たとえばこんなクルマなら・・・
その4
NISSAN・フェアレディZ
−「楽しさとは比例しないスポーツカーの現在」−
●こないだの休みに、久しぶりにZに乗った。Z32。いやはやなんとも楽しかったです。
●J’sティーポの取材で、栃木にある「アルティメイト」(Z好きなら誰でもしってる)さんのミーティングを取材にいった。で、そのミーティングっていうのは、つまりはジムカーナ大会なんだけど、ここでね、社長さんに「乗ってみろ」といわれて乗ったワケです。
●ボクらと同じように、オプション2編集部も取材にきていて、なぜか「J’sティーポ編集部VSオプション2編集部」みたいなことになってしまった。しっかりとアナウンスされて。もちろんボクはJ’sティーポの編集部員ではないワケで、コレで負けてしまったら非常に申し訳ないな、と思ったのですが、やっぱり負けました。
●それをJ’Sティーポ編集部のツボウチさんに話したら、「もうJ’sの名で仕事はさせん!」といってた(トホホ)。でも、やっぱりボクはJ’sティーポ編集部員ではない。困った(あまり困ってないみたいだけど)。
●で、Z。やっぱりこのクルマは楽しかった。自動車雑誌の世界では、今ではもうすっかり相手にされてないみたいだし、当時も「スゴくいい」、という絶賛を受けたクルマじゃない(たぶん、そうだった)のだけど、今回改めて乗ってみて、やっぱZは楽しいよなぁ。と痛感したのであります。
●楽しい、楽しいというばかりでスンマセン。
●で、自分でも何が楽しいのかなぁ、と考えてみたワケですが、やっぱり大パワー+FRということにつきる。もちろんZというクルマはこういうジムカーナ向きなクルマじゃないし、突き詰めていくといろいろと不満とかあるのだろうけど、やっぱりパワーにものを言わせてテールを振り出すという行為(あまり頭の良い行為じゃないですが)は、実に豪快で気持ちイイ。ボクは決して運転がウマいワケでもなんでもないゴクゴク普通のドライバーだから、進入前からクルマの向きを変えてパイロンを効率よく回るなんていうワザはもってなくて、当然ながら大アンダーを出した後でテールスライドしてるだけなのだけど、アクセル、ガバッで、クルクルするという行為は普段あんまりできるもんじゃないし、楽しかったからそれでいいのだ。
●で、思ったのだけど、アメリカ人ってこういうクルマ、好きそうだなぁ、と。
●だからZがアメリカでウケてたのかなぁ、と。
●でも、そんなZも現在ではすっかりアメリカでは人気がない(アメリカにいって調べたわけではないけど、スポーツカーに対する保険料の高騰で、今アメリカでスポーツカーはすっかり死んでるのだそうだ)し、日本でもこんな状況。いったいどうなってしまうのだろうか? スポーツカー。
●ウワサによればストップしていた次期型の開発がようやく始まったみたいだけど、果たしてこれから何年か先、それを受け入れる市場はミニバンとかワゴンとかいったクルマがもてはやされてるアメリカ/日本にまだ残ってるのだろうか?
●ま、ある意味スポーツカーは少ないほうがカッコよくもあるのだけれど。
●それにしても、アメリカで成功したZが、アメリカで葬り去られるというのも皮肉なもんです。
●Zに乗って楽しかったハズが、今やなんとも憂鬱な想いになってしまった。ちょっとだけ・・・。
●ま、こんな面もありますが、それはおいとくとして、Zはやっぱり楽しいスポーツカーだった。しかもそこには、まだまだやっぱりビッグな(スゴい表現だ、我ながら)アメリカをイメージさせる、豪快な味わいが残ってたのです。なんか、おおげさかもしれないけど、デッカいアメリカに対する憧れみたいなものまで含めて。それはやっぱりウレシかったし、文句なしにスポーツカーを感じさせてくれる楽しいものだった。
●たとえばこんなクルマなら・・・その4、NISSAN・フェアレディZ −「楽しさとは比例しないスポーツカーの現在」−
確かに現実と向き合うのはツラいけど、そこは決して暗闇じゃないハズ(たぶん)。次期型も楽しいクルマであることを期待。
copyright Manabu Kawaguchi 1996
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