(1998.10.15.)
いよいよ明日退院です。
今日は今後の治療法について先生方と両親も同席して
話し合いました。
勝手に間違えて考えていたことがあり、
ちょっと動揺してしまいました。
引っ越し準備をしてたんですが、
荷物が多くて明日は大変なことになりそうです。
(1998.10.14.)
遂に退院の日取りが決定しました!
あさって10月16日(金)午前中です。
明日っていうお話もあったんですが、
明日は海外骨髄バンクのことについて
先生方からお話があるとのことで、
余裕を見てあさってにしました。
外はさぞかし涼しくなってることでしょう。
多少リハビリ期間が必要かな...。
(1998.10.12.)
今日の採決結果も順調で、いよいよ退院近し!
なんですが、今度の水曜の採血結果を見てとのこと、
まだ具体的な話は出てません。
突然ですが、今日の夕食は松茸ご飯でした(病院食です)。
これで松茸ご飯2回目、今年は松茸が安いんでしょうか?
大体豪勢な食事が1回出ると、1週間くらいそのしわ寄せで
ややひもじい食事が続きます...。
(1998.10.10.)
随分長いこと更新するのをサボってしまいました。
現在、やっと骨髄が回復してきて、白血球もかなり
増えてきました。おそらく来週中には退院もしくは
退院の目途くらい立ってると思います。
もう輸血も必要なく、首にいれてたカテーテルも
抜けました。
予想よりずいぶん長居してしまいました。
再来週からは大学に行けるのではないかと思います。
その前に上野の帽子屋に行ってきたいです。
(1998.10.5.)
抗ガン剤治療が終わって3週間が過ぎ、
今日はかなり骨髄が回復してるかと思いきや、
全然変わりばえしませんでした。
やっぱり僕の骨髄は反応が鈍いようです。
この調子で行くと、あと2週間は入院しそうです。
こうなってくると、入院したまま大学に通学するのが
現実味を帯びてきます。
もちろんそのためには無菌室を出て、一般病棟に
引っ越さないと行けないのですが。
(1998.10.4.)
今日から入院生活二ヶ月目に突入しました。
お医者さんのほうから、退院の話がちょっとだけ
出ました。授業が今月から始まったから
早く退院したい旨を伝えたのですが、
「病院に入院したまま外出という形で
授業に出れば?」とのご提案がありました。
ちょっと考えてしまいますね。
病院から通うなんてなんか「勤勉学生」って感じです。
でも今はともかく、ぐうたら学生でもなんでもいいから
早いとこ単位をそろえてしまいたいとこです。
(1998.10.3.)
昨日、今日と天気が良くて、
随分精神的に落ち着いてきました。
天気がここまで精神的に影響するなんて
今までの人生では感じたことがありません。
不思議なんだけど、精神的に滅入ってるときは
無菌室から出られないっていうのが、
まるで一生出られないような感じがしてきて、
どんどん不安が大きくなっていきます。
でも普段は無菌室を出られないなんて、
全然苦痛に感じないのです。
不安ってのは振幅の大きい波のようです。
去年、宮崎の老人ホームを見学したときの
ことを思い出していました。痴呆棟にいるお年寄りは
いわばずっと無菌室に入ってるようなものです。
でもその辛さを全然理解してなかったことが、
自分がこうなってみてよく分かります。
ご家族や、施設内で働く人たちの心遣いが
どんなに大事なものであるか...。
なんか堅苦しくなってしまいましたね。
ちなみに体調は痛みもおさまり、いい傾向です!
退院はまだまだまだですが...。
このつるっぱげで講義に出るのはちょっと勇気がいります。
(1998.10.1.)
何だか赤血球が減ってきたのか、
はたまた入院生活に飽きてきたのか
(何故か1ヶ月周期でそういう時期が来ます)
やる気が出ず、だらだら寝てばっかりいます。
でも「飽きた」なんて言ってるけど、
無菌室のお医者さん、看護婦さんには
いいのかいなというくらいよくしてもらってますから、
バチが当たりますね。
正直なところ、今日から大学院の冬学期が始まって
しまったので、ちょっと焦ってるせいかな。
こうやって書いてたら、すこし元気が戻ってきました。
(1998.9.30.)
