であった。今回はここから入るのはあきらめる。さ
らに下の方でまた林道と旧道が接近する所があるのでそこを目指すことになっ
た。
しばらく降りてゆくと、左手にあやしい登山道。K原氏はこれが旧道への入り
口と主張するが、いまいち自信が持てない。もう少し降りてみることに。少し
降りると、杉林の斜面の上の方に道らしきものが。確認の為、斜面を登って見
る。かなり登った所に旧道はあった。ランドナーでも問題無く走れそうないい
道である。遥か下の方に登ってきた道が見える。この道が先ほどの入り口と思
われるところに通じているはずと、旧道を上の方へしばらく辿ってみる。案の
定、先ほどの道に出た。K原さん、あんたは正しかった。さすが、信州100
峠マニア!
さて、自転車をもって旧道に乗り入れれば、そこは乗車率ほぼ100%の快適
な道であった。ふっふ〜んと鼻歌交じりで降りてゆく。(嘘です。クロス車で
はちょっと恐かった。)。旧道は白井の集落に出て、すぐに終わってしまった。
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十国峠 旧道 |
この時点ですでに12時。意外に旧道探しに時間がかかってしまった。これか
らぶどう峠を越えて戻らなくてはいけない。まずは腹ごしらえである。十国峠
とぶどう峠の分岐がある砥根平の先のバイパス沿いにある民芸品の博物館??
に自動販売機があるのを発見し、ここのベンチで昼食とする。ここは今日休館
日のようで、静かである。おにぎりの昼食をとったらまた眠くなってきた。
ふぁあぁあぁぁぁ〜。
結局、30分程度の休憩で出発することになった。眠くてベンチの上に横にな
ったのだが、日差しが強くて眠れなかったのである。仕方が無く、トイレで顔
を洗い眠気を覚ました。ここからは川の左岸にできた新道を行く。と、ところ
が、入り口にまたもや、やな看板が。
『道路崩壊の為、しばらくの間全面通行止めです。』
道路崩壊。この前の雨の影響みたいである。ここが通行できないと、十国峠を
再びのぼるか、塩之沢峠から回るかしかない。
「ど、どうしましょうか?」
「ま、自転車ならどうにかなるでしょう。」
と言ってみたものの、ちょっと不安である。入り口側の郵便局で工事していた人
に、
「ぶどう峠は自転車で越えられます?」と聞いてみる。
「自転車ならだいじょうぶ。と思う。」との心強いお言葉。
ちょっと安心して、このまま進むことに。 新道をずんずん行く。
ここあたりは、去年の5月に来たときに比べ、道がよくなって当時の面影がなく
なっていた。ところどころ旧道があるのだが、新しい道に寸断されている。途中
浜平鉱泉に寄ってみる。奥田野館は以前と同じように立っていた。
さて、なんやかんやで最後の集落を通り抜け、いよいよぶどう峠への峠道に入っ
ていった。車が入らないだけあって、結構荒れている。大雨時に道路が川になっ
たらしく水が流れた後に沿って石と枯れ枝がいっぱいが並んでいる。勾配も急に
なってきた。しばらく2人とも会話が無いまま進む。
「ちょっと休憩しましょう。」と言って、自転車を止める。もうだいぶ走ったか
なと地図を覗いてみれば、まだまだまだまだ峠は先である。(うぇ〜。)
ちょっとタバコを吸って体力を付ける^^;。
「さてと、いきますか。」と出発するが、またまた看板。
『この先、道路崩壊の為、全面通行止めです。』
K原氏と顔を見合わせ。(うへぇ〜)と思っていると、ちょうど工事関係の人が
車で上がってきた。
「全面通行止めですよ〜。」
「行けるとこまで行きまぁ〜す。」
最悪担げばどんなとこでも多分大丈夫であろう。
(我々に恐い物など無いのだぁ〜。がははははは。)とは思わなかったが、この
頃には何とかなると確信していたのも事実である。さて、看板があるゲートを突
破して、ますます急になってきた道を進めば、工事現場に出た。どうやら崩れた
法面にコンクリを吹き付けて補強している様である。先ほどの車もいる。工事の
邪魔をしないように急いで通り抜ける。通り抜ける際にはコンクリがぱらぱら降
ってきた。(ここが崩壊部?)と思いながら通り抜けたのであるが、核心部はこ
の先にあった。道路がほぼ20Mに渡り崩れていた。ガードレールが宙ぶらりに
浮いている。一番ひどいところで、幅1M位しか残っていない。もう1回大雨が
くればそれさえも崩れてしまいそうである。なるべく壁際を押して通過。一応大
丈夫そうであるが、心臓によくない。
崩壊地点を越えてしまえば、車もこない自転車天国の道となった。ただし、相変
わらず路面は石と枯れ枝で林道のようである。ここからがなかなか辛かった。雲
が多くなってきた為、さほど暑くは無いのだが、いけどもいけども坂である。や
っとのことで傾斜がゆるくなり、峠が近いのかなと思っていると、前方に切り通
しが見えた。(あれが峠だぁ〜)と思い、ペダルを踏み込む。ついて見れば、た
だの切り通しであった。切り通しからはホントの峠と思われる場所が見える。気
を取り直し、沢を一回渡って登れば、そこがぶどう峠であった。峠にはベンチと
石碑があり、なかなか眺めがよい峠であった。
K原さんを待つ間、私の後からやってきたバイクのライダーと話をする。崩壊地
点を通過つるときは恐かったそうである。200Kgの重さがあるので、いつ崩
れるかきがきではなかったそうだ。ライダー氏と話しているとK原氏がへろへろ
になってやってきた。フィルム切れでこの時の様子を写真に撮れなかったのは残
念である。
峠で40分ほど休憩しただろうか。あとは下るだけである。千曲川に向かってど
んどん下る。途中、自転車を止めて話しているグループに挨拶をする。
(ん?)
どこかでみたような顔である。(まぁ、気のせいだろう。)と思いそのまま下っ
ていると、グループの一人が追いかけてきた。
(ん?おぉ、F井さんではないか!)
あわてて、自転車を止める。どうやら職場のひと達を連れて、栂峠に行ってきた
帰りらしい。F井さんとは東京〜糸魚川で顔を合わせた以来であった。この人と
は、去年年末のオバンド峠ツーリング途中でも会っている。変なとこで会うもの
だ。しばらく歓談していると、F井さんの仲間も降りてきて、にぎやかになって
しまった。
F井さんとは12月の再会を約束して、別れる。我々は、引き続き千曲川目指し
て下りはじめた。途中、神社に寄る。K原氏の趣味である。本人いわく、
『爺臭い、趣味』
だそうだ。私のコメントは控える^^;。
ここまで来れば、残すは後少し。千曲川沿いに道を取り、車まで戻るのであった。
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け〜原氏 |
コースタイム
八千穂駅 | 7:20 |
乙女の滝 | 8:50 |
十国峠 | 9:20-10:00 |
旧道入り口 | 11:30 |
白井 | 12:00 |
砥根平 | 12:10-12:40 |
ぶどう峠 | 14:50-14:35 |
八千穂 | 16:50 |