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![]() 信州 峠巡り(その壱)
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1998/05/01
使用自転車:700C スポルティーフ
使用タイヤ:700 x 32
コース
白馬グリーンスポーツの森駐車場〜青具峠〜大洞峠〜鬼無里〜大望峠
〜鬼無里〜嶺方峠〜白馬グリーンスポーツの森駐車場
先行して白馬に入ったK藤氏と合流すべく、私が家を出たのは4/29の昼頃で
あった。夕方には余裕で白馬に着くと踏んでいたのだが、着いたのは夜7時回っ
ていた。白馬駅前からK藤氏の携帯に電話をしてみれば、すでにキャンプ場に入
ってくつろいでいる。暗くて探すのも大変だと判断し、翌朝グリーンスポーツの
森駐車場で合流することにする。私は駐車場で車内泊である。
ぐおぉぉぉぉぉぉ〜
轟音を残しながら長距離トラックが駐車場の脇を走る国道を疾走していく。うる
さくて眠れない。糸魚川から松本に至るR148は、思ったよりうるさかった。
トラックの轟音に邪魔されながらうとうとしていると、朝になってしまった。朝
食を摂って自転車の準備をしていると、K藤氏登場。早速自転車をおろし、準備
する。コースの打ち合わせ後、出発。
まずはR138を南へ。出てすぐの橋から残雪の白馬が見渡せる。川の両岸から
渡されたロープには、鯉のぼりがいっぱい泳いでいる。天気はよさそうである。
冷たい朝の空気が気持ちいい。この一帯の道路は長野オリンピックの影響でかな
り整備されている。これから向かう神代から美麻へ向かう道も例外でなく、神代
付近の分岐は立体交差になり、道幅も広くなっている。神代の立体交差を過ぎれ
ば、道は田んぼの中をのんびりと山の中に向かう。山の中にちょっと入った時点
で、旧道との分岐があった。迷わず旧道へ。新しい道は青具峠の下をトンネルで
越えてしまう。車はほとんどがこのトンネルを越えてしまうのだろう。旧道はま
さしく自転車の天国であった。峠といっても勾配はそんなになく、のんびりと上
がってゆける。こんな道ならもう少し走っていたいなと思う頃には、1軒の民家
と、「峠」というバス停がある青具峠に到着した。「峠」のバス停をバックに記
念撮影。バス停を見れば、本数は少ないもののまだ路線は生きているみたいであ
る。
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五月の空に揺れる鯉のぼり |
峠を後に美麻側に下る。こちらの方が勾配はきつい。つづら折れを何回かこなす
と、トンネルを出た新道に合流した。まだまだ下りは続く。まっすぐな道を、ス
ピードが出るに任せて、下ってゆく。下りきれば美麻である。ここから道は大町
街道(県道31号線)に入る。ここもあちらこちらが道がよくなっていて、所々
昔の道が残っている。できるだけ旧道を拾うように進む。
小川村の長久保という場所で左折。ここが大洞峠を越えて鬼無里に入る道の入り
口である。ちょうど傍にあったガソリンスタンドでボトルの水を交換。先ほどか
ら変な味がして気持ち悪かったのである。駐車場のトイレの水がいけなかったの
か?やっとまともな水にありつけてほっとする。ここから道は徐々に高度を上げ
ながら、山の中には行ってゆく。左手には残雪の白馬三山が常にみえている。勾
配も急でなく、自転車向きの道。途中、白馬方面の案内板がある、展望台で休憩。
展望を堪能する。
休憩後さらにゆるゆると登る。日本記と言う場所にでた。県道が交差する十字路
で、左に行けば、山裾を巻きながら長野方面へ出られる。地図で見た限りでは、
高度差もあまり無く、またこれが県道かと思えるほど狭く(ここらの県道はみな
こんなものみたいだ。)まさに自転車向きの道に思えた。この道を使えば、岩井
堂峠に回ることもできるが、今回は直進して大洞峠を目指す。ここから大洞峠は
すぐであった。
大洞峠には「星と緑のロマンピア館」という鉱泉宿がある。まだ新しいりっぱな
建物だった。この脇を抜け、小さな池の縁を通ればそこが峠であった。ただし、
峠を示すものは何も無く、ただピークになっているだけの場所であった。このあ
たりかな?というところで写真を撮り、鬼無里へ降りることにする。鬼無里側は
今まで来た道と違いつづら折れの急勾配でどんどん標高を下げてゆく。やがて橋
を渡り鬼無里の中心部に出た。
鬼無里にずいぶん早く着いてしまったので、Inter-netで調べておいたおやき屋
さんに行くことにした。いったお店は「いろは堂」。入ってみれば、まだ時間が
早いのか、お客さんは我々ともう一人店の方の知り合いの画家の方だけであった。
ここのおやきは、皮が薄くうまい。私は一遍でこのおやきのファンになってしま
った。(さらに、帰るまでに2回このお店に行きました^^;。)お店のおかみさん