今日は白血球が少し増えたせいか、
大分痛みがおさまってきました。
抗生剤いくら点滴しても治らなかったのに
白血球は偉大です。
そのかわりちょっと頭痛と吐き気があります。
が、今まで夜も寝られないくらいだったから、
それに比べたららくらくです。
やっと外に出る目途も立ってきそうです!
(1998.9.29)
昨日の熱発は落ち着きました。
でも相変わらずお尻が痛く、
痛み止めを入れまくってます。
「お尻が痛くて痛み止め使った人は初めてだ」
と看護婦さんに言われちゃいました...。
このままでは「お尻を痛がってた患者」っていう
アイデンティティになってしまいます。
非常に不本意至極です。
今日は頭も痛くて、少し気分も悪く、
ボーとしてて、何もできませんでした。
退院してすぐ大学に復帰するためには、
相当モチベーションを高めとかないと無理そうです。
もしかしたら1週間ぐらい、physical・mental両面の
リフレッシュ期間が必要になってしまうかも知れません。
ふがいないですが。
(1998.9.28)
今日は久々に熱発しました。
かなりだるいです。
某箇所も相変わらず痛いです。
今日差し入れしてもらったチョコレートを食べたら
あまりのおいしさに愕然としました。
コンビニで売ってる、フツーのやつです。
ずっと甘いもの食べてなかったせいか、
それとも脳が糖分を要求してるのか...。
(1998.9.27)
今日も相変わらず痛い部分があり、いやになります。
明日の採血で骨髄が回復してればいいんですが、
おそらくまだだと思います。
その他の体調は非常にいいです。
今回はラッキーなことに何故か眉毛が抜けません。
眉毛がこのまま残ってくれれば、大学行ったときに
帽子さえかぶってれば普通に見えるので、
ぜひとも生き残ってほしいものです。
10月のあたま位に、海外の骨髄バンクの調査結果が
出ます。もしドナーがたまたま人種として「日本人」だったら、
一度は諦めた「骨髄移植」も可能になるかも知れません。
もちろん仮定の話だから、悩んでもしょうがないですね。

こんな感じにつるっぱげになりました。
右目の上に出来物ができてしまいました。
白血球がないからニキビにはならず、
赤くはれるだけです。
(1998.9.26)
現在行っている治療では
悪い細胞(ガン細胞)と普通の細胞両方を含む
骨髄の中身を、抗ガン剤を用いて一度カラにします。
一旦カラにした後、また新しくできてくる細胞は
概ねいい細胞ばっかりになります。
で、今はカラの状態です。
このままカラにしてると死んじゃうので、足りなくなった
血球を輸血します。今日は血小板を輸血しました。
輸血時のアレルギー止めの薬のせいか、
一日ボーとしてました...。
[無菌室まめ知識]
お医者さんも看護婦さんも掃除のおばさんも、
みんな下の写真のような、シャワーキャップ、マスク、
....要するに半導体工場のようなユニフォームです。

ちなみにモデルは担当の片岡さん
(みんな「写真とらせて!」と言うと逃げられちゃって、
片岡さんだけが何とかOKしてくれました)
p.s.今日また毛が抜けて、おかげさまで完全ハゲになりました。
眉毛はまだ健在です。
(1998.9.25)
抗生物質のおかげで
大分熱も下がってきました。
だけど相変わらず某箇所が痛くて、
痛み止めの点滴を入れてもあまり寝られず、
昼間もボーとしてます。
どうも当初の目標だった「10月5日退院」は
難しそうになってきました。
毛が大変よくぬけてます!

前から見た図(普通そう) 後ろから見た図(はげまくり)
(1998.9.22.)
昨日も今日も熱がちょっとあり、
感染を示す「炎症反応」っていう数値が
ビミョーに上がってます。
何となく思い当たることと言えば、
あまり具体的に書きにくいところが
かなり相当痛いです。
昨日の晩は痛くて寝られず、
痛み止めの点滴を入れました。
今晩はどうでしょうか。
白血球が増えてくればすべて
解決することだそうです。
あと1週間の辛抱です。
まあ今回の治療は吐き気も少なく
今までお気楽だったから、
このまま終わるわけないなあ、
とは思ってたんですが。
全然話し変わりますが、
ここ1週間、一度も歯を磨いてません!
血小板が少ないから、禁止されてます。
(代わりに消毒薬でうがいをします)
思いっきり歯が磨きたい今日この頃です。
(1998.9.20.)
