「神楽感覚」
環太平洋モンゴロイドユニットの音楽世界
細野晴臣・鎌田東二

「音」を奏で、「場」を愉しみ、「霊性」と感応する
スピリチュアルな交歓の饗宴!

作品社より発刊!本体定価2400円

細野晴臣&環太平洋モンゴロイドユニット
おひらきまつり奉納演奏 DVD付

 いやー、遂に出てしまったというか、Bali Gamelan Clubでも何度か名前を出してきた「環太平洋モンゴロイドユニット」。これまではほとんどメディアに露出することなく、細野晴臣さんを中心に年に数回集結しては奉納演奏を行ってきたユニットで、ほかならぬ私(webmaster)もそのメンバーとして参加してきた幻のユニットなのである。その誕生から現在に至るまでについてはこの本の中で各メンバーがそれぞれの思いをこめて語っているのでここでは省略するが、最近の十数年は伊勢にある猿田彦神社のイベント「おひらきまつり」を中心に活動してきたこともあり、細野親分とこのイベントの仕掛け人の一人である鎌田東二師との対談というかたちの中で、モンゴロイドの各メンバーがその「音楽感」について語った不思議な世界観がとうとうDVD付きの書籍となって世に出されてしまったのだ!
 今回の本で収録されている内容は、昨2007年に東京自由大学が開催した「アートシーン21」に於いて、細野氏と鎌田師が進行役となって何回かに渡り開催された講座の実録なのだ。
 環太平洋モンゴロイドユニットのメンバーは、細野晴臣氏を中心に笛の雲龍さん、浜口茂外也さん、三上敏視さん等々様々なジャンルの個性派揃いなのだが、Bali Gamelan Clubでもお馴染みの皆川厚一氏もこのユニットのメンバーで、ガムラン関係からは皆川氏と私の二人がレギュラー参加している。さらにはゲストメンバーで参加し、現在ではほとんどレギュラー的にご一緒している民謡の木津茂理さんと私とで、この本の中で「日本の歌」について恥ずかしながらお話しさせて頂いたという次第である。また、忘れてはいけないメンバーとして、素晴らしいヴォーカリストであった福澤もろ氏もユニットにとってとても重要なメンバーであったが、若くして他界してしまったことは、このユニットの歴史の中で最も悲しい出来事でもあった。
 今回の本は、その知る人ぞ知る環太平洋モンゴロイドユニットのほぼ全容が記された初めての公刊物なのだが、もしご興味がある方がいらっしゃったら是非読んで頂きたいと願っている。