といろいろ話をするうちに、今年は雪解けが早いとか,水芭蕉がもう咲いている
とか,山菜が一遍に出てきて困るなどの話が出てきた。やっぱり今年は1ヶ月程
季節が早く進行しているようだ。
すっかりくつろいでしまったが、時間はまだある。それではと、鬼無里と戸隠の
間ある大望峠に行ってみることになった。鬼無里の中心部にある十字路の交差点
を神社の脇を通るようにして直進。大望峠への道へ入る。しばらく走っていくと、
前から見覚えがある車が来た。小池(仮称)さんである。小池(仮称)は今日の
キャンプのみ参加で、集合地点には車で行くと言っていたのだ。自転車も積んで
いるので、峠まで一緒に走りましょうと誘うと、車を止める場所を探すと先に峠
の方向へ向かった。我々も後を追って走ってゆくと、今度は自転車に乗ったK野
さんにばったり。K野さんは草津から長野,野尻湖,戸隠と自転車で回ってきて
いる。しばらく立ち話をしていると、小池(仮称)さんがやっぱり峠には行かな
いと言い出す。こまったもんだ。小池(仮称)さんとK野さんには先ほどのおや
き屋の場所を教え、そこで待ち合わせることに。我々は峠に向けて、再出発。
峠はそこから30分ほどで着いた。峠は切りとおしになっており、切りとおしの
上には展望台がある。また昔は切りとおしの上の部分が本当の峠だったようで、
おじぞうさんやら、石碑が並んでいた。展望台からは戸隠連峰と低い山並みの向
こうに見える白馬が見渡せた。戸隠は残雪もなく、黒々している。やはり季節は
1ヶ月ほど早回しになってしまったみたいだ。
待ち合わせに遅れるといけないので、早々に峠を後にする。下りをどんどん下っ
てゆけば、あっと言う間に鬼無里に戻ってきた。先ほどのおやき屋にもどり、小
池(仮称)さんとK野さん、K藤氏の4人でおやきを食べる。私は集合地点であ
る峠で食べようと、お土産まで買ってしまった。店のおかみさんは私のことを覚
えていて、おまけまでいただいてしまった。ごちそうさま。
さてここから、集合地点である嶺方峠を目指す。とりあえず小池(仮称)さんに
は途中にある奥裾花国民休暇村で待っていてもらう。ここから国民休暇村までは
川沿いに緩やかに登ってゆく道である。かつて一人でこの道を走ったことがある
が風景はほとんど変わっていない。のどかでいい道である。のんびりと走ってゆ
けば小池(仮称)さんの待つ国民休暇村に到着した。小池(仮称)さんはここか
ら峠まで走ることになった。自転車で走るのは久しぶりだという小池(仮称)さ
んはそれでも、すいすいと走り出した。
ここから峠までが長い。「まだですかねぇ〜」という小池(仮称)さんに、「も
うすぐですよぉ〜」と嘘を言いながら走る。私自身も(あのカーブの先かな)と
思い、それが何度も裏切られた頃やっと峠に到着した。
トンネルを覗くと、期待通りの風景が広がっていた。トンネルの出口の四角い枠
に切り取られ、まるで黒い写真フレームの中にある写真のように、残雪の白馬が
青空をバックに覗いている。集合が午後3時なので天気が心配だったのだが、期
待通りの青空が広がっている。しばらくトンネルの出口で景色を楽しんだ後、今
度は旧峠である夫婦岩越しに行ってみることになった。小池(仮称)さんは車の
回収の為、国民宿舎に戻っていった。
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峰方峠から白馬を望む |
旧峠への入り口はトンネルを鬼無里側にもどったすぐの所にあった。ミニベロ,
ランドナー,スポルティーフの混成部隊がこの道を押して上がった。峠は入り口
から15分くらいの所にひっそりとあった。ちいさな祠に石仏があり、旧峠であ
ることを教えてくれる。ここで先ほど仕入れたおやきを広げ、のんびりと休憩す
る。しばらくのんびりとしていたら、下に見える道を一人のランドナーが上がっ
てきた。K原氏である。大声で呼べば、気がついた様子。しばらく待っていると
K原氏がランドナーと共に峠に現れた。これで、自転車で峠に集合するものはみ
んな集まった事になる。あとは黒姫山に山サイにでかけた3人のメンバーがそれ
ぞれ車で峠に集合すれば全員である。
だれかトンネルの方の峠で待っているといけないので、私だけ旧峠を一足早く降
りる事に。旧道の下りもやっぱり押して下り、舗装の道路に出る。トンネルを越
えて向こう側に行ったがまだだれも来てはいなかった。そうこうしているうちに、
旧峠にいたメンバーも降りてきた。あとは車のメンバーだけと待っていると、新
車のパジェロを先頭に残りのメンバーがトンネルから出てきた。これで無事全員
がここ嶺方峠に集合した。
嶺方峠でしばらく歓談した後、今夜の宿となるキャンプ場を目指して下りにかか
る。目の前に白馬の山々をみながらのそう快な下りを堪能すれば、あとはゆっく
りキャンプ場に向けて走るだけであった。