ハンセン病を正しく理解する講演会 
2006 
関東の部
6月24日(土) 日本キリスト教団 柿の木坂教会
講師:国立国際医療センター国際医療協力局 石田裕氏


 
 「ハンセン病を正しく理解する講演会2006」関東の部は、長くバングラデッシュやミャンマーでハンセン病対策に従事してこられた石田 裕氏を講師に迎えて行われました。石田さんは好善社の元キャンパーで、邑久光明園でも外科医として勤務、研鑽を積まれ、日本のハンセン病対策についても詳しい方です。石田さんはコンピューターに収録した映像を駆使して講演されたので、初めて講演会に来た人にとっても、ハンセン病という病の実態がよく理解できたのではないでしょうか。また、ある程度知識があると自認している私たちにとっても、医学的にきちっと系統立った話だったので、今一度この病のもつ問題の深さを認識することができました。アジアの開発途上国でも今や治る病気となっていますが、やはりハンセン病は後遺症対策がやっかいな課題です。タイでセルフケアの指導に精力的に関わっている阿部看護師の苦闘をよく理解することができました。講演後の質疑応答では、ミャンマーにおける苦労話なども話され、今、私たちに出来る事は?と自らに問いながら講演会を後にしました。(好善社理事 三吉信彦)













ハンセン病を正しく理解する講演会 
2006 
関西の部
7月1日(土) 日本キリスト教会 西宮中央教会
講師:国立療養所大島青松園入所者 曽我野 一美氏


 
 講師の曾我野一美さん(79歳)は、全国ハンセン病療養所入所者協議会や国家賠償請求訴訟原告協議会会長として、常に先頭にたって人権回復運動を闘ってこられた方です。今回の講演は、その闘志を内に秘めながら一人の人間としての深い思いを語ってくださったように思います。印象に残った言葉を挙げてみます。「40年間の闘いの原点は、『人間として扱ってもらう法律にしてほしい』との強い願いがあったから頑張れた」「ハンセン病になったことによって死と対決したが、弱さの故に死に切れなかった。その延長線上に私の生命と宗教(信仰)がある」「故郷の墓参りをするが、隠れて行く。それが正しいかどうかが問われるが、『迷惑をかけたくない』という思いがいつもある」「強制隔離をした国の政策には断固反対。しかし、国のお世話にならなければ今日まで生きることは出来なかったことも事実」(注・曾我野さんは常々このことを『二律背反的だが…』と言っておられる)。雨の中を参加した80人の参加者のこころに、曾我野さんたちが苦渋の人生を生き抜いて取り戻された「いのちの尊厳」の意味が深く刻まれたと思います。(好善社理事・川崎正明)