Arbiterレーベルによるガムランの歴史的音盤復刻の第2弾-1928年当時の3つの異なる地域のGong Kebyar(以前のものと一部重複している)のCDがリリース! | |
バリ島に於ける1928年録音Vol. 1
ブラルアン、パンクン、ブスンビゥの ガムラン・ゴン・クビヤール 《収録曲》 アオラ・コーポレーション |
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以前にも紹介した「ザ・ルーツ・オブ・ガムラン」と同時期にSP収録された音源5枚組の中からゴン・クビヤールだけを集めたアルバム。上記の「ザ・ルーツ・オブ・ガムラン」とBelaluanの音源とおなじものも収録されているが、リマスターして聞きやすくなっている。とはいうもののSP録音ということで片面3分ずつに収録されているので、1曲をノーカットで聴くことは出来ないのだが、それでもクビヤール創生期の演奏スタイルを聞くことが出来ることは大変貴重である。また、楽曲名も現在のバリ・ガムランの記載とは異なるものも多いのだが、その辺りは是非購入して解説を読んでいただければ幸いである。 また、今回のCDはエンハンスドCDという、PCなどで見ると当時の動画(無声)や詳しい援護の解説 (英語pdf) も収録されているのは一見の価値あり。解説書の中にも当時の写真が多く収録されており、Colin MacPheeなどの学術書をお持ちでない方々にも比較的簡単に当時の様子を見ることが出来る。 20世紀初頭にバリ島で爆発的に流行したゴン・クビヤール(現在も最も主流のガムラン)を知る上で、この時代の演奏をCDという手軽かつオーディオ装置でもコンピュータでも聞くことが出来るということはバリのガムランを愛好するものにとっては大変ありがたいこと。ただ、当時のSP録音システムもモーターの性能で同じ楽器を録音しても外周と内周、あるいは録音日によって微妙に回転速度が変化してしまうので、若干ピッチが異なって聞こえることはあるのだが、ヘッドフォンで聴くとよくぞここまでの音の情報量を記録できたものだと感心する。演奏や楽曲も現在のものに比べればシンプルに聞こえるかもしれないが、バリのガムランならではのダイナミックな音楽がこの時期に飛躍的に発達したことが目の当たりに聞くことが出来る。 |