Bali Gamelan Club 制作CD
Bali Gamelan Club presents
CD
バリ島 トゥンジュク村のゴング・レコ
GONG LEKO / Tunjuk - Tabanan
2008年7月7日発売
CD 〔器楽篇〕Tabuh-tabuh Leko 定価 各2,940円(税込) |
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バリ島タバナン県トゥンジュク村に伝わるレゴンとジョゲの儀礼を伴奏をする、バリ島で唯一“ゴング・レコ”と呼ばれる青銅製の大編成ガムラン。その響きはどこまでも素朴で柔らかく、心安らぐバリ島の田園の中で時間(とき)を刻み続ける。 | ||
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【収録曲】 |
【収録曲】 |
1997年10月26日 バリ島バトゥブラン村の芸術高等学校(SMKI)にて収録
音楽監督:イ・ニョマン・スマンディ(I Nyoman Sumandhi) 演奏:Banjar Tunjuk Klod "Kusma Sari" 解説:梅田英春(沖縄県立芸術大学) プロデューサー:鳥居 誠(Bali Gamelan Club) 録音・編集:今泉徳人(日本アコースティックレコーズ) ジャケットデザイン:長谷部匡(内田デザイン事務所) 録音アシスタント:鳥居典子 |
バリ島の中でもあまり観光客の訪れることの少ないタバナンのほぼ中央に位置するトゥンジュク村は、人形影絵芝居Wayang Klitの有名な人形遣いDalangが居たことで関係者の間では「知る人ぞ知る」という独自の芸能にこだわりを持つ村だ。住民の多くは農民で、日本でも観光地の定番となったバリ島にあって、現在でも昔ながらの田園風景の中にぽつんとある集落なのである。
私がこの村を知ることになったきっかけは、私の母が長くアメリカはコネチカット州にあるWesleyan大学で日本の箏を教えていた当時の友人で、その大学にバリ島から招かれていた音楽家I Nyoman Sumandhi(スマンディ)師を尋ねてバリ島を訪れたことによる。この村はスマンディ師の故郷であり、師は私の最もお世話になった師匠でもある。1981年当時、タバナン市からこの村までの山道は舗装状態も最悪で、車はそこかしこにぽっかりとあいている穴ぼこを避けながらノロノロと走り続けてようやくトゥンジュク村にたどり着いたのだった。さらにはこの時はまだこの村まで電気もきておらず、夕暮れが迫ると蝋燭やケロシンランプで暗闇を照らしていた。あまり遅くなると完璧な闇につつまれるようで、当時は日が暮れると「危ないから早くデンパサールに戻りなさい」と言われ、その穴だらけの路を慌てて戻っていった記憶が残っている。この方面に詳しくないタクシードライバーの場合などはわざわざスマンディ家の中に我々を呼びに来たぐらいだった。 そんなトゥンジュク村には影絵の他に独特のレゴンのスタイルも残されているのだ。この村でゴング・レコと呼ばれているガムランは、一般的な呼び方であればプレゴンガン或いは5音のスマルプグリンガンと呼ばれるものなのだが、この村で「レコ」と呼ばれる芸能はレゴンとジョゲが合体した儀礼の音楽と言えば分かりやすいかもしれない。詳細は是非CDを購入して頂ければ、この村で長年人形遣いDalangの研究をしてきた梅田英春氏(現沖縄県立芸術大学)が大変詳しく解説を書かれているので是非読んで頂きたい。バリ島のガムランはなにも王宮だけで成立していたものでないことが良く理解出来るはずだ。 今回リリースする2枚のCDは、私にそんな思いが溜まりに溜まった頃、たまたま仕事仲間であったIエンジニアと「バリにガムランの録音しに行こうよ!」と私が誘って総て自費で録音したものだ。1997年のことだからかれこれ11年前になってしまう。この頃は私もレコード会社勤めでさまざなCDを制作していたわけだが、たまの休みなのだから売れる売れないは関係なく、まずは自分が一番聴きたいものを作りたかったというのが本音であった。その上丁度この頃この村のゴング・レコも、バリ島芸術祭の企画で楽器を調整したばかりで、普段ほとんど外部で耳にすることの出来ないこの芸能がバリ島の中で披露されたばかりというタイミングでもあった。おかげで演奏も踊りもしっかりとトレーニングされていたこともありこの録音が実現したのだ。実際のCDとして皆さんにご披露出来るまで時間がかかりすぎた感もあるのだが、友人のIエンジニアのレーベル(日本アコースティックレコーズ)からようやく発売する運びとなったわけだ。久しぶりに録音をマスタリングしていて、この村の楽器ならではの「柔らかさ」は実に嫌味のない音で、Iエンジニアも「こんなに柔らかい音のバリのガムランは聴いたことがない」と自画自賛するほどの音色は皆さんにも是非聴いて頂きたいと願っている。 |
※発売は7月7日です。店頭でのご予約の際CDタイトルとCD番号(NARD-5012/NARD-5013)をお伝えください。 |