自転車山旅派

信州・春のツーリング 地蔵峠・しらびそ峠

 




1999/4/30
使用自転車:BSユーラシア改
使用タイヤ:700 x 32
☆行程☆
矢筈砂防ダム〜県道18号線〜小渋ダム〜大鹿村〜地蔵峠〜しらびそ峠〜
下栗〜上村〜赤石トンネル〜矢筈砂防ダム

 今年の連休、いつもの自転車仲間で小川路峠への遠征の計画が盛り上がった。
私はといえば小川路峠にも興味があったのだが、東京〜糸魚川のファーストRUN
が5月下旬に控えている事もあり、山サイよりオンロードツーリングに専念した
いと言う思いから、かねてより行きたいと思っていたしらびそ峠を目指す事にした。

☆コースタイム☆
矢筈砂防ダム  06:15
小渋ダム    07:55
地蔵峠     10:10
しらびそ峠   11:50-13:00
上村      14:00
赤石トンネル  15:30
矢筈砂防ダム  16:00
 車内泊した車から起き出したのは、午前5時だった。昨夜「前夜宴会」と銘打っ て鍋を囲んでいた仲間はまだまだテントの中だ。天気は予想通りの快晴になった。 ちょっと寒いが、気持ちのいい朝である。

 ごそごそと出発準備をしていると寝ていた仲間も起き出してきた。計画よりちょ っと遅い6;15分、寝ぼけ眼のみんなに見送られスタートを切る。

 まずは県道18号線にでるまで450mの下りである。川に沿った道を風を切っ て降りて行く。日が射し込まない谷間はまだまだ寒い。頬と手が寒さで痛くなって きた。もう少しと我慢して降りて行けば、やっと小川の交差点に着いた。ここから ほぼ水平に天竜川上流の小渋ダムの入り口を目指す。体はすっかり冷えてしまい、 なかなかペースが上がらない。伊那谷はまだ朝日が射し込んでいない。  途中で寄ったコンビニで本日の食料とあったかいお茶を購入。お茶を飲んで、や っと暖かくなってきた。そろそろ日も射してきた。やっと普通のペースで走れるよ うになる。道は白く冠雪した中央アルプスを終始左手に見ながら進む。  伊那大島のあたりで、小渋ダムへの道へと入る。道は川沿いにぐねぐね緩やかに 登って行く。ダンプや作業車が傍らをどんどんと抜いて行く。結構ダンプの多い道 である。そんなにたいへんな思いをするわけでもなく、7:55に小渋ダムへと到 着した。

 小渋ダムでちょっと休憩した後、大鹿村へと出発する。途中四徳大橋から白い南 アルプスの頂が見える。雲一つ無い青空に白い雪が輝く。しらびそ峠につくまで、 天気が持ってくれるよう祈りながら、カメラにこの風景を収めた。  相変わらずの谷間の道を進むと、突然谷が広くなって大鹿村の落合にでた。落合 は朝の為かひとけが無く、静まり返っていた。時折ダンプが走って行く以外、車も ほとんど走っていない道を地蔵峠に向けて走りだす。ダンプは道沿いに数多くある 採石場に向かっているみたいで、上流に行くほど少なくなっていった。

大鹿村より南アルプスを望む

道は小渋川を渡ると狭くなり、雰囲気もなかなか良くなってきた。本来の秋葉街道 は川の対岸に有るらしいのだが、道から眺めた範囲では全然判らない。途中には点 々と民家が有るのだが、廃屋も数多く目に付く。そんな中を川に沿って登っていけ ば、地蔵峠に至るつづらの部分に差し掛かった。つづらのカーブを数えながら登っ て行くと、9つのカーブを数えてしばらくして地蔵峠に到着した。  地蔵峠は切りとおしの峠で、かつての峠道がすぐ脇にある。ここに峠の名前とな ったお地蔵様がいる。お地蔵様と自転車をならべて毎度恒例記念撮影。撮影後しば し休憩をする。

