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![]() 右左口峠(うばくちとうげ)〜鶯宿峠(おおしゅくとうげ)
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K原氏と待ち合わせたのは、道の駅「甲斐大和」。ここに私の車を
デポしてK原氏の車でスタート地点に向かう。空はあいにくの梅雨
空で、まだ雨は降り出していないが、どんよりとしている。勝沼I
Cの先でR20を広域農道へと左折し、ほとんど車が走っていない
道を藤垈の滝へ向かう。藤垈の集落で、滝方面へ左折。しばらく行
った空き地に車を停めた。今回のコースは「秘蔵版MTBツーリングブック」に出ているコー
スで5〜6時間で周回できそうである。時間的には余裕があるのだ
が、いつ振り出すか判らない空が我々を急き立てる。自転車の準備
を終えて、走り出したのはまだ7:10であった。まずは、藤垈の滝へと行ってみる。道沿いの橋を渡れば、キャンプ
場もある広場へと出た。滝の看板もあるが、この広場から上の方に
登らなければ行けないようだ。体力が消耗することはやめて、広域
農道へと降りることに。梅雨寒のせいか、下るとちょっと寒い。広
域農道は車も少なく、甲府盆地を右手に見ながら、盆地の縁を周っ
てゆく。雨がぱらぱらしてくるが、いつのまにかやんでしまった。
R358を左折。これから右左口峠を目指して、旧国道を南下する。しばらくは、新しいR358を行く。旧国道への交差点を見落とし
行き過ぎてしまう。いかんいかん。すぐに戻って、交差点を曲がっ
た。しばらく行けば、目印のコンビニも有りほっとする。旧道に入
り、道幅もぐっと狭くなってきた。宿集落は昔からの集落であろう
か? 道の脇には石碑などが目に付く。道は、家と家に挟まれた狭
い路地のようで、これがかつての国道とは思えないが、旧街道と言
われれば納得してしまうような、なにか懐かしい雰囲気があった。集落をすぎれば、道はちょっとしたつづら折れになり、高度をあげ
て行く。すぐに、先ほど別れた新しい国道に出た。旧道はこれを横
切って、斜め前の方に続いている。旧道はしばらく舗装であったが、すぐにダートに変わった。旧国道
というだけあって、傾斜は緩やかであるが、幅は普通の林道と変わ
らない。今日持ってきた自転車はクロス車で最大ギヤは34*27。
舗装だったら大抵の坂はこれで行けるのだが、今回は早々にすべて
のギヤを使い切ってしまった。坂がこれ以上だと、とてもじゃ無い
がK原氏にはついていけなかっただろう。さすが旧国道である。K原氏のペースでずんずん登ってゆくと、わりとあっさりと峠に着
いてしまった。峠には「上九一色村」という村界標識と中道案内板
があり、宿集落方面から中道の登山道が上がってきている。中道は
かつて甲府から東海道方面へ出る為の街道の一つみたいで、結構よ
さそうな(山サイするには)道が下に続いている。いつかこの道を
調査しよう、などと話しながら、15分ほど休憩した。休憩後は、上九一色に向けてダートの道を降りる。そんなに荒れて
いる訳では無いのだが、MTBの様にはスピードが出せず、ゆるゆ
ると降りていくと、ダートの道は舗装に変わり、R358に飛び出
した。ここからは、側を右手にみながらしばらく国道を走る。車も
少なく、のんびりと走れる。すずらん峠への道に入る。小さなアップダウンを繰り返しながら、
徐々に高度を上げてゆく。目指すは鶯宿。おおしゅくと読む。この
道はキャンプで何回か使った道なのだが、鶯宿は記憶に無かった。
川沿いに走ってゆくと、やがて集落が見えてきた。あれが鶯宿なの
であろう。小さな集落を抜け、峠となんじゃもんじゃの木の道標が
ある分岐で小休止。なんじゃもんじゃ?「なんじゃもんじゃってなんじゃ?」とへたな
しゃれを言おうとしてやめた。だまってタバコをふかす。一服した
ところで上に向けて出発。またもやK原氏に引きずられるように、
登ってゆく。峠直前で、「なんじゃもんじゃの木」への案内板。こ
れを右に折れて、登山道を押し上げる。乗ってゆけそうな登山道を
しばらく行けば、「なんじゃもんじゃの木」と祠がある峠に着いた。峠は草が生えてちょっとうるさいが、木々に囲まれた静かな峠であ
った。「なんじゃもんじゃの木」には説名板があり、葉の形が檜で
も杉でもなく、で「なんじゃもんじゃ」だそうだ。別名「両面檜」。
かなり古い木らしく見上げていると、圧倒されてしまいそうだ。昔
からここで旅人を見守っていたかと思うと、感慨深い。登山道を更に進むと、先ほどの林道に出た。林道の峠は甲府方面の
眺めがよい。ここで昼食とする。あとはこの林道を下るだけなので
気が楽だ。結局1時間ほどのんびりしてしまった。峠からの林道は荒れ気味であった。ここもゆるゆるとゆっくり下る。
舗装に変われば、車をデポした空き地はすぐそこであった。