梅田英春著
バリ島ワヤン夢うつつ--影絵人形芝居修業記』

者梅田英春氏が
バリ島はトゥンジュク村でワヤンを学んだ時代のワヤン一座と過ごした物語です
 人気のバリ島の中にあって、観光客のまず訪れることのない、しかし人形影絵芝居Wayang Kulitで有名なトゥンジュク村の一座との話です。バリ芸能の村落での伝承、芸能の大学教育、儀礼の変化とダランの役割、現代社会とワヤン、といった点からも読むことができるエッセイです。

観光地化されていないありのままのバリ島を知ることの出来る1冊!

出版社:木犀社
四六判 上製本  288頁 カラー口絵:16頁
定価:2625円
写真多数 装丁:菊池信義

著者梅田英春氏本人のブログ

是非ご覧ください

《Bali Gamelan Clubからも一言》
 著者の梅田英春氏は、日本でバリ島のガムランの演奏活動を行うことになった1980年代初頭に活動を開始した時からの最も古い仲間の一人です。現在も沖縄県立芸術大学で教鞭を振るう傍ら自らもワヤンの上演やガムランの演奏活動を続けている日本におけるこの分野の草分けの一人です。

 この本の舞台となっているトゥンジュク村は、バリ島の中部タバナン県の中央部に位置する米の産地ですが、この辺りには観光ブームで沸き立つバリ島にあっても際だった観光スポットもほとんどなく、また、各県を結ぶ幹線道路からも外れた場所に位置するために、私が最初に訪れた1981年からその風景はほとんど変わっていません。また、この村は有名なDalangがいることでバリの中では有名な村なのです。そんなTunjuk村は、実は日本のガムラン発祥の地とも言える場所なのです。日本でバリ島のガムランの実演が開始されたときの最初の師匠となるI Nyoman Sumandhi師の出身地なのであり、師が私の両親のアメリカ時代の友人であったことでこのような交流が始まったのです。あれから早30年、日本でも決して珍しいものではなくなったバリ島のガムラン音楽。その幕開けの時代に梅田氏がバリ島で経験した様々な体験が綴られていることでしょう。何しろ私もまだ読んでいないので楽しみにしているところなのですが、ロスメン一つないバリの本来の姿、あなたのまだ知らないバリを知ることの出来る貴重な1冊になることでしょう。