今日もまたちょっと熱が出ました。
どうも夕飯時になると熱が出ます。
たいした熱じゃないですが。
最近、お茶ばっかり飲んでます。
「ウーロン茶を飲むと抗ガン剤を入れても毛が抜けない」
「緑茶を10杯/day飲むと抗ガン剤の効きが倍増する」
とか、お茶と抗ガン剤絡みのニュースが多かったので。
今日で無菌室に入って一週間、
あっと言う間でした。
残りの二週間もなんとかなりそうです。
(1998.9.19.)
今日、ちょっと熱が出てしまいました。
抗生物質の点滴をしてます、今。
ここんとこ、変な話ですが、
抜け毛がひどいです。
毎度のことなんだけど、全身の毛が抜けます。
何故か髪の毛は最後で、その他の毛が先に抜けます。
ベッドの周りがちぢれっ毛だらけになってます。
業者の人が全部掃除してくれるんだけど、
やっぱりかなり恥ずかしいですね。
業者の人も看護婦さんもみんな「プロ」だから、
そんなこと全然気にしてないかも知れないけど、
こちらとしてはやっぱり、ねえ...。
俺のほうは「プロ病人」ではないので。
もう一生分人の世話になったような気がします。
(1998.9.17.)
最近、ニキビみたいな湿疹が胸や背中にたくさん
できてしまって、皮膚科の先生に診てもらいました。
ヘルペスか?との疑いもあったんだけど、
結局ただのニキビでした。
ステロイド剤を抗ガン剤と一緒に使ったから、
そのせいかもしれません。
こんなにニキビができたのは生まれて初めてです。
別にいたいとかはないですが。
(1998.9.14.〜16.)
無菌室にいよいよ入りました。
何もかも珍しく見えます。
体調はよくて、順調に血球が減ってきたところです。
白血球も普通の人の1/20くらいになってます。
また献血のお世話になります、たっぷりと。
無菌室の電話回線でつなげるか試したんですが、
電話機とナースコールが一緒になってるせいか、
ナースコールが鳴っちゃったり、
迷惑かけそうなので諦めました。
本当は無菌室ではPHSや携帯は禁止なんですが、
先生や看護婦さん達のご厚意で
PHSに限り暫定的にOKしてもらいました。
これでまたE-mailやhomepage更新ができそう。
ありがとうございました。感謝感謝です。
部屋は6畳ぐらいで(かなり広い!)、テレビやCDラジカセ、
ファミコンなどが備え付けてあります。
この部屋からは一歩も外に出られません。
(無菌室の詳しいことは東大病院無菌治療部のhomepageで...)
準無菌室はこんなです トイレ・洗面台も部屋の中

天井には監視カメラ...といっても
体調がいい時は動いてません
無菌室にいると、ほんとに「生かしてもらってる」って感じです。
一泊5万円もかかってるらしいです、噂では。
私学共済に加入してるみなさん、この借りはいつか必ず返します!
(できるんかいな...)
(1998.9.13.)
いよいよ明日から無菌室に入ります。
今日は荷物整理に追われてました。
今日で短い間でしたが6Fともお別れです。
短すぎてスタッフのみなさんの名前を
全員は覚え切れませんでした。
その前に俺の名前が覚えられてないと思うけど。
お世話になりました。
お医者さんや看護婦さんは、
どこまで友達扱いしていいのか、
別れぎわが難しい気がします。
考え過ぎでしょうか。
8Fに行くと、お医者さんや看護婦さんが
「これでもか!」というくらい優しいので、
気をつけないと社会復帰できなくなりそうです。
この優しさに慣れてしまったら、
工学部事務の氷のようなヒエヒエの対応には
きっと体が持ちません。
無菌室に入れたらすぐ電話線をつないでみます。
うまく行くといいけど。
うまく行ったらマニュアルにして、無菌室に贈呈しようかな。
ヒマ人ですね...。
(1998.9.11.)
今日、8Fの見学に行って参りました。
とにかくきれいで、そういう意味では完璧です。
中で本読んだりするにはもってこい!
ただし、5畳ぐらいから全く出られないし、
PHSが使えないから、部屋の子機から電話回線を
引っ張ってきて、インターネット接続しなくちゃいけません。
簡単そうなんだけど、こういうのって結構はまるんですよね。
これがうまく行かないと、すごく窮屈な感じがします。
もしこのhomepageが何日間も更新されてなかったら、
「ああ、おおはしはハマってるな」と思って間違いないです。
あと、今日は無菌室に行く準備として、五分刈りにしました。
床屋行って「五分刈りにして下さい!」ってセリフを
まさか自分がいうことになるとは...。衝撃です。
(1998.9.10.)