 ここからしらびそ峠を目指すわけだが、ここまでの積算高度は約900m。あと 約500mの登りである。しらびそ峠への道は峠にもかかわらず、さらに登って行 く。  道は斜面をトラバース状に登って行くのだが、なかなかペースが上がらない。ゆ っくりと高度を稼いで行く。谷を挟んだ向こう側の稜線が少しずつ低くなって行く のがうれしい。やがて左側の斜面が途切れて、切通し状になると眼前に南アルプス の大パノラマが広がった。時刻はほぼ予定通りの12:00であった。

しらびそ峠

 しばし呆然と峠からの南アルプスを眺める。去年夏に行った椹島や二軒小屋はち ょうどこの尾根の向こうあたりだ。雪を被った山々とバックに写真を何枚か撮って 休憩する。20分くらい峠にいただろうか。さて食事を取ろうと、しらびそ山荘に 向けて最後の登りを登り始めた。  しらびそ山荘について最初に目に飛び込んだのは、林鉄の車両だった。すかさず、 近くで写真撮影。まったく誰の影響だか困ったもんである。写真撮影後は、山荘前 のベンチでおにぎりと、買った五平もちで昼食となった。  約40分ぐらいの休憩後、しらびそ山荘を後に南アルプスエコーラインを上村に 向けて走り出す。道は出発後すぐにダートに変わった。下りなので、パンクしない よう注意しながらそろそろと走る。やっとのことでダートが終わり、しばらく走れ ば日本のチロル、下栗であった。

 すごい、何でこんな斜面に集落があるのだ。たしかに谷間より日当たりのいい斜 面は作物を作るのに適しているのだろうが、それにしてもすごい。民家の前を通る 細い道をくねくねと降りながら、ただただ驚いてしまった。

 下栗の集落をすぎれば、あとは上村にど〜んと落ちて行くだけである。上村には 峠から約1時間で到着した。さてここから車が置いてあるキャンプ場に戻る為には 約600m登って、赤石トンネルを越えなくてはならない。

 村の中心で一休みの後、この最後の登りに取り掛かる。途中遠足か何かの小学生 の集団とすれ違う。すれ違うたびに「こんにはわ」と元気な挨拶が飛んでくる。 さすが都会とはちがうなぁ〜と感心。「かっこいぃ〜」との声もかかる。うんうん そうだろう。だから田舎の子供は好きである^^;。子供たちの小さな声援に送られて 進めば、砂防ダムに赤石トンネル開通の立派な記念碑があった。今は三遠南信自動 車が抜けてこの林道も忘れられようとしているが、かつては赤石トンネルの開通は 地元の悲願であったのだろう。  記念碑を過ぎてしばらく行くと、小川路峠に向かうと思われる道の分岐に出た。 分岐から見える道はダートの林道だが、これはどこまで続いているのだろう。上村 側の旧峠道は荒廃しているとの話なので、しばらくするとこの道も無くなってしま うのであろう。

 中央構造線に沿って南北に伸びる稜線の東側にある道は、もう日が当たらず、ま た先ほどから車も来ない寂しい道になってしまった。時々現れる沢はガレていて、 いっそう寂しさに拍車をかける。勾配の苦しさにがまんして登って行くと、これま た寂しい沢に小川路峠登山口の標識が現れた。これが、けさ仲間が使った登り口だ ろう。地図をみてトンネルはもうすぐな事は判るが、前の山に走るガードレールが 気になる。まさかあれは登らないだろうとは思うのだが。カーブを曲がるたびに、 トンネルは見えないかと思いながらしばらく行くと。トンネルが現れた。先程見え た道はトンネル脇から分岐する林道であった。正直、ほっとする。

 トンネル脇には仲間がデポした車がまだ置いてあった。どうやら私の方が先に戻 って来れたようである。もうこれで登りはない。暗いトンネルを通ってキャンプ場 に降りれば、今日のツーリングも終了である。



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