誰でも作れる自作ミノー   シーバスミノーの製作過程
    これから御説明するミノーの作り方は「とりあえず自分で作ったミノーでシーバスを釣りたい!」という人のためのものです。仕上げのコーティングは簡便に済ませているため汚れや傷がつきやすいのですが、2日間あれば作成できます。手軽にミノー創りを楽しみましょう!
  設計図(手書きのスケッチでもかまいません。)をもとにバルサ材を切り出します。スプレーのりがあれば型紙に軽く吹きバルサ材に貼り付けて切り出すと狂いの少ないボディーができます。
     
  通常、バルサミノーは左右を貼り合わせて作るため左右両型紙方の型紙を作ると便利です。バルサの厚みに応じてカッターを使い分けると便利です。これは曲線をカットする際の刃先の歪みが影響するためです。
     
  切り出したバルサと設計図にあわせてステンレスワイヤー(0.8mm)をラジオペンチで曲げます。先の細いラジオペンチを使うと小さなアイが作りやすくなります。

最近では加工が容易なステンレスの針金(0.9mm)を使用しています。初心者の方はこちらをお勧めします。

オモリは全体のバランスとを考え決定します。フローティングミノーにする場合は、オモリとバルサのバランスが重要になります。経験的に覚えることが重要ですがオモリの調整はチェックの際にできます。

     
  ステンレスワイヤーの折り返し部分に糸を巻きます。家庭にあるナイロン糸でとりあえずは十分と思います。

シーバスのランカーなどでミノーが壊れるようなことがあればそのときにでも糸の素材については検討しようと思っています。

     
  糸を巻きつけた部分に瞬間接着剤をつけて乾かします。

工程上この後、オモリを固定してもかまいません。

     
  オモリの大きさとステンレスワイヤーがおさまるように掘り込みを入れます。ステンレスワイヤーの掘り込みは、型紙が張り付いている段階で設計で書き込んでおいた線の上を鉛筆等でなぞり、深くすることでおさまります。オモリの部分は彫刻刀で掘り込みます。
     
  いよいよバルサの成形に入りますが、ステンレスワイヤー+オモリの芯を入れバルサを接着してから成形する方法と、芯を入れず両面テープで仮止めし成形してから貼り合わせる方法があります。

芯を入れてから成形する場合ワイヤー部分に紙ヤスリを掛けにくいことが欠点ですが、時々水に浮かべバランスをみながら削ることができるため、工程が早くなります。

芯を入れずに仮止めをして成形する場合、手際良く成形できますが、貼り合わせる際の微妙なバルサ面のズレができる場合があります。この工程の場合クロロプレンゴム系(G17等)の接着剤を使用し、「落ち着いて」貼り合わせ、十分に硬化させてから次の工程に移ってください。

バルサの接着は作業性を考慮して瞬間接着剤(ゼリー状)を利用しています。

     
  水に浮かべバランスを確認し乾燥させ、仕上用の紙やすりで表面を滑らかにした後に、よく削り粕をとり、下地処理をします。一般的な方法としてはバルサの表面を硬くするため、セルロースセメントという液体にディッピング(ドブ漬け)します。
     
  1回〜2回目のディッピング後、軽く仕上用紙やすりで表面を滑らかにし、数時間ごとにディッピングと乾燥を繰り返してください。乾燥時間は使用方法の説明に従ってください。また頃合を見計らって、アイについたバリはカッター等で適宜取り除いてください。

セルロースセメントへのディッピングは最低でも7〜8回ぐらいは必要です。当然ディッピングすることでミノーの重量が増しますので、フローティングミノーがシンキングになどということにならぬよう気をつけてください。

     
  塗装前の下塗りに白色を塗ります。ここでは、少しでも皮膜がクッションになればと思い水性アクリル(白)の缶にドブ漬けしています。セルロースセメントやウレタンによる本格的に仕上げのコーティングを行う場合はコーティングの際に水性ペイントの皮膜にシワがよるため仕上げと同じ種類の塗料で下塗りをしてください。

セルロースセメントの購入が難しい方、面倒くさい方?は、できればスプレー式のプライマーで目止めをした後に、このディッピングを繰り返せばある程度の使用には耐えられると思います。

(セルロースセメントでディッピングしたものに比べてミノーが多少柔らかくなります)

ちなみにここでは「アトムオールマイティネオ−ホワイト」の防カビ!(笑)入りを使用しています。ただし

     
  ディッピング後、一晩乾かし、仕上の塗装に入ります。持ちやすいペンチの先に紙を巻きつけ塗装に入ります。ここではイワシ風の塗装を市販の缶塗料とスプレーで仕上ています。イワシの背中の青を背中側から吹き、生乾きのうちに、腹と側面の銀色を吹きつけます。あまり厚塗をせず、色がきれいに混ざるように心がけます。失敗してもまたその上から塗装できます。
     
  本体の塗装が十分乾いてから、目を入れます、筆で書いても良いのですが、簡便な方法としては丸い割り箸を適当な径のところで切って白目と黒目の大きさとします。白目を入れた後に乾かし黒目を入れれば、魚らしく?なってきました。
     
  イワシの斑点を入れますが、これには爪楊枝の頭を切って、利用しています。爪楊枝についた塗料の量を確認しながら、打ってゆきます。自信の無い方は鉛筆で目印をつけておくと良いでしょう。
     
  あとは、色止め塗装です。セルロースセメントに漬けて光沢と強度を増す方法もあるのですが、塗装した色が流れてしまう場合がありますので、ラッカースプレーを2〜3回ぐらい吹くことで、コーティングに変えています。ラッカースプレーといえども一度に厚塗をすると色が流れてしまう場合がありますので、薄塗の重ね塗をお勧めします。
     
  アイの部分のバリを取り、フックとスプリットリングを着ければ完成です。バランスを考えながらフックとスプリットリングを取り付けます。(写真はダブルフックの直付けです。)

この程度の自作ミノーでも立派にシーバスが釣れます!

尚、オリジナル・ルアーの部屋の塗装はすべてスプレー塗料の組み合わせで塗装しています。

     
     

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