昨日は更新するのをサボりました。
なんか倦怠感がすごくて、打つ元気がありませんでした。
ご心配おかけしました。
正式に無菌室に入ることになりました!
来週の月曜(14日)からです。
明日、オリエンテーションと称して、
無菌室(北病棟8F)を見学させていただきます。
PHSがつなげるかどうかが大問題です、俺にとっては。
あと、人間1ヶ月も5畳ぐらいのスペースから出られなくて、
体力(特に脚力)がどのくらい落ちるのか心配です...。
野望としては、退院して次の日くらいから講義とか
出るつもりだし、普通にするつもりなので。
(1998.9.8.)
きょう、受け持ちの先生から、
「8Fの無菌室が空いたから、そっちへ移ったら?」
というお話がありました。
無菌室に行くと、外界と遮断された独房みたいなとこで
監視カメラの回る中、生活することになります。
そのかわり、免疫力が落ちてるときでも、何かに感染して...
というような危険は激減します。
独房とはいっても、「腐っても個室」だし。
おそらく無菌室に行く決心をします。
どうせ1ヶ月ちょっとだし、いい経験かも。
今日は昨日予想したよりも吐き気も少ないし、
ヘビーな二日酔いぐらいです。
まだリバースもなしです(生々しくてごめんなさい)。
ただ胃が痛いのはやっぱりきました。
(1998.9.7.)
今日から薬が入りました。
もう既にやや気持ち悪いです。
明日あさってがピークでしょう。
ちなみに下の写真の2種類の抗ガン剤を入れました。
青いの(ミトキサントロン)が「キードラッグ」といって、強い薬です。
どう見ても体に悪そうです。
裏に「パイロット」とか「ゼブラ」とか書いてありそうな色です。
色のを今日と明日、透明なのをあと4日(?)入れます。
どうでもいいですね。
ミトキサントロン キロサイト
(1998.9.6.)
今日は日曜なので、特に何もありません。
明日の朝からいよいよ抗ガン剤を点滴します。
明日から一週間が気持ち悪い期間、
その後免疫低下期間が2〜3週間です。
(1998.9.5.)
今日は首を通ってる中心静脈にカテーテルを入れました。
これはここから抗ガン剤を入れるためです。
腕から点滴すると、薬が漏れたときえらいことに
なるので、わざわざこんな痛いことをします。
昨日の骨髄検査といい、今日のといい、
何だか痛いのに弱くなったような気がします。
考えてみれば、前はもう死んじゃうかと思ってたので、
ちょっとやそっと痛くても平気だったんですね。
やっぱり気合いが足らんということです...。
手のひらをつねったら痛さが緩和されるかと思いましたが、
どうやらこの程度では効かないという実験結果が出ました。
月曜から抗ガン剤を入れます。
この前同じ薬を入れたときは、髪の毛や眉毛がほとんど
抜けたので、おそらくまた抜けるでしょう。
せっかく久米宏ぐらいまで髪が伸びたのになあ...。
今回は今までと違う階に入院したので、まわりは
ほとんど呼吸器系の病気の人です。
なんかめちゃめちゃ元気です。
出前頼みまくりです!
「北病棟601に月見一つ!」とは、
まるで自分の家みたいですね。
俺もなんか出前やってみようかな...。
その前に来週から気持ち悪くて食えないか...。
(1998.9.4.)
今日は骨髄をとりました。
なんか久しぶりだったせいか、激イタでした。
たぶん骨髄がほとんど健康な状態に回復してたから、
中身が濃くて、そのせいだと思います。
その結果、月曜からの治療メニューが決まりました!
キロサイトとミトキサントロン、つまり
前回の治療と同じメニュー。
維持療法は期間は長いし治りにくいけど
治療はらくちんかと思っていたので、大ショックです。
あと10回もこの治療やるのかなあ...。ブルーです。
ちなみにミトキサントロンの色もブルーです...。
まあ前向きに行きたいです。
明日は首にカテーテル入れます、また痛いねえ。
注射の時にどっか手のひらをつねってると痛くないとか、
小学生のときはやりましたね。今回のにも効くかな?
実験してみます。